セカンドノベル ?彼女の夏、15分の記憶?
中央値: 70 Amazon点数: 4.2
スコアーボード
標準偏差 19.79 (難易度) 1.50 mk2レビュー数 4ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 2pt | 2pt | 1pt | 3pt | 1pt |
44pt
GOOD!
・オリジナリティ
最初はおぼろげにしか作れなかった物語が、あらすじや選択肢を作る事を重ね、その結果として一つの物語になる(時にまた新しい物語への起点となる)ことは、かなり独創的なシステムと言えるかと。
スキップも非常に早いため、同じ話を何度も巡ってもそんなにストレスは感じないのもポイント。
・ファーストノベル
物語をある程度完成させると、「ファーストノベル」という本編の世界観を下敷きにした本編と独立した短編が読めるようになるが、その執筆陣の豪華ぶりは特筆すべきかと。
むしろその部分はおまけにするよりは、文庫として販売した方が良かったと思うのは(PSPの縦持ちだと結構読み辛いため)贅沢な悩みだろうか。
BAD/REQUEST
・熱中度
基本がストーリーを読む→新しく現れたシーンのあらすじを作る、或いはそれを基にして選択肢を作る→ストーリーをまた読む…の繰り返しで、また物語を進める手順も一本道であるため(途中あらすじカードの抜けがいくつか出てくるが、後のセクションまで進んだ段階で埋まるものもあるので気にせず進めよう)、人によっては集中力を保つ事が難しくなり、熱中度を低く感じる事があるだろう。
・音楽
何故か音量が低いため一部の音楽以外は聴こえてる事に気づきにくく、そのためいまいち印象に残りにくかった。
・物語の真相について
物語の主軸の一つとなるのは「5年前のユウイチの投身自殺」だが、それについての真実は劇中で語られる事がなく、そもそも語り手であるがユウイチにそこまで深く関与していない直哉にも、後を追うように事故に遭い記憶障碍を伴うようになった彩野にもわからないため、プレイヤーに5年前の真実は結局明かされず終いのまま、という所は人によっては消化不良に感じるだろう。
物語の一応の一区切りとなるSection7を終わらせ、残りのSectionを全て埋めたとしても決してその謎は明かされる事もなく、ただプレイヤーに「その後の物語」を書く事を丸投げしているのだから。
「物語」から考察するにしても、「真実」と照らし合わせる事によってその狭間にある人物の動向や感情が見えてきて考察できるのだから、ノベライズなり何なりで補完してくれたほうがこちらも消化不良を感じなかったかもしれない。
COMMENT
PSP-3000型使用。
1周で完結している物語であり、2周目に「真実」が明かされるなどの要素はないため、「真実」を知る事には期待せず作られる「物語」を読んでいく、というスタンスで接した方が評価を変えられるかもしれない。
全ての物語を読み終えるまでで12?13時間くらい掛かる(なお一応の終わりであるSection7までは10時間程度掛かる)ので、積んでいる方は攻略記事を書いているブログを見つけ、それを参考にしてクリアし、積みから崩すとよいだろう。
考察するにしろ何にしろ、とりあえずは「真実」の公式による何かしらの形での補完が求められるのだが。
(ここからはクリア後に読む事を推奨)
俺の推論としての「ユウイチの死についての仮説」はこのようになる(所詮仮説であるので鵜呑みにせず、自分なりに私論を組み立てる参考程度にどうぞ)。
「ユウイチがある人物から送られた「物語」に何故かうろたえていた」「ユウイチは病院を何故か避けていた」「アヤノが「家出」をし、アヤノの父が事故死した頃からユウイチの家庭の夫婦仲が悪化した」ことを前提条件に仮説を組み立てるとこう説明が付く。
1)ユウイチとアヤノは異○○○である(ユウイチは何らかの形でアヤノの父の真実を知ってしまった。それ故「送られた物語」にうろたえ、病院に行く事を(注射も含め)嫌う所と関連がある)
2)幼い頃のアヤノの「家出」をモチーフにした「物語」で、アヤノの父の身体的な特徴を知りユウイチは自分の出生の秘密に確信を持つ
3)アヤノの父の死後、直接的な関係がないであろうユウイチの家庭の夫婦仲が悪化し始める(おおかた「過去の過ち」をいつか何らかの形で告白せねばならない事におびえてか)
4)高校の頃にはユウイチはアヤノと異○○○である事を知ってしまい、その頃に知り合った友人であるナオヤにアヤノを託す事で、アヤノの自分への想いを断ち切らせようとしていた
5)その頃ある人物の死とそれに伴う精神の混乱で、アヤノがナオヤを振った(とナオヤは思い込んでいる)事をユウイチは知らずに、2人の仲を取り持とうと画策
6)そしてユウイチはふとしたことから親しくなったユカリと関係を持つ事で、自分のアヤノへの想いを断ち切ろうとしていた
7)しかし、ユウイチはユカリと関係を持ってもアヤノへの想いを断ち切る事はできず、アヤノはナオヤの事など眼中に入らずユウイチへの想いのみが膨らんでいく
8)ある夏の日、ユウイチはユカリとの関係を清算し、そして自分とアヤノの本当の関係を告白し自分の想いも打ち明けようとした
