PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

■第1にシナリオ。現実社会を反映したリアルなストーリーです。シリアス一辺倒ではなく、お笑い要素も含まれているためメリハリもありました。ドラマに例えるなら「踊る大捜査線」でしょうか。独立した各エピソードが徐々に繋がりを見せ、やがて巨悪と対峙する展開は先が気になり止め時が難しかったです。
■第2にキャラクター…実在人物の風貌がモデルと思われるキャラクターが多数登場。万人受けはしないと思いますが私は好みでした。現実的な容姿が作品のリアル感を増幅させていると思います。性格描写も巧みで、主要人物はもちろん、脇役、敵役に至るまで魅力的でした。
■第3に音楽。タンゴが交渉場面にとてもマッチしていました。
■第4にグラフィック…人物、背景とも豊富です。カメラワークも新鮮でした。
■第5に演出…会話のみで進行するためテンポが良い上、ノベル部分とプロファイリング、交渉のバランスが適度で飽きません。リアルタイムの交渉パートは間合いや言葉の選択が重要で緊張感に富んでいました。またフォントの大小や表示する間合いが絶妙で、まるでボイスが聴こえてくるようなリアルさがありました。
■第6にシステム…どこでもセーブ、既読文スキップ、相関図表示なども行き届いています。

BAD/REQUEST

■悪いとは言い切れませんがボイスが無いのは悩むところです。ボイスが有ると同時発言が表現できないし、ボイスが無いと佐伯君の珍妙なアクセントが聴けないし…折衷案ですが一部ボイス有りが妥当だったかも。
■やむ得ないのですが、交渉パートがスキップできないのは、繰り返しプレイする前提のゲームとしては少々面倒でした。

COMMENT

■交渉人を主人公にしたゲームは既に存在するため、オリジナリティーは3にしましたが中身は大違いです。本作のほうがダントツに面白いです。
■シナリオが同じ麻野一哉氏なので「アナタヲユルサナイ」と同じ趣があります。あの世界観が好きな方なら、まず間違いなく楽しめます。
■PSPソフトのアドベンチャ?ゲームは当初リメイクや移植作品が多く食指が動きませんでしたが、最近は面白い新作が続々登場して嬉しい限りです。本作はそこそこ売れた模様なので、続編が発売されることを熱望します。
■普通にクリアするだけなら難易度はさほど高くありませんが、全てのバッドエンドを出すのは攻略法を見なければ困難だと思います。尚、全エンドをコンプリートするとおまけシナリオが出ますが、大した内容ではありません。
■余談ですが題名は映画や小説、音楽とは全く関連がありません。またもうすぐ発売される「探偵神宮寺三郎」最新作のタイトル名が「灰とダイヤモンド」なので、混同されないか心配です。
※PSP-2000使用、32型液晶ハイビジョンテレビへＤ4端子で接続してプレイ。