PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

目標は村の復興。
大好きな人参がたくさん取れる故郷の村を無くしたくない一心で覚えたての錬金術を片手に試行錯誤しながら村を発展させていくというゲームです。

ですが、今作はアトリエシリーズとして非常に自由度が高く、錬金術を極めるもよし、錬金術で作ったものをお店で売るのをメインにするもよし、錬金術を一切行わずに冒険し続けるもよしと、やれることが非常に多くそれに伴って熱中してしまいます。
特に、今作オリジナルのお店要素は、どこにどう品物を並べて、今は何が流行っていて、どんなものが人気なのかを追っかけたり、あるいは自分で流行を作ったり、そのために売るためのアイテムを作ったりと、非常に頭を使いながらも楽しめました。（お店自体は他の作品にもあるにはありますが、これほどお店要素をメインに据えた作品はありません。せいぜい余ったアイテムを置いとくと無人販売で勝手に売れている、程度のものです）

冒険に関して言えば、敵は基本的に強いです。いいアイテムが落ちてるところほど敵も強くなってきます。
……が、無理すれば倒せないことはないくらいの強さなので、無理やり倒すのか、諦めて戻るのか、あるいは時間をかけて作ったアイテムを使って打開をするのかといった悩める楽しみ、絶妙なバランスがあります。
また、そのアイテムを作るためにはどんな効果を持たせたいのかを考え、その材料を探し、どれくらいまで妥協をするのかを考えながら作るため（例えば極上の一品を作りたい、依頼のためだからある程度の品質と従属があればいい。図鑑を埋めるだけだから品質はどうでもいいから特定の効果が欲しいなど。）非常にうれしい悩みとなります。と同時に、あの従属を持ったアイテムを作るためにこんな従属の付いた素材が欲しい！　となって、材料探しに夢中になり非常に熱中して遊んでしまいます。

はじめてやると制限期間の3年は短そうに感じますが、システムになれるとだんだんと時間に余裕ができますし、期間延長イベントも比較的簡単に狙っていけるため、手軽に遊べます。

もちろん、じっくり遊びたい人は、極上のアイテムづくりやエンディング全開放、ムービー全開放と全一枚絵、全音楽回収、図鑑コンプリートにアイテムの性能コンプリートとやるこむことに事欠かず、一作品として、非常に満足できるボリュームでした。

初めにチュートリアルもあるので初めての方も楽しむことができ、あるエンディングを見るとそのデータでのアイテムなどを引き継ぐことが可能なため、移植前のPS2をやり込んだ人まで楽しめるでしょう。

BAD/REQUEST

まず、若干のバグがあることです。
一応ゲームの進行上で困るようなバグはありませんが、できれば修正をしてほしい細かなバグがいくつかあります。（一部の武器を作るためのレシピが使えなくなる。引き継ぎモードで引き継ぐデータが最強のボスを倒していたならその結果も引き継いでしまうといったバグ）
ゲームメーカーには是非修正をしていただきたいところですが、とりあえず現時点ではパッチが出ていないため、この点は悪い点として挙げさせていただきます。

次に、そもそものゲーム自体が古いせいもあるのですが、グラフィック（特に戦闘等のキャラクターのグラフィック）が粗く、古臭い印象を受ける点です。
しかも、今回移植にあたって新規追加されたキャラクターはいたって普通な感じになっているため、そこの部分で違和感を感じてしまいます。

そして、インターフェースがところどころ不便です。
例えば調合の場面で、膨大なリストの真ん中あたりのアイテムを作りたいときにページ飛ばしがしたいといった状況がよくあるのですが、この作品では一番上か一番下にしか飛ばせないため、真ん中あたりのアイテムを選択するのが面倒といった点が挙げられます。

COMMENT

今作は私はおよそ150時間ほどかけて図鑑（アイテム効果含め）完成、エンディング、一枚絵、音楽の全開放、ほとんどのアイテムの極上の一品完成を行いました。
なぜこれほどまでに夢中になったのかというと、それには理由があります。

この作品をシリーズと比較して見ると、他の作品と違って従属という、他のアイテムに引き継がせられる補助的な効果（例えばアイテムが腐りにくい、破壊力が上がるなど）を引き継がせるために最も頭を使う作品です。
（これの一個前は複雑すぎて理解が非常にしにくく、さらに前の作品には従属効果自体有りませんし、逆にこれ以降の作品はRPG寄りになったり、特定の従属を抽出できるため、今作ほど考える必要がありません）
そのため、アトリエシリーズでも屈指の素材集め、調合の楽しい一作であると感じました。
しかも、待望の引き継ぎモード付きなので、PS2版をやり込んだ方も、せっかく作ったアイテムを消して新しく一からやる必要もなくなりました。（PS2版では、作ったアイテムを周回プレイをしようと思っても持ちこせなかった）

個人的には是非とも、とことんやり込むプレイをオススメしたいゲームでした。