サモンナイト5 レビュー
発売元 | バンダイナムコゲームス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013/05/16 |
価格 | 5,980円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 恋愛 セクシャル (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 (?) | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:ファンタジックシミュレーションRPG ■ プレイ人数:1人 ■ ダウンロード版:5,380円 |
スコアボード
ユーザーレビュー
ソート(デフォルト:ALL)
555人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 2pt | 3pt | 1pt | 1pt | 1pt | 0pt |
27pt
GOOD!
・オープニングアニメーション
ufotable制作です。ナンバリングタイトルの例に漏れず、今作もたいへん出来がよいです。
オープニングテーマもサモンナイトらしい牧歌的な演奏の中に疾走感があり、
すごくノリのいい曲になっていると思います。
・ローディングの速さ
メディアインストール込みですが、気になったことがありません。
今作で戦闘パートがオール3Dにかわりましたが、
2Dのリメイク版(SN3・4)とロード時間に大差がないのは素晴らしい。
・10年近く音沙汰なしだったゲームのナンバリングタイトルが復活したこと
いちサモンナイトファンとして、今作の発売をなにより嬉しく思います。
BAD/REQUEST
本当に残念ですが、不満を要約するとこの二点におさまります。
つまり「戦闘がワンパターンでつまらない」「シナリオがワンパターンでつまらない」。
それはRPGとして成立していない、ということと同じです。
■戦闘がワンパターンでつまらない
・敵がワンパターン
中盤以降、紫色の泥状のザコキャラだけを相手に延々と戦いつづけることになります。
スペックが均質でゲームとしてつまらないだけでなく、
視覚的にもなんら代わり映えがないのです。
本当にうんざりします。
シリーズ過去作、特に3では敵の多様性・展開の仕方が非常にすばらしく、
プレイヤーを飽きさせない作り手の配慮や工夫があったように思います。
序盤は海賊・はぐれ召喚獣を相手にし、
彼らが仲間になると次はかつての旧友が率いる帝国軍と戦い、
戦いが決着したかと思えば今度は無色のネームドキャラが続々と来島し、
さらには主人公と同じ魔剣持ちのライバルまでもが現れる……。
合間にはジルコーダ戦やジャキーニ戦が挟まれ、
イベント面でも護人たちの対立がありました。
「今戦っている敵はなんなのか」が非常に多面的で、
「次の敵はなんなのか」にすばらしいバリエーションがあったのです。
今作では早々にエンディングまでの敵が確定し、
以降敵のスケールが大きく変わることもありません。
これはシナリオの問題とも絡みますので、シナリオの項目で詳述します。
・マップがワンパターン
ほとんどのマップで、紫色の泥ザコが無限湧きします。
勝利条件もほとんど代わり映えがありません
(「無限湧きする敵を数十匹倒せ」というユニークな勝利条件もありますが、
無限湧きがどのマップでもほとんど見られる現象なので、新鮮味がありません)。
ジルコーダの巣やゲックの秘密基地のような、シリーズ過去作に一つはあった
トリッキーな構成で印象に残るマップというのも今作では見ることができませんでした。
いちめん緑色の平べったいマップで、
無限湧きする紫色の泥を延々と狩っていたイメージしか残っていません。
・戦術がワンパターン
紫泥ザコの無限湧きが基本搭載なせいで、
対応するこちらの戦術もザコ狩り主体、
継戦能力と燃費の良さ重視にうつらざるを得ません。
ザコを通常攻撃で狩ってMPを溜めたら覚醒⇒リーダーに必殺技。
どのマップもほとんどコレで片がつきます。状態異常や憑依を駆使する必要はありません。
というか、無為にMPを使うと覚醒できなくなるので、
むしろヘタに能力を使えない誘導がかかっているのです。
これではどうしても通常攻撃が主体になります。
敵も、トリッキーな戦法を使ってくることはほとんどない紫泥ザコが主力なので、
通常攻撃でじゅうぶん対応できてしまうのです。
■シナリオがワンパターンでつまらない
・敵役がワンパターン
上項で触れましたが、シリーズの過去作、
たとえば3では敵組織のめまぐるしい回転、新しい敵の登場、息抜きのショートイベントなど、
プレイヤーが敵役に飽きないような作り手の工夫がありました。
今作ではそのような配慮はありません。
・展開がワンパターン
敵役が変わらないということは、
問題が解決されない、敵役との関係性が変化しないということです。
