PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・グラフィックス
ここは掛け値なしに褒められる部分だろう。GNソフトウェアの「低コスト移植」の産物である「修正されていないパンチラCG」などもなく（元の作品自体そうしたシーンが少なかったのか、それともそうしたCGを削除した事で対処したのかは定かではないが）、そうしたものを好ましく思わないプレイヤーにも安心できる。

BAD/REQUEST

・キャラクター
1章・3章でメインヒロインとなる2人はまだこの作品の「良心」とも言える存在だが、その他のキャラクターが第一印象で不快に感じる描写が多かったのがこの作品の一番のマイナス点といえよう。
特にもう1人の主人公・直樹と彼の幼なじみ・晶の態度は酷く、初対面の主人公・徹に対して嘘をついてまで強引に入部するよう迫ったり（それも部費という名の自分達の遊ぶ金欲しさなのだから呆れるばかり）、授業中でもあれこれ騒いだりと、ろくな事をしないので不快に感じる事も多いのだし（そもそもこの2人自体、1人だけの運動部だがろくに部活もせず、部費を横領して毎日遊びほうけている時点でどうしようもないのだが）。
また言動がチンピラのようにしか見えないサッカー部員（どこぞの「CLANNAD」じゃあるまいに、よほどシナリオライターはサッカー部が嫌いなのか）、いじめなど陰湿な行為を行っていた美術部仮部員の三井・千代田（こいつらはシナリオが進むと大人しくなるが、初期の印象が悪すぎる）など、不快なキャラが多すぎてOPが終わるまでに投げ出しかねない危険性を感じたのは確かだ。
物語が進んでも「文武両道」の学園のはずなのに、やってる事が漫画に出てくる不良が集まる学園その物な永隆学園の生徒（運動部も文化部もそうなのだから呆れるしかない）など、不快なキャラクターがちらほらと登場する事はこちらの物語への没入度を下げていたのだから。
・ストーリー
最初のうちから前述したような直樹・晶の傍若無人な行動や美術部員達の不快さにいらいらし始めたが、話が進むにつれ部内でのいじめなど、プレイヤーを不快にさせる要素が頻出してきたのも問題だった。
それ以前にこの学園のシステムも問題であり、美術部が「えこひいき」とも言えるほど異様に優遇され運動部全般が異様に冷遇されているのなら、運動部がやる気を無くすのも当たり前の気もするのだが。
また2章では直樹が主人公になるのだが、1章の後半で多少評価が変わったとはいえ序盤で感じた負の印象のため、どうしても主人公に適さず違和感を生じたのもマイナスだったし。
さらにシナリオ上、伏線として出てきても最後まで回収されないもの（例えば菜々子が何故「家族にこだわるのか」という理由や、さくらの隠れて描いている少女漫画など、普通のゲームならば充分話作りの核に出来るようなものばかり）があったのも気になってしまった。
ストーリー自体もかなり長い（最初にプレイする事になる1章でも、両ヒロイン攻略を終わらせるまでに10時間以上掛かる事を覚悟しておく事）ため集中力を保ち辛く、またその章のヒロイン両方をクリアしないと次の章へ進めない、という仕様のため、ヒロインが好みでなくても進めなければならないのは精神的にきついものがあった。
その為熱中度は非常に低く付けざるを得ない。

COMMENT

PSP-3000型使用。
冒頭の3?5時間程度で嫌でも知る事になるキャラクターの第一印象の悪さが、こちらのプレイ意欲を容赦なくそぎ落とした事から、プレイの最中「人は見た目よりも、第一印象が9割」という事を常に考えてしまった。
どうしてもプレイしたいのならば、冒頭の3?5時間を強制スキップで読み飛ばすか、特定キャラのCVをオフ（特に直樹・晶・くるみ・サブキャラ全般。CVをカットすることは不快度数を軽減させる効果を持つ）にしてプレイした方が良いだろう。
興味があってもキャラクターやストーリー、プレイ時間の長さなどで「自分に合わない」と感じたならば、素直に回避して他の積みゲーを消化する時間に当てた方が賢明である。ゲームはストレスを感じながら遊ぶためのものではないのだから。