PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

　本作の戦闘システムは、戦闘を行なう少女達が各々、次にとる行動を提案してきて、プレイヤーはその中から一つだけを採用して彼女達に指示するという形式になっています。このシステムは提示された選択肢がうまく噛み合えば労せずして敵を倒す事も可能ですが、逆に非効率的な戦いや莫大なMPの浪費を強要される事もあります。最適解を割り出してその通りに行動する事を好む方には辛い仕様ですが、単調な展開になりがちな雑魚との戦闘でも次の一手を吟味する戦略性を生み出しています。

　全体的な難易度は絶妙なバランスに仕上がっています。雑魚敵でも気を抜けば相当苦戦しますし、ボス戦も色々なキャラのスキルを有効に活用しないと厳しいです。しかし、大抵は初めて遭遇した時点でのキャラクターでも十分に渡り合っていけます。また、スキル取得に必要なミニゲームも特定のものを除けば、パーフェクトクリアもそう困難な事ではないでしょう。

　戦闘中やマップ上での会話量は豊富で、キャラ同士の掛け合いもとても楽しめました。特にサコとアリスのセリフが面白かったです。

BAD/REQUEST

　豊富に用意されたボイス付きの会話は楽しめましたが、そのボイスについては音割れが存在します。サコやユコのボイスは単体でもよく音が割れていますが、最もひどいのは複数人が同時にレベルアップした時です。正直、何を言っているのか全然分かりませんでした。音割れはイヤホンを使用した時、特に顕著に感じられました。これからプレイする予定の方はご注意を。

　おしおき・ご褒美は合計で5種類用意されていますが、そのうちの1種類だけが段違いに難度が高いです。概要を申し上げますと、画面内をランダムに移動し続ける的に照準を合わせて○ボタンを押すだけのミニゲームなのですが、プレイヤーが操作する照準は慣性がついていて方向転換がままなりません。無理ゲーとまではいきませんが、人によってはここで心が折れるかもしれません。

COMMENT

　自分はPSP-3000を使用しましたが、動作に問題はありませんでした。

　ストーリーはただのコメディかと思いきや、後半で重い話が展開されます。キャラクターの腹黒い一面や不幸な身の上話が連続して提示される場面もありますので、ハートフルなお話にしか興味が無い方は避けた方が宜しいかと思います。

　綿密な戦略を練るプレイ方式が通用しない斬新なシステムは序盤は歯痒くもありましたが、次第に手応えが感じられて十分に楽しめました。このシステムでの次回作を期待したいところです。