PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・MMO風RPGとして充分な完成度を持つこと
　キャラゲーの中では極めてまれなレベルで作りこまれており、欠点はいくらかあるものの、このジャンルが好きなら大いに楽しめる作品に仕上がっています。

・雰囲気作りの巧さ
　メニュー画面等インターフェイスのデザインやレイアウトなど、作中の「ソードアート・オンライン」の雰囲気をよく醸し出しています。実際の使い勝手は現代のMMORPGに似ているため、経験者なら取っつきやすいのも魅力。

・キャラクターの魅力
　メインキャラクターもさることながら、自分の場合は豊富なモブキャラクターに惹かれました。
　総勢100人近くがそれぞれに行動パターンを持ち、「朝何時に起きて、夕方までどこそこで狩りをして、夜何時まで街をぶらついてから宿屋で寝る」などの生活スタイルができています。話しかけて親密になるとパーティに入れたり、街でデートしたりと、できることもメインキャラと遜色ありません。
　会話したときの台詞が「……○○って……」という風に、前後があえて切り取られているのも好印象。完成された文章だと繰り返し感が拭えませんが、この形式なら脳内補完ができるため、この手のゲームに向いた方式であると自分は思います。

・スイッチ
　原作で重要だった「スイッチ」という行動。素早く前後衛を入れ替えることで相手の行動パターンを乱すものですが、見事なまでにゲームシステムとしてうまく落とし込めています。
　発動に時間がかかるスキルを使いたい時、スイッチでヘイトを交換し相方に盾になってもらったり。ソードスキルをキャンセルし隙消しに使ったり、キャンセルでない場合に発動するタクティカルバッシュで敵の行動を阻害したり。
　連携行動によるパートナーの技発動は、BADに書いたバグへの対抗策のひとつでもあります。

・ボリューム
　二周目を前提にし、80層を少し過ぎたあたりからスピード攻略にシフトしたにも関わらず、クリアまで60時間かかりました。密度たっぷりです。

BAD/REQUEST

・動きがもっさり
　システム的にはこれくらいがちょうどいいのですが、キャラゲーとして「アニメの動きを再現できていない」というのはマイナスポイントたりうると思います。アニメが面白かったから衝動買い、といった人にとって地雷となる可能性がある危険な作品です。

・キャラの着せ替え
　少なくともモブキャラクターに関しては、防具を渡そうとしても拒否されることがあります。好きな衣装に変更できないというのは大きな欠点です。

・致命的なバグの存在
　モブキャラクターの戦闘AIに問題があり、SPが300溜まっていないとCPU専用の弱スキルしか使ってくれない…など、うまく機能しなくなる部分があります。

・イベントの配分がややアンバランス
　86層でキャライベントの大部分が終わるため、90層以降はあまりイベントが起きなくなります。もう少し分散させておけば…との思いが拭えません。

・文字の小ささ
　自分はそこまで困りませんでしたが、「パ」と「バ」の見わけがつきにくい程度に文字が小さい作品です。目が悪い人は少し大変かも。

・説明不足
　説明書、チュートリアルとも豊富な要素を完全に解説しきれていません。公式サイトの「ビーターが教える初心者の館」を一読することを強く推奨します。

COMMENT

　PSP-3000使用、DL版を購入、アニメ全話視聴・原作未読。

　上記に書かなかった部分について。
　ストーリーはキャラが原作と違う、そうか？俺は好きだ、など賛否両論であるため。グラフィック・サウンドは突出して良くもなく悪くもなく。サウンドはボイス・BGMともなかなかのレベルでまとまっているため4点にしました。
　またゲームバランスにおいて二刀流や遠距離からの奥義連発が突出しているなどの問題がありますが、初心者救済用としては良いですし、レベル上げ作業の時も散々お世話になっており判断に悩んだため入れませんでした。

　総じて「出来の良いキャラゲー」です。原作SAO編のラストから始まるので、プレイ前に小説なら2巻・アニメなら14話までの視聴を強く薦めます。
　ただしアニメの印象と違いモーションがもっさりしているなど、人を選ぶ作品です。逆にMMORPGを過去にやっていた人などは取っつきやすいでしょう。ハマると睡眠時間が減ります。

　レビューサイトでこんなこと書くのも何なのですが、このソフトに関しては人の意見を鵜呑みにして買うのは避けた方が良いでしょう。公式のPVでは若干分かりにくいため、電撃オンラインの特設ページ「ソードアート・トゥデイ」にあるプレイ動画を見て、それから購入するかどうかを自分で判断するのが一番だと思います。