パネキット
タイトル概要
中央値: 76 Amazon点数: 4.7
スコアーボード
標準偏差 6.9 (難易度) 2.57 mk2レビュー数 7ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)
554人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
556人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 3pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt |
総合点
75pt
75pt
GOOD!
同じゴールを目指しても、プレイヤーの数だけ答えがある。
例えばカーブの曲がり方一つでも、
・ジョイントでタイヤの方向を曲げて曲がる。
・ジョイントでタイヤの傾きを変えて曲がる。
・タイヤの回転数に差をつけて曲がる。
・空力の舵で曲がる。
・ショットの反動で曲がる。
・ジェット推進で曲がる。
・重心を移動させて車体を傾けて曲がる。
・曲がらず、そのままの向きで横に移動する。
・ダウンフォースで壁を走って曲がる。
・飛ぶ。(飛び方は、曲がり方以上にいろいろある。)
などなど…
BAD/REQUEST
・せっかくすごいマシンをつくっても、自慢する場が無い。
・CGの解像度が低い。イライラするほどではないけど、もったいない。
COMMENT
こんな人にオススメ!
・ロボコンが好きな人
・レゴブロックが好きな人
・縛りプレイや、誰もやらないプレイスタイルを追求する人
・ツクール系で挫折した人
[
問題報告 ]
Amazonレビュー
レビュー者: K レビュー日: 2011-09-16
僕は現在26歳で、ゲームが好きで小学生のころからいろいろなゲームをやってきました。
僕が学生だったころ、日本のゲーム市場は最盛期を迎えていて、いわば『ゲーム黄金期』だったと記憶しています。
小学校の頃は任天堂黄金期で、スーファミやゲームボーイが子供たちに大人気でした。
中学校に上がるころになると、プレステが次第に活気づき、64やドリキャスなども人気がありました。
やがてプレステ2が出て、そして時代は次世代機へ…
小学生のときにゲームに出会って以来、今まで様々なゲームにハマりました。
ポケモンやマリオカート、ヨッシーアイランドやカービィスーデラ、ドラクエやFF、ぷよぷよやテトリス、
聖剣伝説やゼルダ、クロノトリガーにゼノギアス、バイオハザードや鬼武者、エースコンバットや
グランツーリスモ、三国無双やスマブラやニードフォースピードやグランドセフトオートや
アーマードコアやカルネージハートやラクガキ王国…
そんなふうに、黄金期のゲームに囲まれ黄金期のゲームでたくさん子供時代から楽しませてもらった僕ですが…
『いままでやったゲームでどれが一番楽しかった?』と聞かれたら、迷わず即答します。
しかしその答えは、ファイファンでもなければドラクエでもなく、クロノトリガーでもなければゼルダでもなく、
マリオでもなければポケモンでもありません。
僕が迷わず即答するのは…『パネキット』!!!という作品です。
1999年の発売からもう10年以上が経つ作品ですが、あまりにも好きすぎて、一人でも多くこの作品に出会ってほしくて、
1人でも多くの人にこのパネキットで感動してもらいたくて、そう思うとレビューを書かずにはいられません。
そのぐらい、今でも大好きな作品です。
-------------------------------------------
このパネキット、何が素晴らしいかと言うと、まずは何よりもその独創的なコンセプト。
『無限工作おもちゃ箱』というサブタイトルを冠しているのですが、まさにその名のとおりの作品なのです。
どういうコンセプトで、どういう魅力があるのかと言うと………
●パネルと呼ばれる正方形の板や、ジョイントやタイヤやジェットなどを工作感覚で組み合わせ、自分だけの『モデル』を作る。
●ジョイントやタイヤやジェットなどの部品は、コントローラーのボタンを割り当てて動かすことが可能。
●各部品は、物理法則に従い、かなりリアルな動きをする。(空気抵抗や水の抵抗、路面ごとのグリップの違いなども再現)
●エディットツールは、多少慣れが必要なものの、使いやすく視覚的にも分かりやすい。
●自分でモデルを作る以外にも、もともと出来上がっているプリセットモデルがある。
●プリセットモデルの完成度は高く種類も多彩で、モデル作りの参考になるものばかり。
