PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・ストーリー
主人公たち8人だけが取り残された世界を舞台にした「ループ物」ではあるが、奈須きのこ氏が「絶対に越えられない壁として君臨する作品」と評するだけあり、そのストーリーは秀逸。特に物語の山場とも言える中盤以降の展開は、プレイして確かめられるとよろしいかと。
原作となったPC版は2003年に発売されたが、それを差し引いても今の時代でも充分通用するストーリーである（PS2版準拠の内容なので、残酷な表現などはマイルドにはなっているとはいえ）。
自分は過去にPS2版をプレイしたためか、また違ったストーリーに対しての解釈もできたが、そうした「各人の解釈」に委ねられる部分もこの物語の魅力だろう。

BAD/REQUEST

・キャラクター
元々物語の舞台が「精神障碍者の隔離施設」（精神だけでなく身体の障碍も含む）であるため、キャラクターは多かれ少なかれ病んだ部分を抱えていることは、人によっては受け入れにくい部分があるかと。
主人公が最も多くその病んだ部分を抱えており、眉を顰めたくなるようなセクハラにもその理由があるのだが、それらを見ていると「障碍者はドラマで語られるような、ピュアで汚れを知らない存在ではない（最も全ての障碍者がそうであるわけではない）」とも思えてくる。
主人公や他のキャラのそうした部分も、中盤以降の展開の鍵ともなるため一概に「悪い部分」とは言えないのだが…

COMMENT

PSP-3000型使用。クリアまでにかかった時間は約13時間。
PC版は9年前発売の作品だというのに未だプレミア価格が付いており（廉価版もDL版も出ていないため尚更に）、コンシューマ移植版の方が手を出しやすいのだが（実はPS2版も一時期はプレミア価格になっていたこともあった）、Xbox360版は追加シナリオなどに賛否両論あるため（それだけ「完成された」物語とも見て取れるが）、残酷表現などのマイルド化を差し引いてもPS2版・PSP版が初心者に勧めやすい内容と言える。
「人類は衰退しました」「Rewrite」あたりから田中ロミオ氏を知ったプレイヤーの方は、この機会にプレイしてみても良いだろう。しかし「人を選ぶ」世界観なので、それを受容するか受容できないかは各人に委ねたい。