PSP mk2 :: 勇者30 レビュー

勇者30 レビュー

発売元	マーベラスエンターテイメント（オフィシャルサイト）
発売日	2009/05/28
価格	4,410（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：超速ＲＰＧ ■ プレイ人数：1?4人

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
5pt	4pt	4pt	4pt	5pt	5pt	5pt

総合点
92pt

GOOD!

「勇者30」は勇者30、魔王30、王女30、騎士30の4つのモードで描かれるスケールの大きな物語。
フランクな女神様をはじめとして基本はおちゃらけたノリだが根幹はシリアスな話がとおった作品。
開発者の「RPGの王道を短時間で体験したい」という欲求から作られたフリーゲーム「三十秒勇者」が元となっています。

●オリジナリティ
★まさに「超速」！新感覚RPG！
「王道イベントを短時間で」「それでいてRPGのゲーム性を保ちつつ」「戦闘を短縮」を追及したゲーム。
各面30秒を目標に、人助けしたりしなかったりお使いしたり仲間を増やしたりバイトしたり
魔王を助けたり宝探ししたり女の子と出会ったり分かれたりゴロツキを退治したり
RPGの「お約束」を逆手に取って面白おかしく、時に真面目に冒険するのがとても楽しい。
各モードでシナリオがつながり、最後の最後で全員が結集して
諸悪の根源を倒すという王道展開にはお約束なのに胸がジーンと来る

■トライ＆エラーを可能とするシステム
エンカウントの頻度や出現敵種類に法則があり、ランダム要素が極力排されています。
これにより「同じ手順なら同じ展開になる」というＲＰＧに珍しいトライ＆エラーが可能になりました。

■「王道」であって「パロディ」でない点
展開は王道RPGを踏襲しており、登場キャラクターの言動も不真面目で面白おかしいものだらけですが、他作品パロディの類いは一切出していません。
あくまで「勇者30」というオリジナル作品だという姿勢をとっています。
（私の好きな他ゲームで言うならば「勇者のくせになまいきだ。」のようなメタ・パロディありきの作風とは真逆です）

●グラフィック
ゲーム本編中、イベント時の一枚絵以外は全てのグラフィックが荒めのドット絵。
そして本編を進めるほど解禁されるギャラリーでは著名なデザイナーによる美麗イラストが閲覧できます。
「荒いドットを、設定資料を元に妄想する」というレトロゲームな要素に味があります。

●サウンド
著名なサウンドクリエイター陣による名曲の数々が王道展開をさらに感動させます。
クリア後にいつでも好きな曲を流せる「サウンドプレイヤー」機能が解禁されるのも嬉しい限りです。

★熱中度
■サクサク遊べる軽快なテンポ
時間の巻戻しを使っても、1ステージ分クリアするのに3分程度しかかかりません。
「あと1ステージだけ・・・」とついつい止め所を失ってしまいます。

■公式でタイムアタック推奨
イベントステージを除いて、全てのステージが時間巻戻し無し（＝正味30秒）でクリア可能です。
発売当初はタイムアタックランキングと言うものがあり、まさにコンマ1秒の争いでした。

★満足感
■３０秒で大作ＲＰＧ！
開発者の「短時間で大作ＲＰＧを遊んだ気分になれる」という基本思想を見事に達成しています。

■遊びごたえのあるサブゲーム
魔王30・王女30・騎士30というジャンルの違う骨太のサブゲームが楽しめます。

●快適さ
■ロード皆無
ロードはゲーム起動時の一回のみ！
スピード最重視の本ゲームに相応しいロードと言えます。

■ユーザーの声を取り入れた作品
開発中の早期に体験版を配布しており、その際に出たユーザーからの改善要望の多くを採用しています。
ゲーム中の駆け引きを熱くする最重要要素である「ダッシュ」も、この改善要望から生まれました。
ちなみにスタッフロールでも膨大な量のスペシャルサンクスが流れます。

■メインゲーム1つ＋サブゲーム3つの作り分け
勇者30はトライ＆エラーで試行錯誤しないとクリアや分岐開拓自体ができませんが、
他のモード（魔王30・王女30・騎士30）は低評価覚悟で突っ込むとゴリ押しでもクリアできます。
それでいて他のモードもノーダメージやタイムアタックに挑戦するとかなり難易度が跳ね上がる作りになっています。

BAD/REQUEST

■ギャラリーのイラストが無いキャラが居る
全員描くのが不可能なのは分かります。
1話限りのモブ仲間・モブ魔王が多いため、キャラ総数は膨大です。
しかし「このキャラこそ美麗グラフィックで見たかった」という人物も多かったです。
モブ仲間・モブ魔王にも分け隔てなく絵が用意されているのは好感が持てますが、
毎話出るようなレギュラーキャラや主人公の人生に関わるような重要キャラの中にも
画像が用意されていないキャラが見られるのは「惜しい」としか言いようがないです。

■秀逸なのに遊ぶ相手がいない通信対戦モード
アドホック通信対戦が実に面白い。
本来1人プレイの「勇者30」を、2?4人で共闘＆妨害する新しいゲームに作り変えています。
ドカポン調で大変面白いゲームではあるのですが、正規の方法ではネット対戦もできないため4人も集まらないのです。
せめて1人プレイでもＣＯＭ戦闘できるような配慮が欲しかったです。

■宣伝が残念
当時放送されていたテレビＣＭが実写俳優をコスプレさせた「何が伝えたいか分からない」という残念なものでした。
発売直前になってようやくプレイ動画メインのＣＭを流していましたが、短い期間でした。