PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

「街」プレイ済なので比較することが多くなると思います。またwii版は未経験です。

■シナリオ
面白いです。最初に目的が違う５人が徐々に一つの事件に絡んでいく様がよく描かれていると思います。
ただ街とは全然違います。街は登場人物それぞれのシナリオがあり、それに沿って進んでいくという感じでしたが、428の場合最初はそれぞれ別のシナリオであっても、後半になるにつれて事件絡みの一つのストーリーとなっています。
ある登場人物の行動が別の登場人物の未来を変えること、ザッピング機能などもあり、428は街２という感じで見られがちですが、街とはちょっと違うということは頭に入れておいたほうがいいです。（ただ街の数年後という設定が見受けられる文章がシナリオのあちこちに存在します）
途中でシナリオをストップさせる”Keep out”の入り方も秀逸ですし、「次はどうなるんだろう」「早く続きが気になる」と思わせるようなシナリオ展開は素晴らしいと思います。
トレーラーを見る限りシリアスなストーリーだと思われがちですが、前半はコミカルな部分もたくさんあり、バッドエンドの中にはおバカなものもあります。

■音楽
音楽もまた428が評価されている一因だと思います。登場人物それぞれに合った音楽がかかっており、どれも結構耳に残るものなのですごく好きです。

■グラフィック
PSP版でもそれなりに綺麗です。ただムービーとなると多少粗が目立ちますが、何の問題もないです。登場人物の表情がくっきりと映し出されています。
サウンドノベルもここまで進化したのですね。

■ボーナスシナリオ
既に公式HPを見ている方はボーナスシナリオの存在を知っているかと思いますが、１つは泣ける系、もう一つはアニメ調のやつですね。
これを見ると街をプレイした人なら分かるかと思いますが、街のボーナスシナリオを彷彿とさせます。（街も泣ける系、アニメ調のボーナスシナリオがある）
泣ける系は「かまいたちの夜」で知られる我孫子さんの最新シナリオとなっています。話自体は結構短いです。
アニメ調のやつは月姫などでおなじみTYPE-MOONがシナリオ含め手がけています。サウンドノベルでは珍しく、登場人物の台詞に音声がつきます。フルボイスです。

BAD/REQUEST

ここからはGOODで書かれてない文句をつらつらと書きます。これはあくまで僕個人の意見です。

■シナリオ
街と比べると少しボリューム不足な感じがします。街は登場人物が8人、舞台が5日間、ストーリーがそれぞれ独立しています。
それに比べ428は登場人物が5人、舞台は1日、ストーリーは最終的に一本に、と街体験者にとっては少し物足りなかったです。
あと物語のラストの方はバッドエンドが連発する仕組みになっており、少しイライラしました。

■音楽
とにかく上木、上木と正直ウザかったです。たしかに上木彩さんの曲は結構良いものではありますが、ある登場人物の着メロ、ある登場人物が好きなアーティスト、渋谷の中に上木のポスター、などとあちこちに無理矢理設定をねじこませてあり、428は上木彩宣伝ゲーと捉えられてもおかしくなかったです。正直これはがっかりしました。

■グラフィック
特に文句なし。

■ボーナスシナリオ
ちょっと不満が。
我孫子さんのシナリオについては、上に書いてある通り、結構短いですし、しかもストーリー展開が簡単に読めてしまうので、正直あまり泣けませんでした。というか我孫子さんは推理モノで攻めていったほうが良い気がするんですが…。
そしてTYPE-MOONのシナリオ。確かに話は結構面白い。ただし結構難解です。しかも428の世界観から浮いています。そして軽くネタバレになりますが、428の事件の犯人が登場していますが、実写とのギャップが激しすぎる。「CANAAN」というこのボーナスシナリオをアニメ化したやつがありますが、それも428の世界観とかけ離れているし、何より実写とのギャップがひどい！
もうちょっと監督と設定を練ったほうがいいと思います。非現実的すぎます。
あとボーナスシナリオとは別に、ゲームをクリアし、ある条件を満たすと428に登場したサブキャラのエピソードが見れるものがあるんですが、すっげー手抜きでした。シナリオもひどかった。
あとピンクのしおりは？金のしおりは？と従来のサウンドノベルファンの楽しみがこのボーナスシナリオにより無くなったというのも残念。

COMMENT

確かに面白いです。だけれどもWiiのmk2の評価「S」の判断には待ったをかけたい。
長年チュンソフトのサウンドノベルで遊んできましたが、段々と方向性が違ってきてるんじゃないかと僕は思います。
アーティストの宣伝なんて今までのサウンドノベルにはなかったし、世界観とかけ離れたシナリオなんてもっての他。
サウンドノベルが好きだというあなた、周りの評価に惑わされずこの作品に「S」の判断をくだすかどうか今一度プレイしてみて、冷静に考えてほしい。