●もちろん、プリセットモデルに付け足したり改造したりもできる。初心者はここから始められるという、超親切設計。
●自分で作ったモデルやプリセットモデルで、フィールドに繰り出し冒険ができる。
●冒険するフィールドは、大きく5つの島に分かれている。かなり広大。
●おおまかに紹介すると、初心者のためのチュートリアル島、舗装路が多いサーキットのような島、土や砂などの悪路が多いオフロード島、
巨大な雪山がそびえたつ雪と氷の島、起伏が激しく空が舞台となる荒野…といった内容で、過不足が無い。
これほど見事にまとまった箱庭を擁するゲームはそうそう無い。
●フィールドは全てシームレスにつながっており、メニュー画面から各地のワープポイントに一瞬でワープすることもできる。
(移動のストレスがほとんどなく、非常に遊びやすい)
●フィールドには、アイテムボックスがあり、プリセットモデルの設計図やパーツを入手できる。
(一筋縄では取れず、取るのに工夫がいるものもあって、探索欲求をかきたててくれる。)
●各島には、バラエティに富みまくった様々な競技が用意されており、自慢のモデルで自由に参加できる。
コースを走る速さを競うレース系…サーキットレース、オフロードレース、過酷なラリー、ドラッグレースなど…
弾の飛距離を競うショット遠投、ターゲット破壊のスコア競争、動力無しで飛距離を競うグライディング、
時間内にワザをいくつ決められるかを競うトリック飛行競技、雪だるまの頭を運搬し胴体の真ん中にいかに正確に乗せるかを競う競技、
岩を転がしピンを倒すボウリング、敵を土俵から叩き落とす押し相撲、などなどなどなど…
個性的で挑戦し甲斐のある競技が、これでもかと詰め込まれている。
しかもほとんどの競技がスコアアタックやタイムアタックが可能で、非常にやりがいがある仕様になっている。
●ゲームオーバーという概念が無い。逆に言うと、『これをしなきゃダメ』という目的も無い。
楽しみ方は無限大だし、思い浮かんだ楽しいアイディアを実現させてくれるキャパシティがこのパネキットには確かに在る。
-------------------------------------------
いかがでしょうか、これがパネキットの世界です。
最大の魅力は、やはり何といってもモデル作り。
このモデル作りが素晴らしいからこそ、バラエティに富んだ箱庭や競技も活きているのです。
登場するパーツは8種類。
1.電池の役割もある基本構造体『パネル』
2.X方向に曲がる『Xジョイント』
3.Y方向に曲がる『Yジョイント』
4.Z方向にねじれる『Zジョイント』
5.地面を駆ける『タイヤ』
6.空中でも推力を得られる『ジェット』
7.接続したパーツを回転させる『モーター』
8.弾を発射する『シューター』
以上の8つです。
これらのパーツを合計100個まで自由に組み合わせてモデルを作ることができます。
作れるモデルは、まさに無限大。アイディア次第で、様々なモデルを生み出すことができます。
何より素晴らしいのは、組みあがったモデルの動きがリアルであること。
見た目はオモチャなのですが、その動きにはしっかりと重さがあり、空気抵抗を受け、弾は放物線を描き、
ジャンプから着地すれば衝撃があり、様々な物理法則が影響しあって、モデルは非常に説得力のある動きをします。
そんじょそこらのレースゲームなんかよりもはるかにリアルな挙動をします。
そのぶん、物理法則に慣れるまでは、せっかくモデルを作っても思ったとおりに動いてくれないことも多いですが、
そうやってトライ&エラーを繰り返すうちにだんだんとパネキットの奥深さにハマっていきます。
ぜひ頑張ってほしいのは、第三の島でジェットを手に入れてから。
そこまでの島では地上が舞台で、第三の島も基本的には地上が舞台です。
しかし、ここでジェットが手に入ります。
そう、このゲームには、『空を飛んではいけない』なんてルールは無いのです。
浮こうが飛ぼうが、自由なのです。
ここで誰もが飛行機を作ろうとすると思いますが、誰もがまず失敗すると思います。
上昇しようとしたらいきなり宙返りしてしまったり、舵を切ろうとしたらきりもみ回転で墜落してしまったり、
上を向いたまま機体が戻らなくなってしまったり。
でも、そこで諦めないでください。 親切丁寧な説明書を見たり、デモを見ながらがんばって調整してみてください。
何度も作り直して、テストプレイを重ねてみてください。
そうして、失敗と苦労の数々の末、自分が作った飛行機が綺麗に飛ぶときが必ず来ます。
そのとき、きっとあなたは、ライト兄弟のような気分になることでしょう。
-------------------------------------------
