シュタインズ・ゲート
中央値: 69 Amazon点数: 4.7
スコアーボード
標準偏差 16.37 (難易度) 3.00 mk2レビュー数 23ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 3pt | 4pt | 3pt | 3pt | 2pt |
67pt
GOOD!
・キャラクター(グラフィック)
素直にキャラが可愛らしくてよかった。個性もある。
典型的なギャルゲーの絵に抵抗感のある自分でも比較的すんなり入っていけるデザインで良かった。
・ストーリー
序盤は少しばかり冗長ですが物語の転機を迎えてからはテンポも良くなり、めまぐるしい展開にグイグイ引き込まれていきます。
ストーリーは感情への揺さぶりがとても強烈で、主人公の持つ苦悩を存分に味わうことができます。
特に某キャラのエピソードはいい雰囲気からの落差が凄まじいので、そのキャラのENDへのルートの欝っぷりも相まってある意味この作品のピークとも言える内容です。
BAD/REQUEST
・システム
今まで専ら推理ADVを好んでプレイしてきたので、色々コンプするのにチャプターセレクトが無いのが不便に感じました。
とはいえこのゲームは選択肢によって分岐していくのではなく、フラグの積み重ねで分岐していくのでチャプターごとにぶつ切りにするのが難しいって事なのでしょう。
このジャンルのゲームはこっちがスタンダードなのでしょうか。
ただその分セーブ回りは優秀で、PSP特有のまだるっこしい手間がかからず、一度読んだテキストはロードし直しても読んだことになっており、個別のセーブデータと言うよりは栞のような形でどんどん使っていけて便利です。
ですのでBADの欄に記載していますが実際にはそれほど不便しません。
・ゲーム性の少なさ
自分の選択する余地が殆ど無く、ひたすら文章を読み続けるのはちょっときつい。
小説を読んでるのと大して変わりがないので、ゲームの売りといえる没入度がいまいち。
主人公の持つ能力をある意味プレイヤー自身も持っているためそういう事を考えながらプレイすると入り込みやすいかもしれません。多分。
・意味のない伏線っぽい演出
主人公は物語の合間に、何度か意味深な夢を見たりします。
他にも意味深な過去の出来事や意味深なメール等の意味深な設定がいくつか出てきますが、結局たいして物語には絡んで来ません。
それらのものは本当にただの演出であったり、○○だからこうなったという補足程度の意味しかないみたいでガッカリしました。
・オチがショボい
先に上げた伏線っぽい演出やタイムトラベルという壮大なテーマのお陰で、もっと大仕掛けの謎や展開がこの物語には隠されており、TRUE ENDのルートでそれらの謎が一気に解決していくと期待していたのですが…。
はっきり言って肩透かしを喰らいました。
色々手の込んだことをしているのですが実際にはただ辻褄を合わせるだけって感じだったもので。
主人公が元気になってよかったなーという感じです。
COMMENT
今回食わず嫌いしていたサウンドノベルタイプの「推理」のつかないADVをやってみようということで、比較的とっつきやすそうで評判のいいこのゲームをプレイしてみました。
実際やってみて評判ほどとは行かないものの自分も十分楽しめる内容で良かったです。
ただやはりオチがショボいといいますか、小奇麗にまとまってはいるものの、仕掛けが小さいのが不満ではあります。
作品中に出てくる意味深な夢の内容のような展開が自分的には好みだったりするので。
他にも例えば主人公が電波設定を現実に持ち込んだり、電源の入っていない携帯で架空の人物相手に状況報告しているというギャグが何度もありますが、アレらはギャグでもなんでもなく本当のことだったとか、意味のある行動だったとかそういう「驚き」が個人的には欲しかったです。
せっかく本人が心のなかですら「本当のことを言っているのに…」と考えるくらいなりきっているのだし。
あと懸念材料だったネットスラングの多用については思ったほど気になりませんでした。
コッソリ入れたりせずに堂々と使ってるのが潔くて逆に良かったのかもしれません。
難易度については他の方がおっしゃる通り自力でTRUEルートを探すのは取っ掛かりがなさすぎて骨が折れそうですが、逆に言えばこれを攻略サイトで見たとしても本編の謎について殆どネタバレ的な影響はありません。
Amazonレビュー
