PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティ
「狩り」をテーマにしている分、先発のモンスターハンターの完成度が高いために比較されがちだが、世界観やバトルシステムはしっかりオリジナルしてる。
近接武器と遠距離武器の瞬時切り替えや、属性の概念、装備の特性の組み合わせはなかなか面白い。
加えて遠距離武器のバレットメイクはかなり面白い試み。

・グラフィック
キャラメイクで創った自分のキャラクターに表情がある。これにはびっくり。
メインキャラもそうだけど、テクスチャの切り替えで口パクを表現している。

・サウンド
なかなかに良い曲が多い。
荘厳な曲から軽快な曲、ともかくサウンドトラックを買ってもいいかな、と思わせられる。
BGMのおかげでゲームの雰囲気が良いものになっている。

・熱中度
敵モンスター「アラガミ」をどうやって倒すか、どんな武器を作るか、など、やりこみ要素はおおい。
難易度によって敵の強さが段違いなので、敵の挙動を見極めるために下位の敵で練習することもできる。

・満足感
ストーリーモードの進行は王道か。
最終的に消化不良な点がうっすらあるものの、そうそう気にかかるほどでもない。
軽快な操作感覚もあって敵に苦戦しなければさくさく進める。
声優も豪華で、アクションの得意な人ならばある程度の満足は得られるはず。

悪い部分は後述するので、購入の際には充分参照されたい。

BAD/REQUEST

劣化モンハン。
ただし、ゲームバランスの観点でいえば雲泥の差。
オリジナリティを盛り込む点は評価できるが、それでプレイの快適さを損ねている感は否めない。

＞NPCを連れてプレイできる。
→AIがどうしようもない。
【以下問題行動列挙】
死骸越しに敵を撃つため当たらない、体力が減れば敵の眼前でも回復
命令できない、プレイヤーが死亡したときは何をおいても蘇生
攻撃チャンスをフイにする、射撃でプレイヤーをノックバックさせる
絶対に集団行動を取ろうとする、非発見時にタメ攻撃をしようとしているところに通常バレット

あんまりの出来。
その癖、敵の行動を先読みして行動するため、下手をすればプレイヤーが何もしなくても任務が終わる。
（一部モンスターの攻撃において、周囲の仲間が攻撃前に防御行動をとる）

＞スピード感
→モンスターの挙動が物理的におかしい。
モンスターの「重さ」が実感できない動きを平気でする。
また、敵に予備動作や、タメなどといった隙がかなり少なく設定されているため、攻撃が射撃によりがち。
→遠距離攻撃の優位性
射撃に必要なOP（魔法を放つときのMPのようなもの）を回復させるアイテムが存在するので、ストレスは減るが…。
討伐任務において常にアイテム欄を開きながら戦う緊張感のなさはどうにかしてほしい。


＞後半の敵モンスター
→一撃死が日常。
回復アイテムの持込は多いが、ザコモンスターの攻撃でHPの半分がなくなる。
ほとんどの任務が複数討伐になる。パターンに入れば抜け出せずに死んでしまう。無理ゲー。
前述の隙の少なさもあいまってダウンが死に直結することもしばしば。
モンハンと違いエリア移動でやり過ごすことも出来ない（GEは一枚マップ）

＞必要素材の回収が面倒
一度の任務で得られる素材が少ない。
加えて、一固体の素材種類が多いので、目的の素材を出すのも一苦労。
部位破壊限定素材もあるため、作業感がとんでもないことに。
また、マップに落ちている素材も確率、数ともに少ない。その割りに必要数が多い。

＞資金難
ミッションで得られる報酬が異常に少ない。
回復アイテムを購入していたらミッション毎に金欠になる。
ある意味、購入額より売却額の大きいアイテムのあるバグは救済措置か。

＞ストーリー
一応のまとまりはあるが、やや駆け足。
主人公が主人公である必要が全く無い。
死んだ人物の回想くらいはあっても良かったのではないか。
エンディングでの黒幕のあっけなさ。
最期に執着が全く無い姿勢は、動機もそれまでの行動も理念を疑う。

COMMENT

総じてバランスが悪い。
調整をしっかりしていればキラータイトルになれたかもしれない。

モデルの使いまわしに加え、作業の繰り返しでプレイ時間を稼ごうとしている感すらある。
走り出したはいいけれど、途中で息切れでもしたのか。

良くも悪くもモンハンに振り回された作品。
モンスターハンターを経験している、もしくは気に入っている方にはお勧めできない。