『自分の飛行機がはじめて綺麗に飛んだとき』は、パネキットで誰もが感動することのひとつだと思います。
それまでは地上を走るだけだったのが(それでも十分すぎるほど楽しいのだけど)、自分が走っていた道を
はるか上空から見渡すこともできる… それも、自分が苦労して作った飛行機で。
これはまさに、『少年心』を直で刺激する、たいへん素晴らしい感動です。
文字でしかお伝えできないのが心苦しいところです。
しかし、パネキットのモデル作りの感動はまだまだそこで終わりではありません。
むしろ、そこからが『始まり』です。
●たとえば、垂直離着陸や空中静止が出来る機構を入れてみるとか。
●たとえば、普段は車なのだけど、ボタン一つで翼が生え、機首が変形して飛行形態になる機構を入れてみるとか。
●たとえば、空中でドリフトしながら飛ぶヘンテコ能力を備えてみるとか。
●たとえば、空中浮遊して360°自由に動き回りながらレーザーを発射するUFOを作ってみるとか。
●たとえば、より見た目にこだわったクールな機体を作ってみるとか。
飛行機ひとつ取っても、アイディア次第で様々なモデルを作ることができます。
もちろん、飛行機に限らず、どんなモデルを作ろうがプレイヤーの自由です。
険しい山道をガンガン登るオフロードカーも良し、サーキットを早く走るレーシングカーも良し、砲門をつけまくった戦車も良し、
ジョイントの力で歩くモデルも良し、モーターでプロペラを回すヘリも良し、水上を滑走するジェットスキーも良し、
ボールを放り投げることができるアームを持ったモデルも良し、ボールを乗せて運搬できるモデルも良し、
何の能力も無いただの置物も良し、何が何だか分からない謎の物体も良し、
とにかく何を作ろうが自由で、どう動くか決めるのも自分です。
何度も重ね重ね言いますが、こういった様々なアイディアを実現させてくれ、その動作を楽しませてくれるキャパシティが
このパネキットという作品には確かに在ります。
-------------------------------------------
その他の細かい点…
【良い点】
●ロードが非常に短い。モデルのセーブやロードに至っては、無いに等しい。
●説明書やチュートリアルが非常に充実していて親切。さらに、フィールド内にたくさん存在する看板には、
モデル作りのヒントがいっぱい散りばめられている。初心者も安心。
●音楽が良質。ハデさこそ無いものの、パネキットの爽やかな世界をよく表している快適な曲多数。
●モデルに説明文を付けられる。コントローラーのボタンなどを表した絵文字も使え、とても見やすい。
●モデルが転倒した等で身動きが取れなかったりしたときに、セレクトボタンで一発復帰でき、この時にモデルの方向なども変えられる。
壁にぶつかったり、急カーブを曲がり損ねたなどのとき、イライラする復旧作業をせずに済み、地味に便利。
●そのたいへん優れたゲーム性から、発売後10年以上経った今でもなおファンにプレイされており、自作モデルなどがインターネットを
中心にして公開・配信されるなど、今なおパネキットの世界は発展し続けている。
【悪い点】
●特定条件下で、若干処理落ちする。
●モデルが完全に水没したまま脱出しないと、数秒後に強制的に地上に戻される。このため、水中散策だけは難しい。
水中散策要素まであれば、『神ゲーを超えた何か』になれたかもしれない。非常に惜しい。
●あまり厳しくはないが速度上限が存在し、極端に速いモデルは作れない。
(ただしこれは、最高速が無限にあったら、誰もが性能重視のモデルばかり作り、モデル作りのバリエーションが
減ってしまうことにも繋がりかねないため、良い設定だとも言える)
●パーツ制限数100個というのは、創意工夫意欲を燃やす要因でもあるが、『もっと使えたらいいのに!』とヤキモキすることもしばしば。
●音楽は素晴らしいけど、効果音はショボい。これはほんとにオモチャみたい。
●モデル説明文で使える漢字が少ない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こうした細かい欠点もあるのですが、はっきり言ってこんな些細な点なんてどーでもいいぐらい楽しい作品です。
『ここがもうちょと良かったらもっと良い作品になったのにな』ぐらいの感覚です。
-------------------------------------------
【総評】
工作魂と少年のようなワクワクを持ってる人なら誰もがハマる、非常に優れた自由度を持つたいへん素晴らしい作品。
逆に、工作魂も少年的ワクワクもどちらも皆無な人は、この作品で楽しめることは無いと思います。
