PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

●ストーリー
この話は本当に練りこまれていると思う。
ＰＳ版含めて４回プレイしても全然飽きない。
というよりプレイすればするほど理解が深まりはまっていく。
ゼノギアスをプレイしたことで、『幼年期の終り』、『星を継ぐもの』などのＳＦ小説も読むようになりました。これらの小説からインスパイアされている部分はかなりあると思うが、それでもそれらの要素を織り交ぜ、なおかつロボットもの、潜入ものなどの一つ一つのストーリーパートが極上に面白く盛り上がる。そして、重要なこととしてキャラも一人一人引き立っている。
これ以上練りこまれたストーリーを持ったＲＰＧは今後も出ることはないのだろうな、と思う。
辛くいうと、いくつかのイベントでは都合良い展開が見受けられる部分もあるが、全体としてはこれほど質の高いストーリを持ったＲＰＧは他に見受けられない。このゲームの最大の売り。

●バトルシステム
ボタン押しで爽快感のある必殺技。
操作も分かりやすく、テンポもいい。

●音楽
クロノクロスとゼノギアスを聞いたことによって、光田さんの音楽に出会えたことは、
人生の中でもかけがえのない宝です。
一つ一つの音楽が良く、使われる場面にちゃんとマッチしている。
ぼーっと音楽だけも聞いてたときもあります。

●セリフ時のキャラ絵
ゲーム全体の雰囲気と良く合っている。

BAD/REQUEST

●キャラ、ギアの強弱が違いすぎる
シタン、ビリー、エメラダ以外はっきり言って使おうと思えない。
リコ、マリアの素早さの低さはゲームバランスの悪さを露呈している。
ギアも同様に強いギアと弱いギアの差が激しい。

●サイドクエストの少なさ
基本的に一本道で、寄り道して、サイドクエストしたり、イベントを起こしたりする場所は皆無といってよい。すべて一本道で世界を自分で探索する、といったような楽しさはない。
ゲーム最終段階では、一部を除いてすべての町に入れなくなるのも難。

●キャラのステータスがギアに反映されない
物語終盤ではほとんどギア戦闘が主力になり、
どんなにキャラのレベルが高くても意味がなくなる。
終盤にやっとでてくるサイドクエストで手に入る最強剣やレベル80で覚える超必殺技など、
意味がないに等しい。

●使われない場所
ダンジョンでは、扉があるのにも関わらず入れない、といった場所がいくつかあり、
完成された作品ではないように感じた。

●ＤＩＳＣ２枚目の語り
予算不足(と言われている)で、
ＤＩＳＣ１のようにプレイすることがなく、ただ語りに徹した２枚目。
この部分はもはやゲームであることを放棄している。

COMMENT

はたしてＲＰＧゲームといえるのか、といったほどにストーリーを語ることに主軸が置かれている作品であり、それゆえにゲームバランスの悪さが際立っている。
後半はストーリーを語ることに終始し(それでも語りきれておらず、全て理解するためには設定資料が必要)、ゲームであることを放棄してしまったといえる作品。

が、そんなことを忘れさせるくらい遊んでいて面白いし、何度もやりたくなる。


膨大な情報量から、ＲＰＧゲームが媒体となっていることが、はたして最良の選択であったのか。アニメ、小説として作られていたほうが良かったのではないのか。
ＲＰＧゲームがどこまでストーリーを語りうることができるのか。
ＲＰＧゲームの限界をも問いてしまった。
そんな作品であったと私は思う。

今、エニックスと合体してますます巨大化した企業としてのスクウェアエニックスでは、
もう絶対に冒険して作ることができないであろう作品。


ゲームとしては完成されていないが、それでも私はこのＲＰＧゲーム、ゼノギアスが
大好きである。