PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

【10年以上ぶりに続編が出たこと】
版権の絡む諸般の事情で長い間続編が出せずにいたシリーズが、10年以上の時を経て続編が出せたことそれ自体が、シリーズのファンにとってはやっぱり一番でしょう。

【戦闘アニメ】
ＳＦＣ版の1（ＬＯＥ）しか知らなかった身としては、当然とはいえ、戦闘シーンの進歩に驚きました。戦闘台詞の前に相手に応じた戦闘開始前台詞が挿入され、ネームドキャラの間では豊富な特殊台詞があるのもいいですね。

【操作感】
旧作とそこまで大きくプラットフォームの変化はないため、すぐに操作全般は慣れました。データインストールを済ませば、読み込み時間も快適です。ソフトリセットだけは少し時間がかかりますが、気になるほどではないです。そもそもソフトリセットをそんなに必要としない難易度ですので。

【精霊界での会話】
シリーズ恒例の精霊界での修行があるのですが、自分の分身とワンパターンで戦うよりもずっと良いシーンになっていました。特に、最後の相手との会話はとても爽やかで良かったです。

【お手軽難易度】
難易度は全体的に低めで、鍛えればどんな機体でも十分な活躍が可能です。プレイヤーのお気に入りのキャラを自由に使えるので、ストレスなく遊ぶことができますし、1ステージごとの敵の数もそこまで多くなく、限られた時間でもサクサク進める事ができます。運動性の改造ができなくなったので風の魔装機神でありながら被弾前提なのが気になりますが、側面や背面のダメージ増加率も1に比べ減っており、再攻撃もなくなっているので十分耐えられます。
3をやった後だと特に、雑魚敵にストレスを感じることなくスムーズにゲームを進められる事が素直に嬉しいです。

BAD/REQUEST

【キャラ間の格差】
シナリオ場面で、やたらしゃべるキャラとほとんど放置のキャラがくっきり分かれすぎです。１と違って戦艦が導入され、ことあるごとにブリーフィングが行われるため、進行に便利なキャラと空気キャラが露骨に出てしまった感じです。セニアがやたら便利キャラ化している一方で、ザッシュや新キャラのツレインは、加入後のセリフは本当に数えるほどしかありません。

【マサキ、恰好悪いシーンが多くない？】
1で無かった設定や組織が唐突に生えてきた時に、プレイヤーに説明する方法がワンパターンです。
マサキが「○○？なんだそれ」と聞き、セニアを初めとする知性派担当メンバーが「そんなことも知らないの？」と呆れながら説明する、そしてマサキをフォローするリューネとウェンディ。
別にマサキを完全無欠のスーパーヒーローにしてほしいわけではありませんが、あまりにも馬鹿にされてるみたいで気になりました。

全体的に、今作のマサキは落ち込んだり迷ったり、他者から否定されたり他者との比較で下に見られるシーンが多く、不遇な扱いを感じます。

【プレシアの描写】
マサキにとって唯一の家族であり、専用ルートまで用意されているプレシアですが、ちょっと肝心のシナリオが雑に感じます。
二人の「兄妹の絆」は過去作でも度々取り上げられていますが、今作ではマサキのシスコンが加速している一方で、プレシアのマサキに対する描写はえらく淡泊。家族だけの信頼関係を感じられるような会話に乏しいです。というか、二人だけの会話シーンってほとんどなかったような…（まあ、作中に描写されていない場面では仲良し兄妹をやっているのでしょうが）。「兄妹の絆」というより、一方的に過保護な駄目兄貴という感じで、むしろマサキがジノの引き立て役みたいになっています。

1シーンだけ、プレシアルートへの分岐トリガーとなる章ではベタベタに甘えてくるのですが、その後はまた通常に戻るので、何だかそのシーンだけ不自然に浮いてます。中盤、マサキがサイバスターに乗れなくなって大変な場面で、心配する台詞の一つも無い（それどころか作戦の都合とはいえあっさり別行動し、合流時にも台詞無し）のはちょっと。せめてプレシアルートだけは精霊界にプレシアも付いてくるとか、変化を付けてほしかった。

あと誰もが思うでしょうが、ストーリーの都合とはいえ、あの「…10分だ！」はありえない。
何でそこで時間与えるんだ。

【中二病全開】
戦闘中の、特に必殺技系の攻撃の際、やたらと長い中二病全開の呪文や決め台詞を延々と唱えます（１ではそこまでではありませんでした）。ある程度ならいいんですが、ちょっと多すぎないでしょうか。
例えばヤンロンならわかるんです。故事成語とか四字熟語とか、もともと難解な言い回しが好きなキャラですし。でもマサキやプレシア、ファングやサンドリーブ姉妹、というかもうほぼ全員ですが、やたらと難読漢字や芝居がかった長口上が多く、正直「それ攻撃の威力に関係あるの？」と思ってしまいます。
ちなみに戦闘シーン以外でも、難読漢字は無意味に多いです。ライターの趣味でしょうか。

COMMENT

大昔、子供の頃にＳＦＣ版の１（ＬＯＥ）を遊んだのみでしたが、３が発売されたので懐かしさから２を飛ばして３をその場の勢いで買ってみました。しかし、当然ですが３の中では２で初登場のキャラがわんさか参戦、しかも２未プレイの人に対するキャラ・世界観的なフォローは一切なかったので、結局３を中断して２も買うことに。そのため、今更ながら２をクリアしての感想です。
何だか、ＳＦＣ版ＬＯＥの頃に比べ、時代とはいえ、「異世界ラングラン」も随分変わってしまったなあという印象が強いです。商業として売る以上は、時代に合わせて作り方も変わってきて当然ですし、別に悪いことではないと思います。ただ、アンティラスショップとか、やたらと日本を連想させる国家の政治に対するライターの自己主張とか、賛否両論ありそうな危なっかしい部分も多いと感じるので、新旧ユーザー共に大切にして、大事にシリーズを展開していって欲しいと切に願います。