ファイナルファンタジーVIII(FF8) レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009/09/24 |
価格 | 1,500(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象(CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ゲームアーカイブス ■ ジャンル:ロールプレイング ■ プレイ人数:1人 |
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発売スケジュール
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みちのく秘湯恋物語 kai
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街 ~運命の交差点~ 特別篇
- 2017/12/17更新 (2017/12/16投稿分まで掲載)
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ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!
ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」
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沙羅曼蛇
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輸入版:Alien Syndrome
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セプテントリオン
- 2017/08/22更新 (2017/08/21投稿分まで掲載)
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ECHO NIGHT
GOOD!
このFFVIIIは、その名の通り99年に発売されたFFの第8作目。
当時、ドラクエVIIの開発が延び延びになっていただけに、まさか前作の発売から2年も経たないうちに続編が発表されるとは誰もが予想しえなかっただけに、当時のプレイヤーは一様に驚いたことだろう。
FFVII当時遥かに進化した演出及び世界観が皆を驚かせただけにその続編は、一体どのような作品に仕上がるのかとても注目された。
そして、そのVIIIにもゲームシステムの根幹としてFFもとい当時のRPGを変革させる要素を満載にした発売前情報からして話題をさらい、誰もがFFVIIの問題点を踏まえた、VIIを超える作品になりえるだろう、と信じて疑わなかったものだった。その点を検証してみよう。
・第一に防具を一切廃止して、魔法を「装備」する「ジャンクションシステム」である
VIIから防具が簡略化された理由としては、キャラの等身を上げた為、「嘘がつけなくなった」のだ。
VIまでのドット絵低等身キャラなら、武器や防具を装備してグラフィックが変わらなくても、プレイヤーは「グラフィックは変わらないが、実際には兜を被っているのだ」と、製作者に対して好意的に解釈してくれた。ドット絵は、ある種の記号に過ぎないからだ。
だが、VIIでのキャラクターのグラフィックは、キャラクターそのものである。その服装、武器は、キャラクターの現在の状態そのものを指さなくてはならない。少なくとも、そう思われがちだ。だからVIIでは防具を腕輪のみにした。
しかし当然疑問が生じてくる。「腕輪に防御力や回避率があるか」──無い。好意的に解釈するにはかなり苦しい。そこで8では、遂に防具を完全撤廃して、ジャンクションシステムでステータスをUPさせる制度にした。
また、従来通り魔法は普通に使用することも出来るが、威力がかなり弱くなってしまっており、魔法はジャンクションにも使用するので、ジャンクションで強化しする為に使うものである。
・第二に「敵のレベル変動制」である、これは「経験値稼ぎの廃止とゲーム性の両立」だろう。