9)だがユカリとの最後の別れの際、口づけを交わしていたところを目撃される
10)そうとは知らないユウイチは屋上でアヤノに自分達の関係の真実と、自分のアヤノへの想いを告白するが、当時服用していた薬の副作用で攻撃的な部分が出るようになったアヤノはそれを拒絶、ユウイチとの取っ組み合いの果てにユウイチを突き飛ばし、屋上から転落させてしまう
11)1週間後、我に返りユウイチの死の話を聞いたアヤノは罪悪感に囚われ、後を追い飛び降り自殺を図るが生き延び、記憶障碍を患うようになった(無論当時に関する記憶はアヤノの都合の良いように改竄され、それがゲーム内で作られた「物語」の基幹となっている)
Amazonレビュー
レビュー者: 宗方 レビュー日: 2011-12-08内容については皆さん仰られているように、ちょっぴり切ない考察系の作品です。
細かい点(表示の変化等)に注意を払っていないと主人公を誤解させるようなところもあるので、いろいろと考えながらプレイする必要があります。
そして最後までやっても明快な解答は得られませんが、私の場合、不満はありませんでした。
なぜなら、考察するための十分な材料が揃っていたからです。
それらを元にすれば、プレーヤー一人一人が答えを出すことができ、セカンドノベルの物語を創り出すことが出来るでしょう。
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GOOD!
・ストーリー
始めは淡々と進んでいく感じですが、中盤以降は序盤を補って余りあるほどの盛り上がりを見せてくれます。
終盤の伏線回収も素晴らしく、さらに、その伏線の張り方は本当に自然で、見事でした。
また、小説や漫画では不可能なゲームならではの仕掛けがあります。
ストーリーはいわゆる考察系のもので、ゲーム中で全ての真相が明かされるわけではありませんが、考察の材料となるものは充分に与えられていると言え、このようなタイプが好きな人はクリア後も充分に楽しめるでしょう。
・キャラクター
全体的に地味ですが、むしろ、この方が物語の雰囲気に合っていると思います。
・グラフィック
いわゆるギャルゲー系のゲームでは珍しいタイプかもしれませんが、柔らかい感じのタッチはストーリーに良く合っていると思います。
・システム
ロードはあまり気にならず、スキップは速いです。
この作品の特徴といえる「フラグメントモード」については、詳しくは公式サイトを見ていただいたほうが良いと思いますが、簡単に説明すると、記憶が短時間しかもたないヒロインの話す物語の続きを聞いていくために、ヒロインの記憶が途切れるごとに、プレイヤーが物語のあらすじやキーワードを書いたカードを選択するというものです。
この作業を通してプレイヤーが主人公と同化できるようになっており、システムと物語を上手く融合させることに成功し、物語に参加しているように感じられます。
また、難易度もなかなか絶妙で、ストーリーの展開が分かっていればほとんど苦労することのない難易度です。これにより、自分がストーリーの展開を理解できているかのチェックも出来ますし、分かっていない部分があったとしても簡単に物語を遡る事が出来るようになってます。
ただし、終盤は少々難しいかもしれません。
・サウンド
地味な印象の曲が多いのですが、場面場面での選曲が絶妙で、物語によくマッチしており、絶妙な雰囲気をかもし出しています。
BAD/REQUEST
・ストーリー
先に述べたように、中盤以降の展開を際立たせるためなのかもしれませんが、序盤が少し退屈です。
また、これも先に述べましたが、物語の真相は全て明かされるわけではなく、自分自身で物語の中に散りばめられた材料を元に考察していかねばならないため、真相が明かされないと気が済まない人には確実に向いていません。
・グラフィック
一枚絵で、体の構造がおかしく見えるものが少しありました。
・システム
フラグメントモードが後半になると少し面倒になるかもしれません。
また、ヒロインの記憶が途切れたら、話がストップするという仕様のため、盛り上がっている場面でいきなり中断されることもあります。
・キャラクター
これも先に申しましたが、華やかさがあまりなく地味です。
・サウンド
キャラクターボイスや音楽の音量が全体的に低く、PSP本体の音量をある程度上げる必要があります。
また、フラグメントモードもフルボイスにしてほしかったです。
COMMENT
PSP-3000でプレイ、特典小説は評価に含んでいません。
シナリオの深沢豊さんの前評判を聞いて購入しました。
私自身はかなり楽しめましたが、ストーリーからシステムまで全体的に非常に癖があり、好き嫌いがかなり分かれる作品で、恐らく、PSPオリジナルのソフトの中では一番の怪作と言えると思います。
エンターテイメント性よりもメッセージ性がかなり重視されているのもその一因でしょう。しかしハマる人はとことんハマります。
以上のような理由で体験版のプレイを強くお勧めします。
最後に、理由は言えませんが、プレイする方は主人公を含めた全員のボイスをONにすることをお勧めします。