PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

オリジナリティー：３点
基本的にアイテム探して選択肢選んで、のオーソドックスなADV。モーションポートレートのTORAシステムもPSPソフト「涼宮ハルヒの約束」で前に実装済みなので特別目新しくはない。

グラフィック：４点
基本はアニメ版のデザインをしっかりと踏襲しており、立ち絵や背景もなかなかに綺麗。
イベントCGも１００枚超の大ボリュームかつクオリティも高く、AIマップ等で登場するSDキャラクターも可愛らしくてGOOD。更にTORAシステムでメインヒロインたち（＋α）がぬるぬる動く、とキャラゲーとしては文句のつけようのないレベル。

サウンド：４点
全体的に音質が綺麗で、耳に残る良曲も多い。個人的には「虎と竜の狂奏曲」と「がんばれ！インコちゃん」がお気に入り。メインヒロイン三人組が歌うゲーム用エンディングが二曲、男四人がアニメ版主題歌のリミックスバージョンも収録されている。
ただ、アニメのBGMはいっさい入っておらず、そこだけが残念。

熱中度：４点
シナリオがしっかりと練られていてキャラクターの言動や思考にほとんど違和感がなく、とらドラ！が好きな人なら熱中してやれる。とくに原作ではありえなかった二人のヒロインとのifシナリオは必見。
但し、メインヒロインのルートは正直原作のほうが……なので期待し過ぎてはいけない。大河好きの人は結果ではなく過程を楽しみましょう（笑

満足感：５点
なんといっても（興味のないルートの会話を大幅スキップしても）全ENDを見るのに３０時間以上かかった、というキャラゲーADVにあるまじき大ボリューム。ifシナリオの破綻の無さ。さらにミニゲーム３種、一つのCGごとにそれにまつわるキャラクター同士の会話が聞けるアルバムモード、専用のED３曲（＋ソロバージョン６曲）がある等々、予想外のボリュームと完成度に大満足。

快適さ：５点
とらドラ！ポータブルで一番優れているといっても良い箇所がここ。というか、PSPで発売された全ADVのなかでもトップクラスの快適さを誇るんじゃないだろうか。メディアインストールをした状態でのプレイではロードで待たされることがまず無かった。
プレイ環境でも既読の文章は灰色で表示される、シーンが変わるごとに自動でセーブされるなど周回プレイやトライ＆エラーを前提としたさまざまな趣向が凝らされており、痒いところに手が届く親切設計となっている。

BAD/REQUEST

・難易度が高い
アイテム一つとりそこなった時点でBADEND確定、など「難しい」というより「めんどくさい」と感じる理不尽な展開が多い。

・同じルートを何度もプレイしなければならない
上記の理由に＋して、結局のところトライ＆エラーで正しい選択肢（行動）を探してゆくタイプのADVなので、同じ場面をくりかえしプレイすることになる。（スキップが優秀なのでそこまで気にはならないが）

・原作（アニメ）ストーリーを知らないと楽しさが半減
キャラゲーなので当然といえば当然なのだが。ただ、（開発時期から考えてこれも仕方ないのだが）あきらかに原作（小説）のテキストをもとにしてシナリオが書かれており、アニメのみのファンだとわからないネタも多い。
アニメでは端役も端役だったキャラがおまけシナリオで主役はってたり。

・BADENDがキツい
けっこう容赦なくメインヒロインと破局したりする。マルチENDなので原作カップリングしか認められない！的な嗜好の人には向かない。

COMMENT

原作小説からのファンなのだが、正直大満足の内容だった。
たかがキャラゲーと侮ることなかれ、とでも言うべきか。いやまぁキャラゲーなんですが。とらドラ！好きな人には安心してオススメできる一品。
メインヒロイン（大河）が好きな人にはエンディングが少し物足りないかもしれないが、まぁ原作、アニメで報われすぎちゃったぶんだと割り切れば。原作では実現しなかった大掃除や初詣イベントを見れる、竜虎のなんてことない日常会話を拝めるだけで十分さ……と自分を納得させてる大河派の俺（笑

漫画もアニメも高クオリティだったし、本当にメディアミックスに恵まれた作品だなぁ……