「歩み寄りたい主人公と、それを拒絶し逃げる敵役」という
変わらない絵面、変わらないストーリーラインが延々と続くのです。
さすがにうんざりします。
・描写がワンパターン
響界都市、調停機構というユニークな舞台があるにも関わらず、
物語は「血族」「特定の関係性」というありきたりな縦軸に回収され、
響界都市の「社会」という横軸が描かれることはほとんどありません。
ナギミヤ市は単なるオブジェ、異界の住人は村人Aでしかなく、
響界都市という肝心の設定が空洞になっているのです。
個人的には、主人公の調停召喚師としての活躍
(異界の住人同士のトラブルに巻き込まれつつも解決し、顔見知りが増えていく)に
もっと序盤のエピソードを割くべきだったように思います。
敵役のバリエーションが増えますし、主人公と社会のつながりも生まれ、
同僚の調停召喚師との絆や召喚盟友との交流を掘り下げて描くことができたはずです。
正直、このシナリオの出来は残念でなりません。
■育成・収集要素の劣化
シリーズ過去作からことごとく劣化しています。
改良された部分を見いだせない。
・武器購入および防具の撤廃
武器交換や武器熟練度が無実化しました。
レア装備を狙う意味も、装備を誰につけるかやりくりする楽しみもなくなりました。
「弓装備可能になるからこのクラスにしよう」といったクラス取得の意義も薄まりました。
武装鍛強はその代替品としては明らかに底が浅く、試行錯誤する価値がありません。
アクセサリ効果もひとつしか付加できないため、威力アップをつけておわりです。
・召喚盟友のバリエーションのなさ
響友以外の召喚獣が、各属性に3体ずつ(!)しかいません。
召喚士と召喚獣の組み合わせやお気に入り召喚獣を考えることもなくなりました。
また戦闘の項でも触れましたが、無為なMP消費が覚醒不可をまねくために、
ゲーム中、召喚盟友に頼る意義も弱くなっています。
・クラス&スキルシステム
クラス専用に分化されたために、クラスの固定化を招きました。
(クラスチェンジしたら専用スキル取得に支払った経験値がムダになる)。
「二段階目のクラス」がないので、一回クラスチェンジしたらそれで終わりです。
新クラス獲得の喜びも育成の楽しみも大幅に薄まりました。
・経験値システム
シリーズ過去作とは異なり、経験値は一極集中が不可能になりました(参戦者に平等に分配)。
またスキル取得に経験値を消費する仕様のために、
レベルの低いキャラの育成はより困難になり、パーティの固定化を招きました。
・ミッションシステム
想像していた以上にストーリー性がありませんでした。
もっと調停召喚師の日常や召喚盟友の掘り下げにも使えたと思いますが、
現状ではフリーバトルの代替にすらなっていません
(Pユニットさえ登場しません、ドロップアイテムもゴミです)。
■戦闘中の説明や描写の不足、レベルデザインの劣化
・直前のシナリオで負傷したはずのキャラクターが普通に参戦できたり、
召喚盟友が唐突に登場したり、
ストーリーと戦闘マップとの連続性が断絶していることが数えきれないほどありました。
戦闘中に会話を一行挟むだけでプレイヤーを自然に誘導できたはずです。
・過去作と比べあきらかに最序盤から情報過多なように感じます。
最初から武器交換もパーティ能力も使え、
新しく追加された覚醒やBPの概念もあります。
立ち回りに習熟するより先にどんどん仲間が増えていくので、
「使いこなしている」という感覚を非常に得にくい作りになっていました。
マップクリアごとに段階的にシステムを開示していく、
3のような丁寧なレベルデザインを引き継いで欲しかったです。
■戦闘演出の拙さ
・もともとグラフィックには期待していませんでしたが、
使い回しや代わり映えしない演出が想像以上に多く、
わざわざ切り替えて表示するほどのものとは思えませんでした。
従来のシームレスな戦闘演出のほうがはるかに快適に感じます。
COMMENT
PSP-3000使用。
シリーズはPS版の初代を発売してすぐに購入し、
以降ナンバリングタイトルはすべて追いかけてきました。
いちどは諦めかけていたシリーズ続編が
10年ぶりに復活するとあって、
去年の夏ごろから発売日まで
ずっと楽しみにしていました。
いちサモンナイトファンとして、ただひたすらに、
今作の出来が、残念でなりません。
調べてみたところ、
今作のプロデューサーは深澤智和氏、
ディレクターは川瀬浩一氏とのこと。
お二方はどちらもポイズンピンクの
プロデューサー/ディレクターを担当されていた方だと知り、
いまは不思議な納得感を感じています。
仮に6が出るとしたら、本当に申し訳ないですが、
お二人が企画開発に関わらないことを祈りたいです。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 3pt | 2pt | 1pt | 2pt | 1pt | 1pt |
33pt
GOOD!