万人にオススメできるわけではないけれど、『作るのが好き』『自分が作ったものが動くのは楽しい』という
感覚がある人には、あまねくやってみてほしい作品です。
これは、未来に残したい作品です。
未来の少年たちにも、ぜひプレイしてみてほしい作品です。
一時はプレミア化して20000円以上が当たり前の時代もありましたが、現在はゲームアーカイブスで600円で
ダウンロードすることもできます。
たとえ6000円のフルプライスだとしても、僕はオススメしたいですが。
とても長いレビューになってしまいましたが、これでもまだ書き足りないぐらいです。
読みづらいところも多々あったと思いますが、まだこのパネキットをプレイしたことが無い方に、少しでも
魅力が伝わったら幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
僕が学生だったころ、日本のゲーム市場は最盛期を迎えていて、いわば『ゲーム黄金期』だったと記憶しています。
小学校の頃は任天堂黄金期で、スーファミやゲームボーイが子供たちに大人気でした。
中学校に上がるころになると、プレステが次第に活気づき、64やドリキャスなども人気がありました。
やがてプレステ2が出て、そして時代は次世代機へ…
小学生のときにゲームに出会って以来、今まで様々なゲームにハマりました。
ポケモンやマリオカート、ヨッシーアイランドやカービィスーデラ、ドラクエやFF、ぷよぷよやテトリス、
聖剣伝説やゼルダ、クロノトリガーにゼノギアス、バイオハザードや鬼武者、エースコンバットや
グランツーリスモ、三国無双やスマブラやニードフォースピードやグランドセフトオートや
アーマードコアやカルネージハートやラクガキ王国…
そんなふうに、黄金期のゲームに囲まれ黄金期のゲームでたくさん子供時代から楽しませてもらった僕ですが…
『いままでやったゲームでどれが一番楽しかった?』と聞かれたら、迷わず即答します。
しかしその答えは、ファイファンでもなければドラクエでもなく、クロノトリガーでもなければゼルダでもなく、
マリオでもなければポケモンでもありません。
僕が迷わず即答するのは…『パネキット』!!!という作品です。
1999年の発売からもう10年以上が経つ作品ですが、あまりにも好きすぎて、一人でも多くこの作品に出会ってほしくて、
1人でも多くの人にこのパネキットで感動してもらいたくて、そう思うとレビューを書かずにはいられません。
そのぐらい、今でも大好きな作品です。
-------------------------------------------
このパネキット、何が素晴らしいかと言うと、まずは何よりもその独創的なコンセプト。
『無限工作おもちゃ箱』というサブタイトルを冠しているのですが、まさにその名のとおりの作品なのです。
どういうコンセプトで、どういう魅力があるのかと言うと………
●パネルと呼ばれる正方形の板や、ジョイントやタイヤやジェットなどを工作感覚で組み合わせ、自分だけの『モデル』を作る。
●ジョイントやタイヤやジェットなどの部品は、コントローラーのボタンを割り当てて動かすことが可能。
●各部品は、物理法則に従い、かなりリアルな動きをする。(空気抵抗や水の抵抗、路面ごとのグリップの違いなども再現)
●エディットツールは、多少慣れが必要なものの、使いやすく視覚的にも分かりやすい。
●自分でモデルを作る以外にも、もともと出来上がっているプリセットモデルがある。
●プリセットモデルの完成度は高く種類も多彩で、モデル作りの参考になるものばかり。
●もちろん、プリセットモデルに付け足したり改造したりもできる。初心者はここから始められるという、超親切設計。
●自分で作ったモデルやプリセットモデルで、フィールドに繰り出し冒険ができる。
●冒険するフィールドは、大きく5つの島に分かれている。かなり広大。
●おおまかに紹介すると、初心者のためのチュートリアル島、舗装路が多いサーキットのような島、土や砂などの悪路が多いオフロード島、
巨大な雪山がそびえたつ雪と氷の島、起伏が激しく空が舞台となる荒野…といった内容で、過不足が無い。
これほど見事にまとまった箱庭を擁するゲームはそうそう無い。
●フィールドは全てシームレスにつながっており、メニュー画面から各地のワープポイントに一瞬でワープすることもできる。
(移動のストレスがほとんどなく、非常に遊びやすい)
●フィールドには、アイテムボックスがあり、プリセットモデルの設計図やパーツを入手できる。
(一筋縄では取れず、取るのに工夫がいるものもあって、探索欲求をかきたててくれる。)
