PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティー
アクションゲームでありながらRPGのような積み上げていく要素があるところ。装備の獲得や強化が所謂レベル上げに近く、達成感が得られます。それに、装備も非常に多種多様でボリュームがあり、純粋に機能性重視のものからネタ系、お色気系まであり、収集する楽しみが大いにあります。

また、デビルメイクライのような一対一で武器だけを用いて正面からぶつかるというようなスタイルではなく、勝つためならアイテムでも罠でも、あらゆる手段を使って強敵に挑むというスタイルも新鮮です。これが「モンスターハンター」最大の魅力ではないでしょうか。

・ロードの速さ
新型PSPを使っていますが、メディアインストール・BGロード無しでも（キャッシュメモリはON）結構速めです。

BAD/REQUEST

・カメラ
カプコンのアクションゲームでは最早恒例となっていますが、カメラワークが劣悪。初期のデビルメイクライ並です。カメラが障害物に潜れないようになっているので、壁際だと強制的に上下左右に移動します。おかげで状況が分からず、追いつめられると非常に危険です。これのせいで常に壁から離れて戦わざるを得ません。マップ表示が粗く汚く見にくいということもあって、怒った敵から逃げるのに一苦労です。また、PS2と異なり右アナログパッドが無いせいで、カメラ操作がやりにくくてしょうがない。左手親指でアナログパッド、左手人差し指で方向キーという奇怪な構えを強いられます。慣れればそれほど気になりませんが、時々上下アングル変更が暴発します（ロー・ハイアングルだと遠くが見えにくい）。ロックオンなどの機能を入れるべきだと思うのですが。

・オトモアイルー
弱いです。成長が遅いし、上限もあまりに低い。せいぜいおとりか笛による補助ぐらいにしか使えません。おまけにAIもバカ。臆病や攻撃しない性格の癖に敵に突っ込んでいきますし、高速で空飛ぶ相手に向かって爆弾を投げようとしますし（おかげで爆弾系のは雇用してません）、ボウガンの射線にニャーニャー言いながら割り込んできて妨害しますし。毛並みの色を変更できないのも気に入りません。

・ポッケ農場
新要素解禁が遅すぎます。採掘や虫取りはまだしも、釣りは本当にめんどくさい。一気に採取できる要素ぐらい序盤から出すべきでしょう。

・ザコの出現
トカゲ系の援軍やブタの八つ当たり、イノシシ・ヤドカリの高速ストーキング、そして麻痺バチの無限湧き、本当に鬱陶しい。雑魚のわりに妙に硬い奴もいますし。飛竜など体力の大きいボス戦だといちいち駆除なんてやってられません。特に納得できないのがランゴスタ。高台ハメ防止、というだけならまだ分かりますが、それにしては索敵範囲が異常なほど広く、かなり離れてもしつこく追ってきます。こんなものが無限に出現するのですから本当に頭にきます。

・操作性
キャンセル操作ができない、後方回避ができない、回避の無敵時間が非常に短いなど、プレイヤーの基本性能があまりにも低すぎます。スキルで補えるものの、つけることが当たり前で、つけたら楽になるというものではありません。しかもスキル枠が少ないため、ごく限られたものしかつけられません。初心者には非常に厳しい。

また、ボウガンの照準の移動が大雑把過ぎて、ちょっとキーを押しただけで一気に動いてしまいます。おかげで照準を合わせるのに時間がかかり、ただでさえ短いボスの隙を突いて部位破壊をするのがかなり困難です。高台からじっくり狙撃すればできるのですが、前述のランゴスタが大いに邪魔になります。

・ありえない敵の性能
「何で明らかに突進を回避したのにダメージを喰らうんだ？」
「何でボスは障害物をすり抜けられるんだ？」
「何でこっちはボスの死角に入っているはずなのにこちらの居場所がわかるんだ？」
「何でザコが縄張りを侵したプレイヤーを攻撃してくるのに、同じ事をしたボスには攻撃しないんだ？」
「何でヤドカリやトカゲやイノシシがプレイヤーが進入不能な灼熱の溶岩の上を平然と歩けるんだ？」
「何でプレイヤーには当たり判定のあるボスの攻撃が、ザコには判定なしなんだ？」
「何でボスは弱っているはずなのに何度も怒る気力がどこにあるんだ？」
「何でボスは怒って冷静さを失っているはずなのに正確に攻撃をしてくるんだ？」

などと怒鳴りたくなるような理不尽なこと尽くし。「難しい」のではなく、単なる完成度の低さに尽きます。まともな調整をしてください。

・苦労の対価の無さ
レア素材の出現率があまりにも低すぎます。冗談抜きで出現率5％以下とか一桁確率があります。しかもそれを部位破壊報酬にも適用されるのだから鬼畜としか言いようがありません。苦労して強敵ティガレックスの頭を叩き割っても頭骨の出現確率一桁などと言われた日には、一気に白けました。こんなので熱中できる人なんているんですか？また、クエスト報酬金額も少なすぎです。装備生産資金を得ようと思うとかなりの数をこなさなければならず、ひたすら作業の繰り返しです。まともな金額をもらえるクエストだと最速でも二十分はかかります。それが何十と続くわけですから、余りあるボリュームの「やりがい」を超えて最早地獄の「荒行」です。

・制限だらけ
プレイヤーの技術のなさを装備で補おうとしても、強化がすぐ頭打ちになります。ちょっと強化するともう現時点では手に入らない上級素材を要求されます。強敵を倒すのに必要な装備を作るのにその強敵を倒さなければならないとか、もうどうしろと？このような状況で酷い操作性、高台ハメ妨害など駄目押しがあり、短気な人、アクション苦手な人には絶対にお勧めしません。自分も何度もUMDを床に叩きつけてカートリッジを割ってしまいました。

COMMENT

大好きな声優さんがこのシリーズのファンということで買ってみました。今までにも特に「これが欲しい」という気持ちを持たずに買ったソフトでもバカみたいに面白かった作品はいくつかありましたが、残念ながらこれはその枠には入りませんでした。

総合的に評価すれば、「大いに改良の余地有り」。たしかに非常に大きなボリュームは魅力的ですが、それを上回るイライラ。新装備・要素が解禁される感覚が長すぎて、だれます。最初は新鮮さが勝るのですが、進めば進むほどやってられなくなります。もうプレイヤーの意欲を完全崩壊させるかさせないかギリギリのラインです。お色気装備をおまけとして入れている作品は結構ありますが、本作の場合、おまけではなくそれも必須要素です。そうでなければ到底モチベーションを維持できません（勝手な推測ですが、普通の男性プレイヤーは間違いなく女性でキャラクター作成をしているでしょう）。基本的なスタンスは好意的に受け取られているのだから、是非改良を加えていくべき。今のままではいくら売れていようが到底名作とは言えません。