PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティー
漫画のコマ割のように躍動感のある変形ウインドウ
章ごとにホラー、ヒューマンドラマ、ネットなどのストーリーの違いはもちろん、背景の色合いや実写映像、モノクロなどの映像表現まで異なり、新鮮な気持ちでプレイできる

・サウンド
タイプライターを打つように軽快な音でカタカタと話しだすキャラクター、音楽はオシャレでOPのテーマソングが気に入ればゲーム全体のBGMは耳にすんなりなじむ

・ストーリー
エヴァンゲリオンのようにあえてちりばめられた謎を自分で考えたい（中盤からは、起承転結を守らずにストーリーが進む）
押井作品のように独自の世界観の裏に道徳や哲学などのテーマが投げかけられているストーリーが好き
タランティーノ映画のように人間味のある遠回しなセリフと強烈な個性を持ったキャラクターがたまらない
こういった嗜好をお持ちの方は、プレイして損はないだろう

BAD/REQUEST

・熱中度
主にサブシナリオ。本作はメインシナリオが6章、そのメインシナリオを別の人物、別の角度から紐解いていくサブシナリオが用意されている。
しかし、メインシナリオほど躍動感のある映像表現はなく、単に自室、コンピュータで情報チェック、目的地移動へのロードの繰り返しとなる。話もメインの後追いだけの流れもあるため、もう少し削れないかと感じた。
（メインは一章につき1時間半?2時間半、サブは1時間?1時間半。それでもサブのほうが体感時間は長く感じた）

・快適さ
メインは主に会話を進めるアドベンチャーパートと、聞き込みや謎解きを行う主観視点の探索パートに分かれている。
アドベンチャーパートは従来のアドベンチャーゲームのように選択肢によるフラグ回避などは損差ない。そのため探索パートでいろいろコントローラーを操作したり、謎解きしたりすることが逆にテンポを生んでいる。
ただし、後半からはただ単に同じ行動を繰り返すために探索パートに移行したり（サブシナリオはほとんどそう）、広大なフィールドをただ移動するだけの面倒な要素も多々ある。

COMMENT

ゲーム業界の奇才、須田剛一氏がグラスホッパーを立ち上げて制作した一作目ということもあり、2012年から見てもかなり奇抜で、驚きの多い作品である。
しかし、根底には原始的な人間の感情などを問うようなテーマ性があり、謎解きも説明書にほぼ解答が載せられているため、多少のグロテスクやカルト要素に耐性のある人には勧められる。
蓋を開けてみれば純粋な話だけを追うアドベンチャーだが、それでも世界観に魅力があるため、最後まで固唾を飲んで私はプレイできた。