●各島には、バラエティに富みまくった様々な競技が用意されており、自慢のモデルで自由に参加できる。
コースを走る速さを競うレース系…サーキットレース、オフロードレース、過酷なラリー、ドラッグレースなど…
弾の飛距離を競うショット遠投、ターゲット破壊のスコア競争、動力無しで飛距離を競うグライディング、
時間内にワザをいくつ決められるかを競うトリック飛行競技、雪だるまの頭を運搬し胴体の真ん中にいかに正確に乗せるかを競う競技、
岩を転がしピンを倒すボウリング、敵を土俵から叩き落とす押し相撲、などなどなどなど…
個性的で挑戦し甲斐のある競技が、これでもかと詰め込まれている。
しかもほとんどの競技がスコアアタックやタイムアタックが可能で、非常にやりがいがある仕様になっている。
●ゲームオーバーという概念が無い。逆に言うと、『これをしなきゃダメ』という目的も無い。
楽しみ方は無限大だし、思い浮かんだ楽しいアイディアを実現させてくれるキャパシティがこのパネキットには確かに在る。
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いかがでしょうか、これがパネキットの世界です。
最大の魅力は、やはり何といってもモデル作り。
このモデル作りが素晴らしいからこそ、バラエティに富んだ箱庭や競技も活きているのです。
登場するパーツは8種類。
1.電池の役割もある基本構造体『パネル』
2.X方向に曲がる『Xジョイント』
3.Y方向に曲がる『Yジョイント』
4.Z方向にねじれる『Zジョイント』
5.地面を駆ける『タイヤ』
6.空中でも推力を得られる『ジェット』
7.接続したパーツを回転させる『モーター』
8.弾を発射する『シューター』
以上の8つです。
これらのパーツを合計100個まで自由に組み合わせてモデルを作ることができます。
作れるモデルは、まさに無限大。アイディア次第で、様々なモデルを生み出すことができます。
何より素晴らしいのは、組みあがったモデルの動きがリアルであること。
見た目はオモチャなのですが、その動きにはしっかりと重さがあり、空気抵抗を受け、弾は放物線を描き、
ジャンプから着地すれば衝撃があり、様々な物理法則が影響しあって、モデルは非常に説得力のある動きをします。
そんじょそこらのレースゲームなんかよりもはるかにリアルな挙動をします。
そのぶん、物理法則に慣れるまでは、せっかくモデルを作っても思ったとおりに動いてくれないことも多いですが、
そうやってトライ&エラーを繰り返すうちにだんだんとパネキットの奥深さにハマっていきます。
ぜひ頑張ってほしいのは、第三の島でジェットを手に入れてから。
そこまでの島では地上が舞台で、第三の島も基本的には地上が舞台です。
しかし、ここでジェットが手に入ります。
そう、このゲームには、『空を飛んではいけない』なんてルールは無いのです。
浮こうが飛ぼうが、自由なのです。
ここで誰もが飛行機を作ろうとすると思いますが、誰もがまず失敗すると思います。
上昇しようとしたらいきなり宙返りしてしまったり、舵を切ろうとしたらきりもみ回転で墜落してしまったり、
上を向いたまま機体が戻らなくなってしまったり。
でも、そこで諦めないでください。 親切丁寧な説明書を見たり、デモを見ながらがんばって調整してみてください。
何度も作り直して、テストプレイを重ねてみてください。
そうして、失敗と苦労の数々の末、自分が作った飛行機が綺麗に飛ぶときが必ず来ます。
そのとき、きっとあなたは、ライト兄弟のような気分になることでしょう。
-------------------------------------------
『自分の飛行機がはじめて綺麗に飛んだとき』は、パネキットで誰もが感動することのひとつだと思います。
それまでは地上を走るだけだったのが(それでも十分すぎるほど楽しいのだけど)、自分が走っていた道を
はるか上空から見渡すこともできる… それも、自分が苦労して作った飛行機で。
これはまさに、『少年心』を直で刺激する、たいへん素晴らしい感動です。
文字でしかお伝えできないのが心苦しいところです。
しかし、パネキットのモデル作りの感動はまだまだそこで終わりではありません。
むしろ、そこからが『始まり』です。
●たとえば、垂直離着陸や空中静止が出来る機構を入れてみるとか。
●たとえば、普段は車なのだけど、ボタン一つで翼が生え、機首が変形して飛行形態になる機構を入れてみるとか。
●たとえば、空中でドリフトしながら飛ぶヘンテコ能力を備えてみるとか。
●たとえば、空中浮遊して360°自由に動き回りながらレーザーを発射するUFOを作ってみるとか。
