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GOOD!

強いてあげれば、ソニー系のゲーム機で「風来のシレン」がプレイできると言った所か。
これまで「風来のシレン」シリーズは任天堂系のゲーム機での発売がメインだったため、「シレン」シリーズに興味はあってもプレイできなかったプレイヤーにはプレイの門戸が広がったと見て取れる。

BAD/REQUEST

・オリジナリティ
Wii版から追加されたのは「どこでもダンジョン」の各キャラクター版（アイテム識別・アイテム未識別の両バージョン）のみで、散々酷評されたダンジョンや敵の強さのバランスなどが全く改善されていないため（このあたりは念入りに改善しなければダメかと）、オリジナリティは低いと見ざるをえない。
・快適さ
データインストールはあるとは言えど、店や家に入ったり出たりする際のロード時間が長かったり、3Dになったために肝心のダンジョンの移動がもっさりしていたりといった根本的な快適さの低さは改善されておらず、また中盤以降どんどん世界の奥地に進んでいくに連れ、茶店（店・銀行・倉庫を兼ねる）にいちいち戻るのが非常に面倒臭かった。
トルネコ3におけるルーラのように、村や拠点に一瞬で移動できるシステム（シレン世界だと「高飛びの術」になるのか）があればダンジョンをクリアした後でも体勢を立て直すことが楽になっただろうに…
・難易度
そもそもイージーモード前提の難易度であるため、ゲイズ系（催眠術でアイテムを使わせる。特技使用確率高し）やケンゴウ系（武器や盾を弾き飛ばす。クリア前までは仲間と強制行動である今作では仲間に当たってそのまま武器や盾を失う事も多い）といった、アイテムに悪影響を及ぼす敵が早い段階から登場するのは厳しい。
また、物語の都合上武器や盾を3人分用意しなければならず、冒険失敗などで失った時にタグのような保険となるものもないため武器や盾を失うとそのリカバリーに苦慮するのは（本編クリアまでのダンジョンでは「どこでもダンジョン」しかマゼルン系が出てこないので、合成もそちらに頼らざるを得ない）さらに厳しいかと（強い武器や盾は物語後半のダンジョンでしか手に入らない）。
よく言われる「センセーの紙装甲」も、盾が装備できないために盾の印の恩恵に与れず（特に「竜」「地」の印は無いと安心できない）、そのため後半厄介なドラゴン系の炎や爆発に対処しづらい（一応腕輪に「爆炎守りの腕輪」という爆発・炎を軽減する物はあるが、クリア前まではダンジョン内の店でしか売られておらずまた高いのがネック）のに腕輪があまり良い能力のあるものが落ちていないため、尚更そう感じる。
・熱中度
本編クリアまでは短めのダンジョン+ボス戦という流れ、そして長いストーリーが延々と続くのは散々語られているが、それ以外にも「モンスター図鑑」などのコレクション系の要素が無いのも熱中度を下げる原因となった。
属性システムによる厄介な特技のためか今作しか出てこないモンスターも非常に多いため、モンスター図鑑があれば厄介な特技を理解し対処しやすくしたり、マイナー脱却のためにモンスター図鑑の自重しないパロディネタでそのモンスターが輝いたり、コレクション要素がある分レベルの高いモンスターと戦う楽しみも増えたりと利点も多かったのではないだろうか？
また、武器や盾は後半のダンジョンで手に入るような強い物でなければ印数も基本値も強化限界も低くて使えず（そして序盤?中盤のダンジョンでは場違いに強力な武器や盾が落ちている事も無い）、結果的に強い物でなければダメという流れは「若干弱くても印数を優先して、結果的に様々な敵に対応可能にする」「共鳴の効果を活用して修正値の実値以上に役立てる」といったアイテム強化の楽しみを奪っているように思え、そうした部分でも熱中度を下げていた。

COMMENT

PSP-3000型使用。クリアまでの時間は約23時間（新6章到達時の時間が約25時間）。
元であるWii版の評価はWiimk2の他の方のレビューの方が余程正確に書かれているので、そちらを読まれたほうが早いかと。
Wii版の悪評を聞き、折角PSPに移植されたのだから話の種としてプレイしてみたが、Wii版で散々批判された部分が改善されていないため、俺のように「3」の悪評を体験したいと思うような物好きな方か、根っからの「シレン」シリーズファンあたりにしか勧められない。そのためかクリア後になるとモチベーションが上がらず、惰性でプレイしていたのだが。
どうしてもプレイしたいというのなら、攻略サイトを発見した上で、決して意地を張らずにイージーモードで挑んだ方が良いだろう（繰り返すが失ったときの装備のリカバリーが困難なので、リセットしてもペナルティの無い事は大きい）。