PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

※今回のアーカイブス版がイースという作品に初めて触れた経験となる。
当時のゲーム状況がよくわからないので、（少々不公平だが）2012年現在の、全く初プレイの視点から書かせて頂く。なので当時リアルタイムでプレイした方とはかけ離れた感想になると思うがご容赦を。

○アニメーション
CD-ROM2の凄さはかねがね耳にしていたが、なるほど当時でこれだけの動きや描画が出来るのは確かに凄い!
ラストボス戦の背景演出には心が震えた。

○ボイス
イベントシーンでは「声って偉大だな」と思える。それほどまでに演出の質が向上する。声優も豪華。

○音楽
ファルコムサウンドの良さは健在。

BAD/REQUEST

……正直、今やるとキツイ所が多い。

●アバウトな戦闘
敵さんにぶつかるだけ。聞こえはシンプルでいいが実際にやると作業感が強すぎる。
雑魚・ボス共にアルゴリズムも単調でやってられない。
『2』の最終版では半強制的に最終レベルまで上げなければいけないレベルデザインも不満。

●テキトーさ加減が漂うストーリー
唐突に出てきていつの間にか退場するキャラ。伏線の張り方がてんでダメ。終盤で全員集合されても……。
キャラの出自などもろくに語られないため、全く感情移入が出来なかった。なにあのぶつ切りの鐘付き堂!?
これならむしろ、ドラクエ2や3レベルのほとんどストーリーらしいストーリーが無いデザインの方がよかった。

●制作陣のドヤ顔が見えるような演出・音楽
ボイス付ならそのキャラ全てに顔グラフィックを用意してやれよぉ!! なんで少女の顔だけ…。
「どーだこれがPCエンジンのハイスペックなんだぞわはははー!」と言わんばかりにグラフィックやボイスを垂れ流す技術の使い方は見ていて腹が立ってきた。鐘付き堂の鐘の音とか。
音楽も一曲が一曲でぶつ切り、ループしないのはゲーム音楽としてどうなんだと。

●インターフェースの稚拙さ
メッセージスピードの再生の遅さは何とかしてほしかった。


なにかと話題に上がる名曲「To Make The End of Battle」のアレンジだが、私は気に入らなかった。

COMMENT

残念ながら、自分は欠点よりも多くの良点を本作に見出すことが出来なかった。
時代を考えれば仕方がないのだが、それでも「昔のゲームだから仕方がない」と諦められるレベルではなかった。
これならば強がらずにPSP版を中購入した方が良かったと後悔している。

とはいえ実際にプレイしてみて、以前から散々耳にしていた「当時の衝撃は凄かった」と語るレトロゲーマーの述懐は確かに正しいものだったと実感できたのは収穫だった。
未熟な部分は多いが、このゲームは確かにゲーム史に残るであろう作品だ。「当時を思い出したい」という古参ゲーマーや、「昔がどんなのだったか知りたい」という探究者は購入を検討してもいいだろう。