●たとえば、より見た目にこだわったクールな機体を作ってみるとか。
飛行機ひとつ取っても、アイディア次第で様々なモデルを作ることができます。
もちろん、飛行機に限らず、どんなモデルを作ろうがプレイヤーの自由です。
険しい山道をガンガン登るオフロードカーも良し、サーキットを早く走るレーシングカーも良し、砲門をつけまくった戦車も良し、
ジョイントの力で歩くモデルも良し、モーターでプロペラを回すヘリも良し、水上を滑走するジェットスキーも良し、
ボールを放り投げることができるアームを持ったモデルも良し、ボールを乗せて運搬できるモデルも良し、
何の能力も無いただの置物も良し、何が何だか分からない謎の物体も良し、
とにかく何を作ろうが自由で、どう動くか決めるのも自分です。
何度も重ね重ね言いますが、こういった様々なアイディアを実現させてくれ、その動作を楽しませてくれるキャパシティが
このパネキットという作品には確かに在ります。
-------------------------------------------
その他の細かい点…
【良い点】
●ロードが非常に短い。モデルのセーブやロードに至っては、無いに等しい。
●説明書やチュートリアルが非常に充実していて親切。さらに、フィールド内にたくさん存在する看板には、
モデル作りのヒントがいっぱい散りばめられている。初心者も安心。
●音楽が良質。ハデさこそ無いものの、パネキットの爽やかな世界をよく表している快適な曲多数。
●モデルに説明文を付けられる。コントローラーのボタンなどを表した絵文字も使え、とても見やすい。
●モデルが転倒した等で身動きが取れなかったりしたときに、セレクトボタンで一発復帰でき、この時にモデルの方向なども変えられる。
壁にぶつかったり、急カーブを曲がり損ねたなどのとき、イライラする復旧作業をせずに済み、地味に便利。
●そのたいへん優れたゲーム性から、発売後10年以上経った今でもなおファンにプレイされており、自作モデルなどがインターネットを
中心にして公開・配信されるなど、今なおパネキットの世界は発展し続けている。
【悪い点】
●特定条件下で、若干処理落ちする。
●モデルが完全に水没したまま脱出しないと、数秒後に強制的に地上に戻される。このため、水中散策だけは難しい。
水中散策要素まであれば、『神ゲーを超えた何か』になれたかもしれない。非常に惜しい。
●あまり厳しくはないが速度上限が存在し、極端に速いモデルは作れない。
(ただしこれは、最高速が無限にあったら、誰もが性能重視のモデルばかり作り、モデル作りのバリエーションが
減ってしまうことにも繋がりかねないため、良い設定だとも言える)
●パーツ制限数100個というのは、創意工夫意欲を燃やす要因でもあるが、『もっと使えたらいいのに!』とヤキモキすることもしばしば。
●音楽は素晴らしいけど、効果音はショボい。これはほんとにオモチャみたい。
●モデル説明文で使える漢字が少ない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こうした細かい欠点もあるのですが、はっきり言ってこんな些細な点なんてどーでもいいぐらい楽しい作品です。
『ここがもうちょと良かったらもっと良い作品になったのにな』ぐらいの感覚です。
-------------------------------------------
【総評】
工作魂と少年のようなワクワクを持ってる人なら誰もがハマる、非常に優れた自由度を持つたいへん素晴らしい作品。
逆に、工作魂も少年的ワクワクもどちらも皆無な人は、この作品で楽しめることは無いと思います。
万人にオススメできるわけではないけれど、『作るのが好き』『自分が作ったものが動くのは楽しい』という
感覚がある人には、あまねくやってみてほしい作品です。
これは、未来に残したい作品です。
未来の少年たちにも、ぜひプレイしてみてほしい作品です。
一時はプレミア化して20000円以上が当たり前の時代もありましたが、現在はゲームアーカイブスで600円で
ダウンロードすることもできます。
たとえ6000円のフルプライスだとしても、僕はオススメしたいですが。
とても長いレビューになってしまいましたが、これでもまだ書き足りないぐらいです。
読みづらいところも多々あったと思いますが、まだこのパネキットをプレイしたことが無い方に、少しでも
魅力が伝わったら幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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GOOD!
