PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

映像美は文句無くPSP作品史上最高クラスの出来だと思う。
FF7やMHとはまた趣向の違う方向性で、極めてリアルな路線。
とにかくこのグラフィックでほとんど処理落ちが発生しないのは驚愕に等しい。
音楽については特に秀でた物ではなく、いかにもアメリカ人が好みそうな壮大な感じのオーケストラ曲が多いが、古代ギリシャ風という意味では良い。

アクションが分かりやすく、旧来シリーズと比較して敵が攻撃する際の動きが大げさになり、分かりやすくなった。当たり判定の瞬間なども視認しやすくなり、ぐっと遊びやすくなっている。

ゲーム内容は短くなっているが、逆に言うと今までのシリーズが極端に長すぎたと考えても良いのではないだろうか。要所だけを重点的に絞った良い構成だったと思う。例えば昔のアクションゲームは現代的なものに比べると短かったが、何度も周回できる手軽な長さで、その雰囲気が思い出された。

BAD/REQUEST

遊んでいてサクサクと進む良いゲームだったが、唯一不満と言えば恒例となっている隠しベリーハードの「Godモード」のゲームバランスについて。Godモードのゲームバランスはどの作品もメチャクチャというのが持論で、それはこの作品にも当てはまる。

敵の攻撃力が極端に上がっているのは「ダメージを受けないようにしなくてはならない」と言う意味ではとても良いのだが、敵のヒットポイントも馬鹿みたいに上がるのがとても良くないと思う。

本作の方向性として、ハゲで筋肉ムキムキのオヤジさんが、ヨーヨーの化け物みたいな武器を豪快に振り回して敵を一切寄せ付けずにガシガシなぎ倒すというコンセプトが見て取れるのだが、最高難易度になると敵がすぐに死なないので、ちょっとばかり隙の大きい大技を繰り出してもそのまま敵が生き残って硬直を狙われ簡単に死亡できてしまう。

ならば大技を出すな、という話になるのだが、そうなると自然と出せる攻撃が限られてしまい、非常に単調な攻撃とガードの繰り返しになってしまうのだ。敵がなかなか死なない→大技を出しても生き残って反撃される→ちまちまとした攻撃を繰り返して反撃を避けるしかない→地味→単調なので飽きる、というジレンマに陥ってしまい、実に爽快感が無い。

そのため自分はGodモードはあまりプレーする気になれず、一週目をクリアーしてしまうと、多少はGodモードもプレーしては見るが、上記の通り飽きてしまって二度目は殆ど遊ばなくなってしまう。

多少理不尽でもかまわないから、敵の体力は据え置きで、数が増える（ただし一匹辺りの経験値は少なくても良い）ような方向性にしてもらいたかった。そうすればガシガシを敵をなぎ倒す爽快感も失われないと思うのだが。

ぜひ次回作では、Godモードのゲームバランスをよく見直した作品をリリースしてもらいたい。Godモードのゲームバランスのおかげですごくソンをしているシリーズだと思う。

COMMENT

かなりよく出来た作品だと感じる。難易度設定によってはオーソドックスなアクションゲーム入門編としても遊べるし、ハードコアなゲーマーにも対応するよく出来た作品。暴力表現については万人向けとは言えないが、純粋にゲームとして見ればこれ以上なく万人向けの良作だと思う。

また、世界観こそ神話ファンタジーではあるが、1980年代に大量に出回ったアメリカB級アクションや、エジプト神話をモチーフにしたハムナプトラシリーズの雰囲気が好きな人はかなり楽しめる作品ではないだろうか。その手の映画をごっちゃまぜにして、ちょっとだけゴージャスにした感じが本シリーズの雰囲気と言うのが正しいかもしれない。

ただし、根気は無いけど一度手にしたゲームはとことんまでやり尽くさなければ気がすまないという人にはトラウマになりかねないゲームなので要注意。