PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

　推理アドベンチャーにシューティングやリズムゲーなどの要素を加えた奇抜なシステムですが、裁判や議論の争点を明確にする役に立っていました。例えば「ノンストップ議論」では、そのキャラクターの発言の要となる部分がウィークポイントとして強調されているため、プレイヤーは何について考察すればよいのかが分かり争点を見失う事がありません。それに加え、主人公や他のキャラクターが分かりやすいヒントを提供してくれるため、難易度を「イジワル」にしても詰まる事はほぼないでしょう。

　共同生活や学級裁判のルール、学園内で発生する事件の骨子は案外しっかりしています。キャラクターも実に個性的な面々で、退場させるには惜しいキャラクターばかりでした。学級裁判中も、皆よく喋って話を盛り上げてくれます。故にストーリーが進行するにつれて、エレベーターや裁判場の中が寂しくなっていくのが辛かったです。

　犯人に待ち受ける「おしおき」のムービーには残酷な描写が存在し、衝撃的な内容となっています。常軌を逸した処刑を行なったり容赦の無い言葉を浴びせかけたりする黒幕は、強烈な存在感と嫌悪感をプレイヤーに与えます。モノクマがプレイヤーに植え付ける印象は、本作のダークな雰囲気の演出には必要不可欠な要素であると思いました。

BAD/REQUEST

　学級裁判では、「クライマックス推理」という事件の流れを漫画にして総括する場面があります。ここでプレイヤーが行う事は、所々抜け落ちているコマに正しいピースを当てはめて漫画を完成させる事です。しかし、一部に何が描かれているのか分かりにくいピースが存在しているせいで、その箇所で間違いを重ねる事がありました。「クライマックス推理」は、その仕様のせいで答え合わせがすぐに行なわれないので、推理ミスが原因ならともかく、あやふやな描写のせいで間違えるとちょっとイラッときます。

　ストーリーについて、学園を取り巻く状況や生徒達の身に起こった異変についての詳細な説明がされていないので、ストーリー中であるキャラクターが発言するようにプレイヤーが勝手に想像するしかありません。プレイヤーに想像させるにしても、取りとめが無さすぎてどうしようもありません。

　あとは、個人的には許容できる範囲内でしたが、下ネタが各所に散見されます。直接的な表現は避けられていますが、ちょっとくどいと思います。

COMMENT

　自分はPSP-3000を使用しました。インストールデータを有効にしてプレイしましたが、動作に問題は無く、非常に快適にプレイできました。

　このゲームでは推理難易度とアクション難易度を別個に設定する事ができますので、推理が苦手な方やシューティングやリズムゲーが苦手な方にも十分に配慮された設計となっています。全体的にテンポ良く進行し、事件も無理のない構成でまとめられているので、推理物としてよく出来ています。残酷な描写や下ネタが許容できる人で推理物に興味がある人は、一考の価値ありです。