【オリジナル】5
これまで「組み立て」というと、形の決まったパーツとパーツという組み合わせしかありませんでした。しかし今作「パネキット」は、パネルというパーツを無数に組み合わせ、好きな形を作り、それにタイヤ・ジョイント・モータなど様々な機能を持つパーツを取り付け、車に始まり、ボート・ロボット・ヘリ・飛行機など、なんでも作ることが出来るようになってます。
【CG】3
パネルとパネルが重なるとき、両方のパネルがグチャグチャに映されてしまうこともありますが、フィールドはすごく綺麗で、5つの島・海がすべてつながっています。なので飛行機一つあれば、すべての島を遊覧っすることなども可能です。(ゲーム内でワールドツアーという競技もあります)
【音楽】3
意外と壮大なものがあります。また海を飛行中に、島の領海が変わると音楽も変わるので、だいたいどの辺りにいるのか目安にもなります。
【熱中度】5
熱中度は5ですが、これは5の人と、0の人がいてもおかしくありません。
パネキットには、現実世界の多くの知識がある程度必要です。また、トライ・アンド・エラーが基本なのでそういう試行錯誤の繰り返しが苦手な人はおそらくハマれないでしょう。
【満足感】4
PS版からやっていましたが、これが家や、出かけた先でゴロゴロしながら出来ると思うと、それだけで満足です。
【快適さ】2
このゲームに快適さを求めるのはどうかと思います(笑)
快適というよりは、苦労を重ねた末に、飛行機がまっすぐ飛んだことに対する
快楽ならあります(笑)
【難易度】4
万人受けするゲームでない理由として、やはりその難しさと、自由度の高さというのがあると思います。例えばパネルを飛行機の形にして、ジェットをつければいいというものではありません。ヨー・ピッチ・ロールなどの知識を踏まえ、その動作をするためのジョイントなどの角度や、ボタン割り振りなど、いろんな視野から見ていかなければいけません。
BAD/REQUEST
・CG
パネル同士が干渉すると、その部分がグチャになります。ゲーム上問題はありませんが。でも車だとすれば、走らせているときに車体がチラチラしてしまうので、気になる人は気になってしょうがないかもしれません。
・満足度
パネル制限をせめて200枚にしてほしかった・・・。
コア・その他パーツを含め200枚というのは少なすぎる。おかげでハリボテみたいになってしまった。
200枚以上になってくれれば、もっと大きな作品や、性能の良いものができて、
夢がひろがりんぐ。
・快適さ
エディット画面が若干使いづらい。
あと、フィールドでの視点変更がほしかった・・・。
メニュー開いて調整するのは少々面倒。コレに関してはPSPのボタンが少ないせいもあるので、なんともいえませんが・・・。
・難易度
パーツ集めが面倒です(笑)世界が広すぎるおかげで、小さなパーツボックスを見つけるだけでも大変ですし、また一筋縄では取れないような場所にも置かれているので、あるていど性能のいいマシンを作らないと取りにいけないなんてこともあります。
あとは競技Lv2の難しさ。(Lv1でも難しいところもありますが)
しかし競技をクリアすることが目的でもあるので、目標があってやり甲斐があります。
COMMENT
無限工作おもちゃばの異名を持つパネキット。
「無限」とつくものには、たいていろくなものがないような気がします。
「パーツの組み合わせは無限大!君だけのマシンを完成させろ!」とか、
「お前達には無限の可能性があるんだ!」とか。
しかしパネキットに関しては、本当に無限といっても過言ではないと思います。
個性がしっかりでる作品です。しかし万人受けするゲームでないことは明らか。
カルネージハートポータブルなどにハマってるひとは、高確率でハマれるんじゃないでしょうか?
アーカイブスということで、安く手に入るので、やったことのない人でもぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。
そしてクリアという概念に囚われることなく、自由の世界へ旅立とうじゃないですか!