ファイナルファンタジーVII インターナショナル(FF7) レビュー

ファイナルファンタジーVII インターナショナル(FF7)
発売元 スクウェア・エニックスオフィシャルサイト
発売日 2009/04/10
価格 1,500(税込)
レーティング 【B】12才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク Amazon攻略本
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ゲームアーカイブス
■ ジャンル:ロールプレイング
■ 必要容量:1715MB


オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 4pt 4pt 4pt 4pt 4pt 1pt
総合点
82pt

GOOD!

今でも十分通用する画像に、壮大だけどメリハリのあるシナリオ、ミニゲーム、シークレットアイテムにシークレットキャラ・・・バランスよく構成されています。
開発スタッフも100人を越すというFFの中で最もゴージャスな金字塔とも言うべき作品です。

ストーリーに関してはそれまでのお決まりのパターンではなく、星の生命さえも枯らしてしまうほどにエネルギーを吸い取る大企業と戦うのですが、文明と環境破壊問題にも一筋縄ではいかない側面があ
ることを丁寧に説明していきます。エンディングについてもプレイヤーに考えさせるような終わり方は、嫌いではない。むしろ新鮮な印象を受けた(あくまで個人的には)。

こちらは6に比べ、ピュア感覚があまり無かった事が抵抗が多いユーザーを増やした側面も否めない。
暗い世界観の中で尚も生きていこうとするライト感覚な6のキャラ違い、7は暗い世界観の中の心に傷を抱えている面々に対し、あまりに人間味をダーク感覚にしてしまった事も挙げられるだろう。
しかし、こちらは6に比べピュア的感覚には劣る部分はあるかも知れないが、こちらの方が人間のリアリティーという点では優っている。6キャラのような好感よりも、内面の暗い人間性とトラウマを出す事で、よりキャラクターの裸の視点という部分を見せようとしていたともいえる。
暗い世情の中で未来を信じて生きる6のキャラクターとは違う、負の部分を持った人間性がキャラを生々しく見せている。

また、当時『エヴァンゲリオン』の影響などもあったのだろう。シュールな感覚とグロ描写の導入、そして難解なストーリーという形でプレイヤーをよりゲームの世界に引き込もうとしていたスタッフの創りやもくろみも伺える。そういった部分を積極的に取り入れていた。
そういった現代世情にも視点を向けていた感覚はFFの特徴であり、長所だった。それは本作にも多かれ少なかれ引き継がれ、本作が発売された当初はFFのシリーズが始まって満10年という時であったし、10年経過したことが、「FFはここまで変わりました」という印象とインパクトを与え、遂にはDQをも超えたという印象すら与える位のビッグタイトルの座を掴んだのだといえた。
FFはDQに比べ、柔軟性と融通性を利かしたRPGという印象があり、そのバリエーションとシリーズ数でDQを遙かに凌ぎ、大きなシリーズという形を形成する事が出来た。そういった玩具箱的な要素がFFの魅力だったし、小説のようなイメージのDQや、テーブルボードのような感覚の『ウィザードリィ』とは違う点が大きな特徴だった。

BAD/REQUEST

本作の序盤展開に比べ、中盤と後半が・・・というのは結構尾を引くようです。
前半の「ナニナニ?この展開・・・・・・。」と思わせておいて、後半や中盤の「これでいいの?」と思ったシーンも結構賛否が分かれます。
エンディングでも「その後のクラウド達はどうなったの?」と言う事がボカされ、そういった点ではラストシーンの部分に不満を感じた人も多いでしょう。

ミニゲーム充実というのはFFに限らない訳ではないのだけど、猫も杓子もミニゲーム、ミニゲームという点が多かったのにはいささか、辟易とし、シリアスでハードなストーリーの本作にはそぐわなかった部分も決して小さくはなかったと思う。
それもそれまでミニゲーム(ゲーム中のカジノなど)を完全に否定していたFFなだけに、バイクやら潜水艦やらスノーボードやらのミニゲームを導入した時点で「?」だったが。

