タクティクスオウガ 運命の輪 レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010/11/11 |
価格 | 5,980(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象(CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:シミュレーションRPG ■ プレイ人数:1人 ■ ダウンロード版:4,980円 |
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発売スケジュール
- 2014/06/26
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BLACK CODE ブラック・コード
- 2014/07/31
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Enkeltbillet
- 2014/09/25
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金色のコルダ3 AnotherSky feat.天音学園
サイト情報
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Switch mk2(Switchのゲームレビューサイト開設しました。皆さまの投稿お待ちしております!)
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コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー
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タクティクスオウガ 運命の輪
Zill O'll ?infinite plus?(ジルオール)
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三極姫2?天下覇統・獅志の継承者?
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大戦略VII エクシード
サモンナイト3
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信長の野望・烈風伝 with パワーアップキット
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スーパーロボット大戦α
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英雄伝説 ガガーブトリロジー 白き魔女
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うたわれるもの PORTABLE
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KING'S FIELD
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ナムコミュージアムVOL.5
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ナムコミュージアムVOL.4
- 2019/02/22更新 (2019/02/21投稿分まで掲載)
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- 2019/02/07更新 (2019/02/06投稿分まで掲載)
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ナムコミュージアムVOL.2
MISSINGPARTS the TANTEI stories Complete
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グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ
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ナムコミュージアムVOL.1
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幻想水滸伝 紡がれし百年の時
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探偵 神宮寺三郎 灰とダイヤモンド
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信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット
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沙羅曼蛇 ポータブル
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リッジレーサーズ2
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熱血親子
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輸入版:Test Drive Unlimited
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アーミー オブ ツー:The 40th Day ポータブル
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流行り神3 警視庁怪異事件ファイル
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スーパーロボット大戦F 完結編
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戦国無双3 Z Special
- 2018/03/22更新 (2018/03/21投稿分まで掲載)
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真・恋姫†夢想 -乙女繚乱☆三国志演義- 蜀編
- 2018/02/13更新 (2018/02/12投稿分まで掲載)
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スーパーロボット大戦F
- 2018/02/01更新 (2018/01/31投稿分まで掲載)
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パワースマッシュ NEW GENERATION
- 2018/01/19更新 (2018/01/18投稿分まで掲載)
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サモンナイト5
- 2018/01/10更新 (2018/01/09投稿分まで掲載)
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みんなのGOLF ポータブル2
- 2017/12/26更新 (2017/12/25投稿分まで掲載)
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みちのく秘湯恋物語 kai
- 2017/12/20更新 (2017/12/19投稿分まで掲載)
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街 ~運命の交差点~ 特別篇
- 2017/12/17更新 (2017/12/16投稿分まで掲載)
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グランツーリスモ
- 2017/11/05更新 (2017/11/04投稿分まで掲載)