・キャラクター描写
テキスト自体は洗練されており読みやすい。
ややテンプレート寄りではあるが、キャラクターの描写も悪くはないと思う。
・キャラクターグラフィック
だいぶ絵柄が変わったが相変わらず可愛い。
・変えようという試み
今までとは違う戦闘システムで新しいSRPGを作ろうという姿勢自体は評価できる。
BAD/REQUEST
・ストーリーライン
他の方も書かれているように盛り上がらない。
テキストは悪くないのにストーリーが悪い。もったいない。
ライターがまともなプロットを書けないのか、決められたプロットを渡され、
これで書いて欲しいと依頼されたのかはわかりませんが。
そうであったとしてもこれではダメだと突っぱねられないようでは、
ユーザーとしてはこのライターチーム、ひいてはここに依頼する制作会社にも
ストーリー面ではもう期待はできません。
・インターフェース
街中、戦闘中、どちらもユーザビリティが低すぎる。
どうやったら便利か、不便かを考えたらこのUIはあまりにお粗末と言わざるを得ない。
街中の移動方式を変えるのはいい、戦闘形式を変えるのもいい。
でも、それに見合ったインタフェースを考えて然るべきでしょう。
・召喚獣の大幅減少
世界観の変更により召喚師が力を持たなくなったため、大きく減少しました。
ゲームとしての面白さを考えるのであれば、この変更はマイナスです。
代わりの面白さを提示できるのであれば別ですが、まったくできていません。
むしろサモンナイトというゲームのオリジナリティが消えかけています。
上で書いたように、変えるなら変えるで構いません。
ただし、うまくフォローができるのであれば、ですが。
・大味な戦闘バランス
召喚魔法のダメージ制限がないため、魔力に振れるだけボーナスを振り、範囲魔法を使うだけで楽にクリアできます。
頭を使う必要は一切ありません。
・延々と湧き出る雑魚敵
そういうステージがあってもいいとは思いますが、
中盤以降はほぼこれで埋まるというのは理解し難いです。
COMMENT
1?4、携帯機の全シリーズプレイ済み。
PSで1が出た頃からの付き合いなので復活を楽しみにしていました。
・・・・・・結果は上記の通りですが。
色々と行き詰まり感のあるシリーズですので、
次回作を考えるにあたり悩む点は多いとは思います。
しかし今作から変えると決断したのであれば、否定的な意見が多いから
4までの世界観やシステムに戻すなんてひよった真似はせず、
ちゃんとこれに見合ったシステムをしっかり考えてください。
それができなければ、やはりサモンナイト、
また旧フライトプランの面々は消え行く流れだったのだと思います。
人間、去るべき時に去れないのは不幸でしかありません。
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-
ECHO NIGHT
GOOD!
・サモンナイト本編の正式な続編である事
まずは正式なナンバリング作が発売された事、でしょう。
シリーズを製作していた会社が倒産した事により続編の発売が絶望視されていただけに今回の奇跡的とも言える復活劇は似たような事情を抱える他の作品のファン(自分も含めて)からは希望の星にも見えたのではないでしょうか。
また、PS2版サモンナイト4の製作から長期の休眠期間があったのにも拘らず世界観やビジュアル、シナリオ構成、キャラ設定や台詞回しといった部分がサモンナイトの魂と言うか雰囲気をきちんと継承していたのはファンとしてはたまらなく嬉しいものでした。この部分は従来のファンには元より新規のファンにも雰囲気ゲーとしてお薦めできる所でもあります(オリジナリティ4点)
・ビジュアル
飯塚氏描くキャラクターにufotable製作のOP。これはもうあれこれ語るより一目見ればその魅力が分かるでしょう。本作から投入されたLive2D技術は大きな動きをさせればかなり不気味になってしまう弱点があるのですが立ち絵にあまり大きなアクションをさせないサモンナイトシリーズとの相性は良かったのか大きな破綻もなく表情の自然な変化といった長所の方が表に出ていたと思います。
戦闘での3Dモデルもビジュアルそのものは綺麗で可愛らしいものでした。
・キャラクター
ややテンプレ的なキャラ設定なのは否めませんがそれだけにどのキャラクターも結構良い味出していたと思います。あと味方キャラクターとの恋愛要素が強く、キャラによっては百合やホモォ…にしか見えない関係になれるのも面白かったです。まあこの部分は人によって評価が分かれるところでしょうが。
過去作からの設定を引っ張ってきているキャラクターは多いのですがその殆どが過去の柵に囚われる事なく新しい世界を生きている様は正にシリーズ新生といった感じで見ていて気持ちの良いものでした。その一方でそんなキャラクター達と対極を成すキャラクターが用意されているのもシリーズファン的にニヤリと出来るものでした。まあ若干の、いや結構な描写不足も感じましたが。