映画的要素を重視してRPGお約束のルーチンワークである「稼ぎ」を極力排除する方針に傾いていたが、前作VIIがそうであった様に勝手にレベルが上がってボスに辿り着いた頃には既に楽勝になっていたのでは特に上級プレイヤーや稼ぎを重視するプレイヤーにとってはかなり不満の残る要素となり、実際かなりの数の嘆きが聞こえたものだ。(もっとも、伝統的にFFは戦闘の難易度や経験値稼ぎも抑えめな部類で、過去作でもせいぜい「バランスが良い」程度であったが)
そこで、敵の強さをキャラのレベルに合わせることで、初心者と上級者のどちらも合わせられる様にする意図があったことは容易に想像出来る。
・第三にVIIとは違う「明るい近未来」と「楽天家の中年とクールな少年の2人の主人公」という触れ込みである
VIIIで最初の舞台となるガーデンを見て実感するのはとにかく明るいちゃんとした未来であるということだろう、VIIまでの「暗いところに差し込む綺麗な光」を中心とした世界観の表現方法(実は、過去FFのクリスタルもこの方法論)とは明らかに一線を画している。
VIIで欝な暗い未来に幻滅を感じ、またVIIのエンディングはハッピーエンドかどうかも定かではなく釈然としないものを感じたプレイヤーもVIIIは払拭してくれるものと期待を抱いたものだ。
そして、二人が動き回る決闘シーンの大迫力なムービーでもってオープニングが始まるなど、ムービーも益々洗練され、強調されたものとなり、
音楽も本格的に映画を意識した「本当にゲームミュージックなのか?」と疑うほど壮大なオーケストラ色の強いものとなり、
オープニングの「Liberi Fatari」から不思議と世界に引き込まれていき、雑魚戦(スコール編)の「Don\'t Be Afraid」で既に中ボス戦にでも使えそうな盛り上がり、更に中ボス戦の「Force Your Way」になると今までの戦闘曲と格の違う曲調によるスケールの大きさをいかんなく発揮。
緊迫したイベント戦闘(ブラックウィドウ、収容所)での「Never Look Back」も追いかけられるのが本気で怖くさせる曲に、魔女戦の「Premonition」。
極めつけは史上始めて歌詞付きの挿入歌が導入されることとなった「Eyes On Me」だろう。
BAD/REQUEST
当然あの世界的ヒットにまでなったFFVIIの続編と来れば、ほとんどの人が過剰なまでの期待をこのゲームに抱いたものだが、スクウェアは結局そのプレイヤーの気持ちを大きく裏切る形となってしまった。
・益々精緻になりながら個性の見られないグラフィック
実は、VIIに比べて本格化することになったムービーの迫力も増し、洗練されるものとなったとは書いた通りである。VIIでも様々な世界、様々な風貌のキャラクターが楽しませる要素の一つではあったが、VIIIはその実そのグラフィックの描くバラエティ、特にキャラクター面において黒髪金髪の美形美人に画一化、結果としてキャラクターデザイナーである野村氏に対しても「このデザイナーは同じ顔しか描けないのでは」という批判の矛先が向けられたものだ。
グラフィックスにおける重大なマイナス要素として提起しておく。
・あまりに味方有利で、キャラの個性もゲームバランスも木端微塵に吹き飛んだシステム
キャラクターの強化方法としては
1.ドローで魔法を集める
2.カードゲーム、「カード」コマンドでカードを集める→カード変化で魔法を精製
3.適当に敵と戦って手に入れたアイテムを魔法に変える→レベルが上がったメンバーは控えに
があります、このバランスの悪さをさらに助長させたのが「カード」と「エンカウントなし」というアビリティです。低レベルでもジャンクションでベラボウに強化出来る為に、セオリー通り敵のレベルも低いまま味方ばかりひたすらインフレしてしまうというとんでもない事態が頻発。
これらが只でさえGFのベラボウな強さや、それすら遥かに凌駕する必殺剣やデュエルを筆頭にした特殊技で崩れかけていたゲームバランスに止めを刺すこととなり、心機一転した戦闘システムでVIIで味わえなかったRPGとしての歯応えを求めていた古参のプレイヤーにとっても非常に落胆させる結果に成り果てた。
実際、ラスト辺りまでは雑魚しか出てこないといって良いし、最初にして最大、唯一の難関となるラスボスやオメガウェポンもフル装備なら特に問題は無い。
・更に、FFを別物としようとしているのではないかという危惧を抱かせた
このFFVIIIは、最初に解説したように、読んで字のごとくFFの正式な続編として発売されたゲームであるのだが、以前からRPGに慣れ親しんできたプレイヤーであれば、素直に続編としては受け入れられないものがあったはずだ。
