PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・携帯機でプレイ可能
　これがこのソフトの最大の魅力です。アーケード版（以下AC版）のようにゲームセンターに行く必要もなく、Xbox360版（以下360版）のようにテレビの前でしか遊べないというわけでもありません。どこでも気軽に遊べるという利点は非常に大きいです。

・アドホックモードによる通信
　モンスターハンターなどのようにアドホックモードに対応しており、アイテムの交換や通信対戦が可能です。

・システム改良、変更
　今一つだったAC版、360版のゲームテンポが向上しており、遊びやすくなっています。また、アイテムが集めにくかったAC版、360版とは違いアイテム入手イベントが追加されているという点も良いと思います。レッスンのミニゲームも新しいものを追加及び難易度の調整がされています。

・曲について
　既存曲の中には本作用に新録されているものもあり、シリーズを遊んだことのある人でも新鮮な気持ちで聞けるかもしれません。

BAD/REQUEST

・対戦について
　アドホックモードを介した対戦ができますがその結果がAC版、360版と違いプロデュースに反映されません。
AC版、360版のような「これで負けたら引退だ」「もし負けたらランクアップできない」という対人戦の緊張感が全くありません。

・グラフィックについて
　キャラクターのモデル自体は携帯機ということを考えればなかなかの出来だと思いますが、歌を歌うときの口パクが全くあっていないのでとても不自然です。キャラクターモデルの質を多少落としてでもこの点はなんとかするべきだったと思います。

・キャラクターについて
　前作360版に登場するアイドルは10人、本作で登場するアイドルは新キャラクター「我那覇響」「四条貴音」の2人が追加され、3バージョン合わせて12人になりました。
ところが、肝心のプロデュース可能なアイドルは360版が10人、本作が9人です。360版で追加された新アイドル「星井美希」がプロデュース不可能になっている上に、上記の2人の新キャラクターもプロデュースできません。前作で使えたキャラクターが何故か1人だけ使えなくなっている上、本作の売りの一つである新キャラクターも使えないというのはキャラクターありきのゲームとして致命的な欠陥です。

・その他
　ボタン配置が360版と異なっているため、360版を経験したプレイヤーにとっては紛らわしいです。特にオーディション時の思い出（必殺技のようなもの）ボタンが360版ではAボタン、本作では△ボタン（360版のコントローラーではYボタンの位置に当たる）になっているため間違いやすいです。

COMMENT

　前作（360版）が発売されたのが2年前なのでシステム面では当然ながら全体的に向上しており、遊びやすくなっています。360版で好評だったダウンロードコンテンツもあり、前作同様に定期的に楽しみがあるのも嬉しいです。

　しかし、BADの項目で書いた通り、前作で使えたキャラクターが1人だけ使えなくなっている（その上ストーリーモード中の展開的に損な役回りを担っているように思える）という点は前作を遊んだ人には納得できない事でしょうし、ゲーム発売前にCDを発売するなどで宣伝を行ってきた2人の新キャラクターも使えないという点も釈然としないのではないかと思います。
　
　総評としてはゲームとしては前作と比べて多少のブラッシュアップ（主にテンポ面で）がなされましたが、アイドルマスターシリーズとしてはグラフィック、キャラクター、対戦諸々でとても残念な出来だったように思います。
　なお、これはAC版、360版をプレイ済みの人間としての意見ですので、本作がシリーズ初プレイという方にとってはさほど問題のない出来であるかもしれません。ただ、シリーズ自体が人を選ぶゲームですので、購入する際は3本まとめてではなく、まずはどれか1つからを強くお勧めします。