PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・移植に当たっての変更された部分について
「リトルウィッチパルフェ」がPSPに移植されるにあたり、キャラデザやCVといった表面的な部分だけでなく、PC版からのキャスト変更に伴い、物語開始日が3月1日になったり（PC版の時はパルフェ役の声優がこやまきみこ（ここからは敬称略）であり、彼女の誕生日にパルフェの誕生日が合わせられていたため仕方ないかと。そのためスケジュールがPC版と異なるので注意）、新規イベントが追加されていたり（ED確定イベント後のデートイベントや、後年作のキャラであるアマネカやカルが登場するイベントもある）といった変更が施されているため、PC版をプレイした人でも新鮮な気持ちでプレイできるだろう。
PC版もレネット役で無名時代の水樹奈々が出演していたり、店舗経営SLGだけでなく「百合ゲー」としての要素も持っていたりと色々な意味で有名だったが、PCから移植された事でプレイする機会にも恵まれたため、PC版未経験者もこの機会にプレイしてみるのも良い経験になるだろう。
・百合ゲーとして見ると
この作品の秀逸な所は、1999年当時大変稀少だった「百合ゲー」としての側面を持つ部分である（当時は「あやかし忍伝くの一番」位しか百合ゲーと呼べる作品はなかった。「スターオーシャンセカンドストーリー」「私立ジャスティス学園」などでも同性同士のEDはあるが、あくまで「友情」の割合が強かった）。一応「乙女ゲー」的な要素（王子とのエンディング）もあるが、百合要素の方が強いので尚更に。
女の子と友情を越えた愛情エンドに至る事も可能で、それを意識してかシナリオの中で百合好きにはたまらないシチュエーションも多いのが特徴（中でもヒロインの一人、レネットはその傾向が非常に強く、後にスピンオフ作品「リトルウィッチレネット」で主人公を務める事となった）。追加シナリオにおけるデートイベントなども百合傾向をさらに強めている。
その後の工画堂作品における百合志向（全体的に女性同士の恋愛・結婚へのハードルの低い世界観）の先駆者としても、2012年現在でも需要に対して供給が少ない百合作品としてもプレイする価値はあるかと。

BAD/REQUEST

・快適さ
1999年当時のプレイアビリティを再現しているかのような快適さの低さは（コンシューマもPCも、プレイアビリティが洗練され始めるには2001年を待たねばならなかった）、1周プレイするだけでもかなりの時間を要するこのゲームにおいては致命的かと。
スキップも既読・未読の区別を問わない物だったり、会話画面でセーブできなかったり（特にプロローグは40分近く掛かるため、最初に読む時は長さを覚悟しておこう）、店の在庫確認が店内でしか出来ず材料探しの時に不足を確認できずに困ったり、一日の起床や就寝なども毎日必ず見る事になりテンポが悪く感じたり（Rボタンを押しっぱなしにすることで高速化できるので覚えておこう）と、様々な所で見受けられるのだから。
・難易度
パルフェの目標である「借金返済」自体はコツを掴んでいれば簡単に達成できるのだが（ゲームの期間は2ヶ月短縮されたとはいえど余裕で達成できる。経営に関しての主な注意点は「総評」に書いたのでご参考に）、キャラクター別のEDを見る事は攻略情報がないとかなり難しい。さらにPSP移植に伴いイベントの発生条件や時期も変更されているため、PC版の攻略法はあくまで「指針」にしかならないのも厳しい。
あくまで「指針」としてPC版の攻略情報を確保し、自分でスケジュールに加筆修正しながらプレイしていく方が賢明だろう。

COMMENT

PSP-3000型使用。
流石に現在の視点で見ると古臭く感じる部分は多いが、百合作品としては合格点の出来でもある（ED確定イベントに至るまで苦労する分、その喜びもひとしお）ので、もし購入されるのならば「指針」としてPC版の攻略情報を確保した上で、腰を据えて（ただでさえ1周に約26時間費やすほどだから）挑まれると良いだろう。
いずれ「リトルウィッチレネット」（前述したように「パルフェ」スピンオフで、システムも改善され百合度も増強されている）、「お花畑のフローレ」（こちらは「パルフェ」の前日譚。かわいらしい見かけによらず高難易度）、「ハートフルメモリーズ?リトルウィッチパルフェ2」（「パルフェ」の続編。移植されるのならばパルフェ・ルティル以外のEDも追加して欲しい）も移植されるだろうが、PSPに移植されたのだからデータコンバートなどの特典要素も搭載した方が、それぞれの作品をプレイする時に有利になるのではないだろうか。
パルフェの愛情が友達（レネット・フローレ）を手助けするだけでなく、未来の自分も手助けできるのならばプレイする側としてもやる気につながるだろうから。

最後に、借金返済のための経営の心得を。
●最初の調合のチュートリアルは聞かない（聞くと半日潰れるため、時間を有効活用するために）。
●最初の1~2ヶ月は図書館＆自宅での勉強を優先。しかしあくまで優先であり、その合間に調合・1日使って調合集め・他のキャラに会うなどしておく（魔法レベルを上げれば安定してアイテムを生産でき、☆5になりレベルもMAXになったら勉強する必要もなくなり思う存分調合とイベントに集中できる）
●自宅での調合は夜10時?夜1時になると強制的に就寝となる。しかし夜1時までは時間を活用できるので、それを見越して調合の計画を立てる事）
●レネットとの遭遇を狙うため、材料探しは1日フルに使って行いたい（しかしバステ「眠い」「風邪」を防ぐため、夜1時までには黒猫魔法店に帰れるよう計画的に行動する事）。
●各種魔導石（ゲーム全編通して店の安定経営の友）の材料となる「願いの秘石」は大変重要なので、在庫も材料も切らさないように（ヨルガオは滝か湖で夜しか採集できないので、折を見て確保を忘れずに）。
●6月12日の魔法大会、8月12日のアイドルコンテストは必ず優勝する事（単純に優勝すると10万ゴルダ入手とお店の評判が上昇するだけでなく、特定キャラとのED条件にもなっているため尚更重要）。
●9月以降、持ち込まれてくる依頼が面倒なら断るのも手（大体その頃には借金返済に足るほどの資金も貯まっているだろうし、依頼のための調合に時間を割かれるのは辛い）。