PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

■サウンド・グラフィック
DJMAXといえばオンライン版のような”アニソン”や”キャラソング”というようなイメージがある人も多いでしょう。
今回DJMAX3では今までのような曲とは違い、全体的にクラブ調な曲が中心となっています。
（オンライン版のような曲がほしいという方は”Hottunes”やPC版の”Trilogy”を遊んでみたらいいと思います。Hottunesは日本語にも対応しているので是非）
これが自分の好みにどんぴしゃ！シリーズのなかで一番気に入りました。
そして曲の完成度に加え、演奏中に後ろで流れるムービーも完成度が高いのがDJMAXシリーズ。
これがシリーズの人気を支えてきたといっても過言ではありません。
今回は曲と同じく、以前までのキャラクター画像を動かすムービーとは違い本格的にVJのような3D画像になりました。
「地味になった」と思う方もいるかもしれませんが、むしろ曲と上手く合い、なかなかオシャレになっています。
■システム
今回の目玉はやっぱり「REMIX」モード。
いつものbeatmaniaライクな演奏に加え、アナログスティックでフェーダーを操作していきます。
エフェクトがかかったりスクラッチが鳴ったり、曲によっては過去DJMAXシリーズの別の曲が混じったり（これがなかなかファンには嬉しい選曲で（笑））。
これがなかなか楽しい！今まで「曲を演奏する」要素しかなかった音ゲーに「曲を変化させる」要素が加わったことでこんなに楽しくなるとは思いませんでした。
音楽ゲームの革命といってもいいと思います。それほど衝撃的でした。

そしてこの「REMIX」モード、初心者にもなかなか嬉しいモードです。
通常、音楽ゲームというのは収録モードは難易度ごとに分かれています
（例えば太鼓の達人だと”かんたん”→”おに”といった感じです）
もちろん難易度の幅広さで考えるといいことのですが、殆どのゲームも難易度の序列は必ず一本道になっています。
しかし本作では「3.2T（3ボタン+アナログスティック）」というモードがあるので、
音ゲー初心者でも慣れれば複数のモード、即ち複数の遊び方が出来るのです。

BAD/REQUEST

■隠し要素
このゲーム、隠し解禁が非常に面倒なのです。
基本レベルを上げて隠し要素を獲得していくシステムなのですが、普通に遊んでいてはレベルの上がり方がとても遅い。
そこで「ミッションモード」で遊ぶと多くの経験地が得られるので、レベルを上げていこうとするならこのモードで遊ぶのが必然になってくるのですが、決められた曲を回していくのは非常に面倒。
特に音楽ゲーム熟練者にとって序盤のミッションは非常に簡単なので退屈になってしまいます。
（中盤で出現するランダムミッションが出てからは精神的にいくらか楽になりますが）
■難易度
もちろん音楽ゲーム初心者にとって「難易度が高い」のは気になりますが、今回問題にしたいのは音楽ゲーム熟練者にとって「序盤の難易度が低い」ことです。
例えばKONAMIのbeatmaniaIIDXでレベル10の曲をクリアできるなら、最初から出ている譜面はほぼ問題なくクリアできます。
「WS譜面」という譜面がある一定のレベルから徐々に解禁されてくるのですが先述の通りレベルが上がるのはとても遅い・単調。
つまり音楽ゲーム熟練者には非常にもったいない仕様かもしれません。
隠し解禁と合わせて、熟練者が序盤で飽きてしまいそうで残念です。
（レベルを上げていくと上級者もうならせる・楽しませるような譜面がいくつも出てくるので尚更…）
■収録曲数
今回は曲自体が少し長めなのとREMIXモード用の音源が必要だったため、収録曲数は隠し含め40曲（隠し無しだと30曲）とかなり少なめです。
前情報無しで遊ぶとがっかりすると思います。
■その他
・演奏中ポーズをかけるとかならず音ズレが起きる（Restartしたら直りますが）
・メディアインストールが810MBある
・譜面ミスで音ズレのある曲がある
・今まであった曲再生モードが無い（ただしムービーを個別に鑑賞できるモードはあります）

COMMENT

DJMAXシリーズはTrilogy、Blacksquareを所持。
音楽ゲームには慣れている者の意見なので、この作品からシリーズを遊ぶ人にとっては参考にならなかったかもしれません。
また持っているのは海外版のため、なるべく日本版独自の要素・改良に関わる事は書くのを避けたかったのですが、
どうしても隠し要素には触れざるを得なかったので調べた上で書きました。

辛い点をいくつも書きましたが、その点を踏まえてもこのゲームは本当に面白いです。
難易度が低いものの、他の音楽ゲームに比べ「演奏している感」がある（このシリーズ、譜面がちゃんと気持ちよく演奏できるように考えられているんですよ）ので、私は殆ど気にしていませんし、
収録曲数についてもお気に入りの曲がいくつもあるので問題なし。
シリーズのなかで一番お気に入りのゲームです。

購入しようか迷ってる方、まずは公式サイトで視聴をしてみてください。曲を気に入ったなら全て大丈夫です。
今回、3からDJMAXシリーズに入って「面白い！」と感じたならば是非他の作品も買ってみてください。
2、CE、BS、HTは日本語に対応していますのでどれを買っても違和感無く楽しめると思います。

また、ここで書くべきかは分かりませんが最後に一つ。
このゲームは先述したように「ビートマニアのパクリ」ということで知られ、3年前その開発のKONAMIと訴訟が起きたことがありました。
しかし現在では本作品をKONAMIの通販サイトでも取り扱ったり、DJMAXのアーケード版の流通をKONAMIが担当していたり、会社間は既に和解しているといってもいい状況です。
なので遊ぶ側にとっても「パクリゲー」だと思わず、素直に楽しんでもらえると一ファンとして非常に嬉しい事であります。

少なくとも、「パクリゲー」という概念をひっくり返すだけの力があるゲームでしょう。