実際、あるシリーズがある時点で全く別物になった前例はたくさんあり、FFシリーズも別物にしてしまうのではないか、という新たな危惧も生まれた。
事実、FFVIIIに当初RPGというジャンル表示は無かった。その後の扱いで、RPGであることが公式でも示された時は、ホッとしたファンも多かったことだろう。
COMMENT
以上のように、FFVIIIがRPGのFFの続編として認知されることとなったのは良かったのだが、このFFVIIIに関しては、個人的な感情としては素直にFFシリーズの第8弾としては認めたくはなかった。
「ファイナルファンタジー」というゲームは、ドラゴンクエストと共にRPG史上のみならず、家庭用ゲーム史上に燦然と輝く不滅の名作であり、家庭用ゲーム業界全体に与えた影響も計り知れないものがあるほどの名作シリーズだ。
当時のゲーマーたちは誰もがその素晴らしいゲーム性に惹かれ、時を忘れてプレイし続けていった記憶のあるプレイヤーも多いことだろう。
続編が発売される度に、FFの名に恥じないどころかプレイヤーの予想を遥かに上回る素晴らしい作品が発売されていき、FFIIこそシステムの取っつきにくさ等でやや叩かれたものの、FFIII以降は音楽や演出の凄さ、戦闘の面白さといった面では常に満点に近い評価が与えられていた。
それが(戦闘バランスの悪さ等で)批判の出るようになったFFVIでも、熱狂的なファンが付いている以上プレイヤーを引き付ける魅力があることは否定出来ない。
そのように、FFシリーズには他のゲームとは明らかに異なる「カリスマ性」が備わっていた訳だが、残念ながらこの「FFVIII」にはその「カリスマ性」を全く感じることは出来なかった。
お粗末なシナリオ、痛過ぎるヒロイン、意味不明な存在の魔女、存在意義自体疑わしいラグナ編、幼稚な台詞、描き分けの出来ぬ似たり寄ったりのキャラクター、ストレスばかり溜まるシステム、特殊技出してるだけで全てが終わる戦闘、ほぼジャンクションだけで強さが決まりレベルの意味がない等、とてもFFの続編の域として認められるレベルまで達していないのだ。
ひとつのロールプレイングゲームとして見ればプレイ出来なくもないレベルではないか、という意見もあり、個人的にもそれには同意するのだが、正直な所、FFのシステムが完成されている以上そのシステムを取り入れてしまえば、ある程度適当に作ろうとプレイ出来るレベルにはなる訳で、それはFFVIIIの魅力ではないだろう。
BGMが良かったのは救いだが、この「FINAL FANTASY VIII」のゲームとしてのレベルは当時のプレイヤーたちも素直に感じたようで、雑誌を筆頭とする各媒体にて「ゲームの本質はグラフィックではなくゲーム性だ」等という謳い文句をさかんに言わしめることとなったばかりか、評価の遅行指標となるシリーズ販売本数においてもその次の作品であるFFIXで100万本以上落とすという「史上初」の事態をもたらした。(ちなみに、初動率の少ない海外ではVIIIの売上の時点でVIIに遠く及ばなかった)
確かにシナリオ面での細かい不備は以前のFFでもちょくちょく指摘されてきたことではあったが、それにしてもFFVIIIのシナリオ上で犯した過ちは極めて数多くかつ基礎的であるし、何より戦闘の面白さといったシステム面でいい意味で期待を裏切り続けた実績を誇るFFとしては、戦闘システム等であれほど酷評され、シリーズで初めて駄作というレッテルを貼られてしまった様は、あまりに不名誉な結果ではないか。
その2年後、スクウェアの名誉挽回とばかりに、VIIIスタッフの次作といえるFFXである程度プレイヤーの支持を取り戻すことに成功したが、その続編であるFFX-2はまたしても、以降も立て続けにプレイヤーの非難を浴びる格好となり、今後盛り返すことが出来るかどうかは神ですら分かりようもない。
今となっては、FF及びスクウェアが「RPGの王者」の名を不動のものにしていた時代が懐かしい限りだが、その名が崩れ始めたきっかけとなった作品が、この「FINAL FANTASY VIII」だったのかもしれない。
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事実誤認により、一部削除して掲載しています。フリーのメールアドレスでもかまいません。詳細をお伝いしたいのでお手数ですが、(”タイトル名”と”投稿時のお名前”のみの記載でかまいませんので)お問い合わせして頂けたら幸いです。■恭一@管理者 お問い合わせ先:kyoichi_mk2@hotmail.com