あと個人的にお気に入りなのが主人公たちとは関係なく生きる市井のMobの方々で彼等の暢気で出鱈目な行動は作品の雰囲気作りに貢献している様に見えました。
・3主人公再登場
シリーズの中で一番人気ながら公式から半ば無視されるも同然だったキャラの再登場は個人的にとても嬉しいものでした。描かれ方も妥当なものだったと思います。あと3以来になるカルマエンドの復活も歓迎したいところ。
・システムが軽め
読み込みが早い為にADVパートも戦闘パートもロードを待つといった時間がないも同然でした。地味なところながらここは評価したいです。
BAD/REQUEST
新技術の投入や絵師である飯塚氏の技術の上昇といった点を省けばリメイク3、4から劣化した部分の方が多いというのが現状では偽らざる本音です。というかリメイク作で好評だったイベントシーンでの一枚絵要素なしや戦闘シーンでの会話大幅減少とか正直意味が分からない。
・薄い
本作を一言で言い表すと結局これになってしまう様な。
シナリオ面で言うなら信頼がテーマになっていて話の流れや質自体はそう悪くはないのですが、ゲーム開始時から主人公と周囲の人々との間で昔に色々ありました的に絶大な信頼関係が築かれており作中で信頼が問われるイベントが起きても「何でお前らそこまで信頼しあっているの?」といった疑問が脳裏から離れず説得力が薄いと言わざるを得ません。加えて言うなら選択肢は序盤の響友選択時だけというのも物語への没入感を減らしている一因でしょう。個人的には歪でも訴えてくるものがあった前作までのメインライターを務めた都月氏のシナリオの方が好みでした。
戦闘面で言うなら戦闘参加人数が従来の8人から5人へと減少、距離と高さによるダメージ増減概念の廃止、どのマップも狭く平坦、敵の種類が少ない、召喚術の種類が少ない。ざっと挙げるだけでもこれだけの簡略化がされています。2Dから3Dへの移行第一作でこれまでと同様の素材を用意しろというのは無理な話だというのも分かるのですがそれはそれ、これはこれ。とにかく戦術性に乏しいと言うか薄いと言うか、ぶっちゃけ強い方が必ず勝つ、創意工夫<強さといったバランス取りです。
あとチャレンジ的な上級ミッションがあるから無限回廊なしはいいとして番外編なしはひたすらに残念。あとデートイベント的なものは4クラスのものすらなくなりました。
・雑魚敵の無限POP
中盤以降の殆どのマップで追加される要素なのですがこの点が本作を低評価たらしめているいる要因でしょう。戦闘参加人数が最大5人であるにも拘らず毎ターン1?4体出現し、そのターンの内に移動と攻撃を開始、しかも壁役ユニットを無視できる遠距離攻撃持ちが半数は紛れ込んでいるというおまけ、もしくはとどめ付き。この要素と狭いマップとの相性は最悪でこちらのユニット配置に関係なく毎ターン防ぎ様のない損害を被る事になります。必然的にこちらも無限POP対策の為のパーティー構成やスキル選択をせねばならず戦術が更に限られてくる事に。
一方でユニット育成に関してはそれほど難を感じませんでした。極論すれば戦闘に参加させれば他には何もさせなくても育てられる訳で弱いユニットを無理矢理最前線に出さなくてもいい分、安全に育てられました。稼ぎの良いマップも序盤から用意されていましたし。どのキャラもそれぞれの特性を活かした強ユニットになれるのは高評価です。
COMMENT
PSP3000使用。メディアインストールをしてプレイ。過去作はサモンナイト1?4、エクステーゼ、クラフトソード1?2、リメイク3?4をプレイしている者による評価になります。
現段階で二周目クリア。ちなみに引き継げる要素が多いからか二周目からは超楽です。
厳格に点数をつけ難点を文章にして論うと兎角酷い事になってしまうのですがこのゲームに対して憤りを感じているかと言うと実のところそういう訳でもないのです。むしろ発売されて良かった、発売日に新品を買って良かったというレベルの満足感はあります。と言うのも冒頭で記述したように本作の持つ雰囲気は間違いなくサモンナイトのものそのものでありそういったゲームを再びプレイできた事はファンとして無上の喜びでした。難の多い作品が出たのにも拘らずネット等のサモンナイトファンの交流の場の空気がそう悪くなっていないのは自分と似た様な考えの人間が多いからではないかと思っています。また1ゲーマーとして本作を評価した場合、素材の量はともかく質は良いだけに中レベルのキャラゲーとして遊べる範疇には納まっているかと。
結論としては、物足りないところはあるがシリーズ新生第一作としては許容できると言ったところでしょうか。戦闘パートの出来の悪さが全体的に足を引っ張っているのが残念です。思えば過去作も1から4へと続く内に完成度を高めていきました。本作も続編を匂わす設定も幾つか出ている事ですしこれから続きが出て今までとはまた違った進化を遂げてほしいものです。