あと、FFは(ごく最近までは)シリーズを重ねる毎にヌルゲー化する傾向が強く、「ラスボス不在」とまで言われた前作6程ではないにしても本作もラスボスが弱いので、それらの問題点も解消されたとは言い難い部分もあった。
とりわけ宝条、パルマー、タークスを始め神羅幹部やジェノバの様な重要な敵キャラが異様なまでに弱い。これはイベントバトルなのかと思った程。
実際、まだしも梃子摺ったのはロストナンバー、キャリーアーマーというどうでもいい位置付けのボスだったし。
終盤でのハイデッカーとスカーレットの操る対ウェポン決戦兵器の弱さには唖然とした、完全に名前負け・・・・それだけに後にFF13で(同じく裏ボスではないストーリー上のボスとして)再登場したときの真逆的な鬼畜具合にまたまた驚きだったが・・・
(7のプラウド・クラッドと13のプラウド・クラッドの体感的なギャップはFCDQ4のエスタークとDQ5のエスターク以上の差がある)
最終決戦の台詞「エアリスの思い、その思いに(中略)最後の決着を!!」では盛り上がるものでしたが、それにしてはラスボスが弱過ぎて戦っているというよりは「痛めつけてやる」感覚でしたし。

マテリアシステムは成功と言われますが、個人的にはあまり好きではないです
誰もが同じ魔法を使える様になりキャラの個性が完全に壊れてしまいましたのはしばしば問題点として挙げられている通りです。実は各キャラの元のパラメータや武器の攻撃力もそれ程差がありませんし
FF4のように融通が効かなくても前衛後衛の役割がハッキリしているのがベストだと思っています。
5の誰でも万能に使えることを目的にするアビリティーシステムを遠因とする弊害です。

COMMENT

本作はその内容によって異論を起こしたのは、ストーリーがややダークだったけれど、前作『FF6』の方が物語性としては面白かったし、ゲームの爽快感やテンポもやはり6の方が上だったという点も作用している為だと思われる。

FFはDQに比べ、柔軟性と融通性を利かし大きなシリーズという形を形成する事が出来たというのは述べたが、それが全て上手く作用した訳ではない所もあるし、その内容にしろゲーム性にしろ、全ての点でDQやウィズを超えていた訳ではない。
現代世情や時代を捉えているという点では、本作シリーズが一番ではあるのだが、それとてDQのような万人向けや、ウィズのようなマニアック向けという訳でもないのだ。

FF7もそういった部分を昇華しきれなかった部分もあるのだろう。
それ故に本作は6以上に好き嫌いが分かれるユーザーを増やしてしまったといえるだろう。
ラストへの伏線も6のようなノリでも前進でもなかった事が惜しいと言えば惜しい。

本作以降、FFが駄作RPGになっていったという見方もあるのも、旧シリーズとの比較という面白味が無くなってきたからだと思います。
元々、FF自体、DQやウィズといった他のシリーズ物RPGに比べ、前作との関連性がシステムのみ・・・・・・というのがミソだったのですが、そういった関連性でみる面白味も消えていったと思うし、シリーズ化の弊害ではあるのでしょうが、そういう部分を本作で事実上、断ち切ってしまった感があります。
『FF1』?『FF6』までのシリーズにしても、旧作との対比や違いを見比べていくのも面白かったのですが、本作ではあまりそういった面白さがありません。
戦闘画面にしても、ゲーム性にしても、大きく改変され、旧シリーズとの対比の面白さというもを付けづらくなっていった感もあるし、次作の『FF8』では、ジャンクションのシステムを有効に活かすようなことも出来なかったし、システムの破綻という部分もあるのでしょうが、
こういったシリーズもののゲームには「前の作品よりここが改善されている」「前の作品よりいいとこもあるのだけど、前の方が良かった感も・・・」という見比べ方も楽しみの一つだったと思うのですが、そういう面白味が欠けていたのは、本作以降のシリーズの欠点だったと思います。

「失敗は成功の母」とはよく言われます、一方「成功は失敗の父」とも言われます。母ではなく父なのは何が要因になっているのか直接見えてこないからです。
スクウェア(FFシリーズ)は完全に方向性を誤ってしまったのはこの作品が大ヒットしてしまったおかげでもあることが良く解ります。実際、7の後のFF8があの内容だったのは正直ショックでした。

プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
TGKさん [2011/07/11 掲載]

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ファイナルファンタジーVII インターナショナル(FF7)評価ランク
中央値
72
難易度
1.21
レビュー数
29


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