BAROQUER 歪んだ妄想 レビュー
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- 中央値
- 71
- 難易度
- 3.00
- レビュー数
- 2
ユーザーレビュー
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507人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt |
73pt
GOOD!
■オリジナリティー
何度も何度も“死にまくる”ゲームで、“死んでもいい”ゲームで、“死にまくらなければ面白さや奥深さを充分に味わえない”ゲーム。
“死にまくる”ゲームは他にもあるでしょう。ですがこのゲームは、何度も死を繰り返すことで少しずつ謎が明らかになっていくというシステムのため、死んでも構わないのです。むしろ、何十回と死ななければ聞けないようなセリフもあり、サクサク進んでしまうと楽しめないのでは? と感じます。
■グラフィックス
粗いといえば粗く、表情などは分かりませんが、プレイヤーの想像力を掻き立てる結果になっているため、これはこれでOKだと思います。
■サウンド
時に不気味で重苦しく、時に切なく物悲しい感じのするBGMは世界観に合っています。また、自分の足音や心臓の鼓動音、異形の立てる物音などのSEが緊張感を高めてくれます。
ボイスはありませんが、違和感や物足りなさは全く感じません。グラフィックの粗さと同じで、ボイスが無い事も上手くプラス方向へ働いているかと。
■熱中度・満足感
<シナリオ・ストーリー>
主人公は記憶を失っており、ゲームがスタートした時点では全てが謎。それを、NPCのセリフを聞いたりイベントを見ることで徐々に明らかにしてくという形。
サイレントヒルなどと同じで、クリアしても全部が全部クッキリハッキリ説明されるわけではありませんが、登場人物が魅力的で、シナリオが深く印象的なセリフも多いので、考察(想像・妄想)するのが楽しいです。
<戦闘・探索>
主観視点のARPG+不思議のダンジョン。
いろんな事を実際に試してみて、死んだりアイテムを失ったりして悲鳴を上げつつ、見慣れぬアイテム(骨、心臓、処刑具、寄生虫等々)の使い方や使うタイミング、異形との戦い方を学び、自分なりの戦闘・探索の方法を確立していく過程が非常に面白かったです。
<ボリューム>
シーンリスト(NPCのセリフ収集)やアイテムリスト、クリア後の地獄ダンジョン、システムデータを引き継いでのニューゲーム(これはクリア前でも可能。シーンリストの回収に便利)といった遣り込み要素があります。
1周のボリュームはそこそこですが、フルコンプしようとすればかなりの根気を必要とするほど。
■快適さ
ポーズ中やアイテム画面・2Dマップ表示中はVTの減少が止まります(VT=活力。時間の経過と共に減少し、0になるとHPが減少)。
非常に有難かったです。欲を言えば、NPCとの会話中も止まって欲しかったような気がしないでもないですが。
オートマッピング機能付きの2Dマップあり。
部屋に一歩でも入れば、その部屋全体(他の通路や階段の有無)が表示されます。下へ下へとサクサク進みたい時に便利でした。
次の階層へ進むごとに、続けるか中断セーブするかを選べます(ロード後、中断データは消去)。
まとまった時間が取れない時でもプレイが可能です。
1度見たムービーはスキップが可能。ムービーリストから鑑賞する事も可能。
■難易度
難易度はやや高めで、アクションが苦手な私は「こんな調子で本当に最下層まで辿り着けるようになるのか?」と不安になるくらいでした。
が、そこは何といってもRPG。剣やコートを鍛えたり、便利なアイテムを集めることで、かなり楽に進めるようになります。
アクションが苦手だからクリア出来ない、という事はまず無いでしょう。
攻略情報は見ないでプレイした方が面白いと思いますが、フルコンプを目指すのであればシーンリスト109の条件だけは調べておきましょう。
私は・・・0からやり直しました。
※裏技を使えば後から収集することも可能みたいです。
BAD/REQUEST
■熱中度・満足感
VTが残っていればHPは徐々に回復していきますが、下の方も書かれているように足踏みのようなものが無いため、回復に非常に時間がかかります。
約2秒で1HP回復なので、300や400回復しようとしたら・・・(最大HPは999)。
100%安全と言える場所が少ないため、完全放置するのも躊躇われます。
次から次へと新しいアイテムやシーンが見つかっている間は非常に楽しく熱中してプレイ出来ていたのですが、新しい発見が無くなってくる遣り込み終盤時になると、作業感も強くなってきます。
まあ、仕方のない事かもしれませんが。
■快適さ
カメラを上下に動かす事が出来ないため、真下(足元)を見る事が出来ません。
何も無いと思って一歩進んだら・・・という事もあり、少々不便に感じました。
異形リスト(所謂モンスターリストのようなもの)が欲しかったです。
攻略サイト等で調べなければ異形の名前が分からない、という程度ですが。
個人的には気になりませんでしたが、操作性は普通?ややもっさり。
ダッシュ、防御、回避、ジャンプ等はありませんので、直感的な操作でアクションを楽しみたいという方には、少々不向きかと。
COMMENT
プレイ経験:未プレイ・今回が初めて。
フルコンプはしてません。かなり頑張ったのですが、シーンリストがあと1つ埋まらず。
購入の動機は、下の方のレビューを読んで以前から興味を持っていたのと、ダークな世界観のゲームがしたくなったので。
感想は「面白かった!」です。BADの点が無ければ熱中度に5点を付けてたかも、というぐらいハマリました。
特に、ステキな人達のステキなセリフはかなりツボ。主人公の行動に対していろんな反応を返してくれるのも楽しかったです。
また、最初の頃は「お前が頑張っているのは分かる」などと言って優しく励ましてくれていたのに、主人公が死ぬたびに段々と冷ややかになっていき、ついには・・・とか、最初は主人公に「殴らないでくれよ」とか言っていたのが、何度も何度も殴っているうちに・・・というような、NPCの態度の変化を見るのも面白かったです。
突き放した感じのするゲームである事は確かです。
私が解説書を読まずに始めたせいもあるでしょうが、プレイ開始後数時間は疑問符が頭の中を飛び回っていましたし、NPCから○○を初めて入手した時はどうやって使えばいいのかと途方に暮れたりもしました。
が、チュートリアルのようなトレーニングダンジョンが存在します。未判明のアイテム以外には説明文がついています。ヒントも喋ってくれます。
ゲームは多少苦労した方が面白い、と思える方なら特に問題は無いでしょう。
「暗く、頽廃的な世界観」「歪んだ世界に歪んだ登場人物」に心惹かれるという方は、プレイしてみて下さい。
オススメです。
もちろん、600円以上の価値は十二分にあると思いますよ。
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GOOD!
