GOOD!

・グラフィックス
ここは掛け値なしに「素晴らしい」と評価できるところだろう。立ち絵・背景画・一枚絵の全てでPSP有数の美しさを誇っているため（PSPだと解像度の都合でぼやけて見えることも多いことを鑑みても尚更に）、ビジュアル面に重きを置くプレイヤーはそれだけで購入の理由にしても良い位だ。
・移植において変化した所
正解の選択肢を取るまでいつまでも先に進めず、「作業」と評されていたバトルパートがRPG風のアクティブタイムバトルに変化したことが挙げられる。
といっても必勝パターンも存在しており、通常のパーティー戦なら
?カリーナ、アニエス（順不同）→レスターの順でコンボ
?ニック、チェルシー（順不同）→レスターの順でコンボ
を繰り返すだけで特殊なバトル（例:「青き氷花を求めて」のように、敵が花びらを全て出し終わった後で攻撃しないと逃げられてゲームオーバー。すなわち花びらを出し終わるまでは何もしないでいればいい）以外なら必勝できるので、心配は無用。
仮にゲームオーバーになったとしてもその戦いの最初からやり直せるので、勝利できるまでやり直せばいいのだから。

BAD/REQUEST

・快適さ
立ち絵が最大で5人分登場するためなのか、立ち絵が会話の途中で変わるなどの演出のためなのかはわからないが、ディスクの読み込みが多く、また音声再生の際にタイムラグが生じる事も多い（またデータインストールもない）事は気になって仕方なかった。
またセーブデータが何故か30までしか保存できなかったり、CVをオフにするためには一度そのキャラのCVを聞いた後でないとオフに出来なかったりといった謎仕様も含め、快適さを低くせざるを得ない。
CVを全員分オフにして、エフェクトもオフにしておくと読み込みがかなり軽減されるので、読み込みが気になるプレイヤーはこれらを行ってプレイする事をオススメする。
・バトルパートについて
RPG風のアクティブタイムバトルに変化したのだが、パーティー戦では前述した必勝パターンにもつれこめば大半の相手に楽勝でき、また戦いを重ねてもキャラクターのHPも攻撃力もずっと上がる事がないため、PC版とは別の意味で作業感が強くなっていたことも確かだ。
バトル及びクエスト（バトルのないものも含めて。「モンスター退治から買出しまで」何でもやるとは言えど、それらで得た経験は決して馬鹿にならない）の報酬として経験値を獲得でき、それに伴ってクラン全体のHP、攻撃力も上昇してバトルに有利になるなどの要素もあったほうが、単純に周回で有利になるという実利だけでなく、「冒険している」という実感もわき、主人公の強さにも説得力が出ただろうし（日々クエストで実戦を積み重ねてその結果として成長しているのならば、アイテム技師らしからぬ強さも判る）、コンボ数に応じて経験値にボーナス、などの形でコンボの要素も活かせたのではないだろうか。
・ストーリー
不快になるキャラクターがほとんど存在しなかった事などは評価対象になるが、主人公のあまりにも万能・持て囃されぶりがPC版時代から何も変わっていないことは人によっては「気に食わない」と感じるだろう。
また肝心のストーリー自体、前半は選択ほぼ固定のクエスト→小イベントの繰り返しなので話がぶつ切りに感じ、後半ヒロイン別のルートに入るとラストに至るまでの話が異様に長いため、人によってはそれだけで熱中度が下がる事もあるだろう。

COMMENT

PSP-3000型使用。
グラフィック面が優れており、また不快なキャラクターがほとんど存在しないため、ギャルゲーの経験の少ない人にオススメできる内容ではある。長さも攻略可能キャラ4キャラ、1ルート10時間程度（2周目以降は4?5時間程度）と手ごろなボリュームなのだし。
ただし読み込みがかなり多いことや、バトルパートがPC版とは違った形で作業感が増しているため、それらを気にする人やPS2の「はぴねす！でらっくす」が肌に合わなかった人は、回避して別のゲームを攻略した方がいいだろう。