PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・グラフィックス
元のPC版が2004年発売であるが、古さを感じさせないグラフィックスは評価の対象となる。また一枚絵において、吐く息が表現されていたりとなかなか見かけない表現がされていた事も感心した。
…正直この位しか褒められる部分がないのも悲しいが。

BAD/REQUEST

・追加シナリオについて
設定資料のみに登場した幻のヒロイン・杉本椎奈が攻略可能、と言う触れ込みだが、元々単独の作品として完成している作品ゆえに新規にルートを立てた上でシナリオを書き直す余裕がなかったのかは判らないが、オリジナルにおけるバッドエンドの条件（PHASE2で誰とも親しくならない事。24日までどのキャラとも会わずに進めれば簡単に椎奈ルートに入れる）を満たさねばルートに入れず、物語の前提である主人公の後遺症は発症すらしない点でシナリオの整合性を無視している。
また肝心のシナリオ自体も序盤から中盤はラジオ番組が主体になっていて肝心の椎奈とは中盤でやっと出会い、大した親しくなった描写もないのに気がついたら好意に気づいて告白して気がつくと終わり（途中で「ここでHシーンが入るんだろうなぁ」と思ったシーンも存在した）、という物で、これで「完全版」の追加シナリオと称するには物足りなく感じ、「むしろラジオ番組のパーソナリティーであるみかんのシナリオにした方が良かったのではないか？」とも思ってしまった。
2時間程度で終わる話なのは救いとは言えるが。
・快適さ
スキップが微妙に遅く（スキップ機能は発動後に速度を切り替えられるが、最速でも遅く感じる）、またデフォルトではスキップの設定が「全文」になっているため、気づかないと文を読み飛ばしかねない事はマイナスだった。
・音楽・音声関係
主題歌を除くとBGMが13曲しかないため、同じ曲ばかりが何度も掛かっているように感じたのもそうだが、元作品からの音声で音割れが気になった事もあり、音楽・音声には低い評価を付けざるを得ない。

COMMENT

PSP-3000型使用。
2011年4月28日に、椎奈のHシーンを追加した逆移植版「パーフェクトエディション+」が出ることを知り、完全下位互換になる前にレビューしておこうと思いプレイしてみたが、新規シナリオの出来はこちらの期待をはるかに下回るものだった。
本編のシナリオへの評価は以前のPC版・PS2版時代のレビューで、他のレビュアーの方が散々語りつくしている批判点（共通パートの流れがぶつ切り、2004年作品のはずなのに1998年頃の作品のようにすら感じられる古臭いシナリオ）と意見が共通するため割愛したい。
どうしてもプレイしたいと言うのなら、値崩れを始めたとき（大体1000円台に下がった頃）に「話の種」としてプレイするか、それとも少し待って逆移植版を（値崩れした時に）買うかした方がよいだろう。