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ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!
ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」
- 2017/10/25更新 (2017/10/24投稿分まで掲載)
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沙羅曼蛇
- 2017/10/21更新 (2017/10/20投稿分まで掲載)
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輸入版:Alien Syndrome
- 2017/09/18更新 (2017/09/17投稿分まで掲載)
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セプテントリオン
- 2017/08/22更新 (2017/08/21投稿分まで掲載)
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ECHO NIGHT
GOOD!
【総合】
神格化されている作品(これがなければサモンナイトもディスガイアも産まれなかった、言うならSRPG界のマリオやスト2的存在)のリメイクとして相当なプレッシャー、また低予算であったにも関わらず最近のこの会社の中では出色のクオリティに仕上げたことはまず諸手を挙げて拍手。
【シナリオ】
こんなシナリオは松野泰巳にしか書けない。民族紛争を緻密で冷徹なリアリズムで描きながらも、キャラ描写のバラエティの豊かさを損なわず、決して『ただ暗いだけ』では終わらない。当時10代後半で体験した時の衝撃たるや、凄まじいものがあった。リメイクに当たって相当な加筆修正がなされているが、原作者が担当しているだけあって原作の良さを損なわず上手く加筆している(一部を除いて)。旧作発表当時このゲームのシナリオが和ゲー業界に与えた衝撃はとてつもなく大きく、1995年以降の『ファイアーエムブレム』や初期の『幻想水滸伝』などは、明らかにこのゲームの影響を大きく受けている。宮部みゆきのような業界外の著名人をも唸らせるほどの出来は、稀有、且つ至高。
【グラフィック】
これも原作のタッチを損なわずにレベルアップした感触。特に原作ではショボかった魔法のエフェクトが美麗になっているのは良かった。
【サウンド】
私的にはここのグレードアップが一番良かった。旧作はSFC・PS・SSどれもサウンドエンジンが酷く、音色が曲の良さをダメにしていると感じていたが、テープとCD程に音色が綺麗になった。自分の場合購入の決定打となったのも、実はココが一番大きかった。
【システム】
プラスマイナスあるが、まずは良くなった点。旧作の『弓最強伝説』『可愛いのに使えないウィッチ』『可哀想だけど明日店頭に並ぶ運命でしかないLユニット』『投石トレーニング』『チート性能のディープキス・チャージスペル・ハボリム・アニヒレーション』などが見事なまでに調整され、SRPGとして豊かになったことはまず良かった。最早ムサい爺ウィザードを嫌々使う必要もなく、終盤になるほどに手順がパターン化されることもなく、前衛、後衛、守備役、攻撃役、補佐役を自分好みに育てて行ける。スキルシステムも合わせて、文字通り十人十色の編成が出来、育てようによっては手塩にかけた汎用キャラを顔キャラより強くすることも出来るのが、個人的には良かった。
【UI】
CHARIOTやWORLDは今の時代だと絶対に必要だったと思う。邪道っちゃ邪道だがこれがあるからこそ忙しい合間にこんな重厚なゲームに手を出せるし。読み込みが速いところも、とてもよい。
※ 因みに〈オリジナリティ☆5〉 は、旧作発表当時のものではなく、シナリオの良さによるものです。ただ単純にクオリティが高いだけでなく、2010年現在において、このような非カジュアルな題材(恋愛や思春期の心理描写ドラマなどではない)を用いて重厚でいてただ重苦しいだけではないタッチは、今でもとても『稀有』なもの、という意味で、オリジナリティ☆5にさせていただきました。
BAD/REQUEST
【シナリオ】
2点あるので分けます。
1.旧作と比べると明確化された善悪感
これはとても小さなところだが、加筆修正されたところが、一部、今風の『分かりやすい勧善懲悪』風にアレンジされていたところは、オウガとしてはどうかな?とは思った。ちょっと分かりづらいか。・・・分かりやすく解説すると、TOではシナリオの節目毎に重要な決断を迫られ、それにより主人公の立場と敵・味方がめまぐるしく入れ替わる。旧作では敵側にも敵側の論理と信条があり、特に初回プレイでは“ホントに自分が取った決断は正しかったのか?ひょっとしたら正しかったのは敵側の決断だったんじゃないか?”と、不安にならざるを得ない描写がされていた。
ところが、だ。今作では加筆修正によって、どうにも『主人公側の決断=善、敵に廻った側の論理=悪』と、(オウガ的には悪い意味で)安心させてしまうイメージを受けてしまうんである。その象徴が、主人公に敵対する二人の男の露骨な悪人顔で(旧作ではあそこまで露骨じゃなかった。)ここは少し惜しいと感じた。新キャラに関しては特に不満はないです。イメージを壊すようなのはいませんし。
2.後半は旧作と比べて?
現時点でまだ3章なので何とも言えないし、ネタバレにもなるので詳しくは触れられないのだが、旧作は後半、容量不足なのか描写が若干欠けているところがあった。(他の2つと比べてシナリオが少し弱い○ルート・暗黒騎士のエピソード・外部勢力の真意・エンディングの分岐条件など)これらは、ちゃんと補完されているのだろうか?されているのであれば文句は無いです。
【システム】
さて、システム。これは色々あるので箇条書きに。
1 移動力の低下
携帯機なので仕方ないと言えばそうだが、魔術師系が三歩しか歩けないのはとても窮屈だった。このせいで魔法が全然使えなくなったし、ゲームのイメージも若干チマチマしている。
2 魔法の弱体化
これはもうちょっとなんとかならなかったのかな。今回中盤まで強力な攻撃魔法は投射系オンリーなので、前衛に守ってもらいつつ放つ、というセオリーが使いづらい。クレリックの弱体化も酷い。なんで回復もこんなに効果が弱くて範囲が狭いんだろ?バランスは取れたのかもしれないが、ゲームとしてのダイナミックさ、爽快感はここだけは旧作の方が良かった気がする。
3 クラスレベルシステム・レベルアップボーナス・合成・アンデッドの倒し方
これらは既出なので割愛。自分はこれらはダメダメとは思わないが(今作ならではの面白さと表裏一体な面もあるので)もう少しプロならではの発想で膝を打つ様なバランス調整をして欲しかったところ。例えばアンデッドの倒し方はあのままでも良いけど、代わりにイクソシズムの消費MPを10くらいに下げるとか。時折スクエニ作品は『面倒くささ』を『面白さ・やりがい』とはき違えているところがあり、そこはプロっぽくないな、と思う。
4 相変わらず使えないヴァルキリー
誰が決めたッ!ヴァルキリーが使えないなんてこんな理不尽なこと、誰が決めたッ!旧作から容姿も顔グラもオレ好みなのにッ!
COMMENT
PSP-3000使用 <コレの為に購入(笑)>
デキ自体は自分は出色の出来映えだと思うし、リメイクの鏡とも思う。自分も旧作を相当やり込んだ口だが、決して劣化リメイクだとは思わない。1995年当時あそこまで神格化され、ある種の伝説となってしまったゲームを、ここまで見事にリファインしただけでも諸手を挙げて賞賛したい。今作が旧作ほどの脚光を浴びられなかったのは、決してクオリティの問題ではなく、ただ単純に今の時代では、こういう無骨なまでに硬派でシリアスで深いタッチが、あの時代ほどには注目されない、と言うだけのことだろう。
ただ、『ライトユーザーにも遊びやすく、コアユーザーにも満足出来るように』口当たりを良く、奥はとてつもなく深くした結果、実はクリアまでの総プレイタイムが旧作よりも長くなってしまっているのは、何と言うか矛盾している。旧作を『シナリオは面白いけど面倒くさそう』と言って敬遠した知人は結構いたが、そんな人達にも果たして『今回は大丈夫』と奨められるのか。
デキが良いのは確か。それは自信を持って言えるのだけど。