PSP mk2 - PSPの参加型レビューサイト

GOOD!

・「ToHeart2」の移植を携帯機で楽しめるところ
移植といってもPS2版ではなく、PC版への逆移植「Xrated」の方の移植なので、久寿川ささらシナリオも収録されており、PS2版をプレイしたがPC版をやっていない人や、まだPS2版・PC版両方を未プレイでかつ、現在18歳未満の人にとってはプレイする価値はあるかと。
ささらルートは優季以外ほぼ全メインキャラが（チョイ役とは言え）登場するので、PS2版経験者（特に全クリアした人）がプレイするとまた違った物を感じられるだろう。
ストーリー自体も全体的に王道の流れなので、ギャルゲー初心者が経験を積むための「通過儀礼」にもなりうるのだし。
・グラフィックス
現在のリーフの主軸絵師であるみつみ美里・甘露樹両氏を主軸に据えたレベルの高いグラフィックはPSPでも健在で、忠実に再現されていた。このあたりはビジュアルにうるさい人でも高評価を付けざるを得ないだろう。

BAD/REQUEST

・逆移植版の移植という観点で見ると
Hシーンの削除はともかくとして（PC版でもこのシーンは完全な後付けであり、別に外しても問題ない代物ではあるのだが）、ささらルートだと4月1日と4月24日のイベントCGが暗転で差し替えられ収録されておらず、それなのにささらの胸を触るCGは残っているという判断基準不明なCGの移植加減が気になってしまった。
その癖テキスト・CVは変更されることもなくそのまま収録されているので、何とも意味不明な流れにも映るだろうし。
またPC版を準拠にしているのに、ミニゲーム「スーパースイーツスクランブル（シューティング）」「ドキドキぱにっくライブラリー（パズルゲーム）」が収録されていないという点も地味に不満であった（公式サイトでも説明書でもこれらについての記述はされてなかったので嫌な予感はしたが）。本編とは関係ないおまけゲームとはいえど、テキストをひたすら読み続けるプレイヤーにとって気分転換になるだろうし、PSPに移植したならミニゲームに対戦機能などを付けてもプレイヤー同士で楽しむなどの新要素にもなりえたかもしれないが。
・熱中度
元々PS2版をフルコンプしたので同じ話を2度読む（特に共通テキスト絡みは長いことも知っていた）事は心底辛かったし、テキストが全般的に長いことや、主人公のヘタレぶりだのシステム周りの悪さだのが重なり合って、こちらの熱中度を下げていたのは確かである。
・快適さ
2009年のゲームの水準から見ても、快適さ周りは相当低い水準にある。
まずスキップの設定が「既読のみ」で未読を飛ばすことが出来ず、コンフィグでもスキップ周りの設定が出来ないし、またRボタンを押しっぱなしでないとスキップしない上に、スキップの速度もあまり速くないという仕様は、共通パートが長くテキスト量の多いこのゲームでは致命的に感じた。
PS2版で既読した文章はオートモードで読み飛ばしていたのだが、オートモードの設定も速度を自由に変えられず、速度もあまり速くなかったのはストレスの素になりえたのだし。

COMMENT

PSP-3000型使用、PS2版フルコンプ済み。
ギャルゲーのプレイ本数が20本未満で、18歳未満のプレイヤーならこの機に購入するのもありかもしれないが、一部「劣化移植」な部分もあるために、18歳以上のプレイヤーは素直にPC版を買うことをオススメする（ファンディスク「AnotherDays」は今では中古で安売りしてるが、購入はお好みかつ自己責任でどうぞ）。
PS2版・PC版プレイ経験者やテキストを流し読みしたい人はプレイした人からシステムデータを貰うのも手だろう（特に共通パートをスキップできるのとできないのとでは快適さが段違い）。
後、助言としては面倒臭がらず、PC版の攻略サイトを探して情報を収集することを忘れないように。でないと珊瑚＆瑠璃ルートの選択肢（しくじるといつのまにか双子の蚊帳の外に出されて攻略失敗）や愛佳ルートの「愛佳トラップ（3月の間に由真の好感度を上げておかないと由真から愛佳の誕生日を教えてもらえず攻略失敗）」で何度もつまづくだろうから。