大熱波により崩壊し、人々が異形とよばれる化け物へと変貌してしまった世界。
記憶を失った主人公は、謎の上級天使に導かれるまま、神経塔と呼ばれる、巨大な塔に潜ることとなる。己が罪を、生きる意味を、思い出すために。
オリジナリティ:こんな世界観、他では味わえません!
退廃的な世界。歪みを抱えた病的な怪奇キャラしか存在しない。いきなり放り出された世界で、話しかけたら「眼球がピクピクうごめいて……」とか病気すぎ!(良い意味でw)
基本はキングスフィールドなどの主観視点リアルタイムアクションRPG+不思議のダンジョンであり、入るたびに様相を変える神経塔を潜っていくことになるのだが、心臓を食って体力回復、注入液を注射してステータスUP、偽装翼や寄生虫を体につけて特殊能力付与とか、その手の設定に歓喜しそうな厨二病の方々の心に響くこと間違いなし。
しかも単純に最下層に行くだけではだめで、時には一旦(死ぬなどして)地上に戻り、フラグを進めたりして徐々に真相を暴いていく。
ロマサガやサイレンのように説明なしの突き放しっぷりなので、17階が最下層の時期で詰まりやすいかもしれない。まあ、ちゃんと、某キャラのセリフを聞くと、なにをやればイベントが起こりそうか分かるのだが。
グラフィック:まあまあか。この手のゲームの中ではいいほうかも。そりゃあFFなどには比べ物にならないけど、サイレントヒル1とかと同じで、画像が粗い方が、雰囲気とマッチするタイプのゲームなので、問題なし。
音楽:今でこそめずらしくないが、ノイズ系&せつない系のBGM。壮大で、メロディよりも雰囲気や世界観を象徴したような曲が多い。そして自分の心臓音などのSEがいい感じ。個人的にイライザがいる階で流れる曲が、とても好きな曲。あんなせつなくて悲しい曲の中で、気持ち悪い異形相手に、刑具や天使銃を使って戦っていると、脳のネジがどんどん外れていきます。
熱中度:アイテムのドロップ率にもよるのだが、敵を全滅させていくと、ギリギリの難易度(敵はかなり強いです)なので、純粋なゲーマーとしてもはまるかもしれない。世界観に合わなければ難しいが。
快適さ:操作性は特に問題ないと思う。主観視点ものの中では良い方だと思うし。ただ突き放した感じに合うかどうかは、その人次第。何すればいいか分からないのはダメって人には出来ないと思う。
難易度:死のスリルは味わえるから、高いほうかな。でも、アイテムのドロップ率がいいと思うので、このくらいで。
BAD/REQUEST
やはり人を選ぶゲームだということ。
普通の人とか、絶対ひいちゃってやる気にならないゲームだと思う。
フラグが分かりにくいかな。最下層着いて戻ってきたのに、終わりじゃないの?って誰もが迷う気がする。というより、フラグなんてあるんだ…というのに気付きにくい気がする。
あと不思議のダンジョンでいう、足踏みのようなことが出来るとよかった。
HP回復のために放置しておくと、すごい時間がかかるので。
COMMENT
良い所にほとんど書きましたが、はまる人ははまる。特に自分が歪んでるなどと自覚を持っちゃってる方には、聖域的な存在になるかと。リメイクの方もやりましたが、旧作には及びません。“圧倒的な神々しいまでもの退廃空気と虚無感”これに一切のオタクっぽい味付けをしないで、純粋な形としてユーザーにぶつけてきた本気具合にはひれ伏すしかない。
リメイクの方は、アニメ声、萌えグラフィック、ハードロックっぽい音楽が、雰囲気をがらりと変えてしまった。
特にロック系の音楽がゲームっぽすぎて、まったく圧倒されなかった。そういう意味では、当時の技術的な制約がある中で、アングラ的にチマチマ作っていた環境が、偶発的にすごい傑作を生み出したのではないかと、個人的には思っております。