レビュー者: Morris レビュー日: 2011-06-28いやはや睡眠時間がなくなりました。
絶妙のシナリオ構成と丁寧な伏線の張り方は素晴らしいの一言。
論理のピースがはまっていくさまは実に爽快ですし、
「まさかこう来るとは」と唸らされること請け合いの心憎い演出は物語を飽きさせません。
システム、世界観設定、そして主人公の持つとある特異体質は密接にリンクしています。
「主人公の主観」と「物語を読み解くプレイヤーの主観」の定常的な一致は、これらが揃って初めて成立します。
プレイヤーだけが、主人公と同じ視点に立って、その苦悩や孤独を最初から最後まで共有できるのです。
「序盤あれほど苛立しいの極みだった主人公が、終盤こんなに格好良くみえるなんて」
いつのまにか感情移入をしているのです。脚本家の目論見にまんまとはまっています。
設定とシステムの高度な融合は、シナリオの展開とあいまって非常に効果的で、深い没入感を生むのです。
4、5年前のネット界隈、マンガやアニメの名・迷台詞、役者ネタ、秋葉原の地理、陰謀論、ジョン・タイター、タイムトラベル、物理学、哲学、認識論、脳科学といった各種のネタが満載で非常に面白いです。その手のものに造詣が深い方ならばもうたまらないでしょう。
この「じっぱひとからげ」な、いい意味で節操のないネタの絨毯爆撃も特色のひとつです。
あまりにもマニアックなネタはなかったと思いますが、ひと通りの解説が付されていますので安心です。
最後に主人公役の宮野氏の怪演についても述べねばなりますまい。
序盤の厨二っぷり、中盤の苦悩、後半の絶望、ラストの感極まった心。
主人公の素の部分が前面に出ていく過程を演じわけています。
息遣いすら感じられる生々しいものです。
また、メイン2人の軽妙なやりとりはドラマTRICKの山田上田コンビを彷彿とさせるもので懐かしくも感じました。
芝居としてのテンポや間の取り方がより洗練されたアニメの方も見逃せないですね。
丁寧な脚本、刺激的な演出、深い没入感、ネタの絨毯爆撃、そして宮野氏の怪演。
名作の評に偽りなし。
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GOOD!
▼オリジナリティー
目を引くのはやはりフォーントリガーシステムでしょうか。これは「携帯に受信したメールに含まれる複数のキーワードのうちどれを軸に返信したか、ということがストーリーに大なり小なりの影響を及ぼす」というものです。メールを無視することで「選択肢を選択しないという選択肢」がプレイヤーに与えられる点は面白いと感じました。
▼トゥルーエンドの完成度
私個人の琴線に触れるものではなかったため泣くことはありませんでしたが、構成力には驚かされました。ここまで言うと褒めすぎな気もするのですが、某直木賞作家さんの力作を読んだ時と同程度の驚きを覚えました。
▼サウンド
声優さんの演技、音楽ともに、聞くに堪えないと感じなかっただけでも標準以上の出来栄えだったのではないでしょうか。棒、じゃなかった某声優さんも上手くなったもんだなぁ。
BAD/REQUEST
▼快適さ
全体的にチープな感じが漂っているにも関わらず、サクサク動かないなと思いました。ただし積極的に評価を下げようと思うほど不便に感じた点はありません。
▼トゥルーエンド以外のエンディングの完成度
「誰かのために他の誰かの思いを犠牲にできるか」という要素が琴線に触れない、という人にとって、トゥルーエンド以外の五つのエンディングは、泣けないわ、序盤の伏線も投げっぱなしになっているわで、中途半端感が否めないのではないでしょうか。
▼グラフィックス
美しさは標準的だと思うのですが、キャラクターのデザインがが上手いのか下手なのかはよくわかりません。自分の好みではないのですが、こういう絵には自分にはわからない魅力があるのだろうなと思っています。自分に断言できるのは、立ち絵のバリエーションは少ない、ということぐらいです。
COMMENT
PSP?3000使用
このゲームは、MK2様で評価させてもらえる項目が特に有利に働く点が見受けられないため、点数が低くなってしまうかもしれません。自分の中ではかなりの良作なのですが…。
そういえば、トゥルーエンドは11章ですね。今後、「11章は神!!」という意見を耳にする機会があれば、私はきっとこう思うでしょう。「ああ、Steins;Gateの話をしているんだな」と。