PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

◆オリジナリティ
軍神システムや、各キャラクター毎に設定されたナンバーに該当した攻撃種を持つ武器を利用することによるキャラ強化、ステージ毎に決めるエース（リーダーのこと）によって恩恵を受けるクラスが出てくるなど、独創的で非常に面白いシステムだと思います。

◆シナリオ
大筋としては主人公属する被支配民族による解放闘争が主眼となっている為、シナリオは暗くシリアスな内容となっており、支配民族側の主人公達への露骨な差別や蔑視等、よく表現されていて良かったです。ちなみに演出はタクティクスオウガによく似通ってたりします。
個人的にはタクティクスオウガやヴァンダルハーツ2等の重めな話が好みだった為、この手のシナリオは大歓迎でした。

BAD/REQUEST

◆活かせきれていないオリジナリティ要素
既に他のレビュアーの方も指摘されておりますが、射程無限のランダム対象攻撃の軍神システムは、敵だけでなく味方にまで効果を及ぼす致命的なデメリットがある為に非常に使い辛く、最終的に空気となります。
キャラ毎に設定されているナンバーとそれに該当する武器装備についても、キャラのステータスを見てナンバー確認→ショップに行き武器購入→装備までのプロセスが非常に面倒な為、序盤はともかく中盤以降は苦痛になってきます。

◆中途半端なシナリオ
序盤は民族闘争が主体のシナリオで中盤以降から様々な組織や思惑が絡んでくるのですが、それらが上手くまとめきれないまま終わってしまいます。
タイトルにもなっているグングニルと主人公を観察する為についてきたエリーゼは終盤には空気化します。
主人公が選んできた選択肢によってエンディングは2通りに変化しますが、そのどちらもユーザーの納得のいくエンディング内容では無いと思います。伏線の回収も無ければ主人公達の境遇・未来への希望も大して感じられません。何の為の戦いだったのか。
まるで続編ありきのような終わり方をしています。別ゲームですが、空の軌跡FC→SCの流れを一瞬思い出しました。

◆バトル面
ステージ内の建造物や障害物が大きい上に高低差がある為、キャラが見辛く、攻撃の為のライン取りが極めてやり辛いです。
敵撃破時のドロップアイテムやクリスタルはアイテムが落ちたマスに移動しなければ回収できない仕様の為、回収作業が非常に面倒です。何故、敵撃破時に自動取得にしなかったのか。
盾のガード率がかなり高く、正面・側面からの攻撃が殆ど通用しません。中盤?終盤では一人が通れるだけの一本道の奥に盾持ちの敵が壁を背にして構えていうる、というシチュエーションが多くなり、必然的にガード不能攻撃可能な魔法使いキャラを起用せざるを得なくなります。戦術の幅という意味ではバランス取りは微妙と言わざるを得ないです。
クリスタルを使った武器強化等、やり込み要素はありますがフリーバトルがない為に実質意味を成していません。

◆見辛いインターフェイス
キャラクターや武器のステータスのインターフェイスはゴチャゴチャと情報を詰め込みすぎた感があり、非常に見づらかったです。

◆メッセージ一括表示不可
STiNGのゲームはみなそうですが、メッセージの表示速度の変更が一切できません。その為、台詞がだらだら表示されきるのを待つかたちになる為、地味にストレスが溜まります。一応、メッセージ表示中に○ボタンを押すことで一括表示ができますが、そういう配慮が出来るのなら最初からオプション設定内に組み込んでおいて欲しいです。

COMMENT

STiNG製作の重めシナリオのSRPGということで購入しました。
基本的なシミュレーションバトルの内容やシナリオ自体は面白いのですが、上記BADに記載したドロップアイテムの回収作業や劣悪なインターフェイス等、それら長所を台無しにしてしまうほどのユーザービリティの欠如が目立つ、何とも惜しい作品です。
エンディングの中途半端感からいっても本作は続編ありきなゲームなんでしょうね。
続編があるのなら、BAD面を大幅に修正したうえで出して欲しいものです。
特にメッセージ一括表示。